俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。
12-4【草原の白い町イルミナル】
「あ~~、危なかったぜ……」
俺は呆然としながら崩れ落ちたトンネルの入り口を見ていた。
俺の後方では大量の砂埃が入道雲のように舞い上がっている。
完璧にトンネルの出入り口は倒壊してしまっていた。
危なくトンネルの倒壊に巻き込まれるところだったのだ。
流石の俺でも生き埋めにされたら死んじゃうよね。
助かって良かったわ~。
俺は崩れたトンネルから離れると、道の端に在った岩の上に腰を下ろした。
一息つく。
そして、空を見上げれば太陽がてっぺんにあった。
まだ、昼頃らしいな。
「まずは休憩がてら、とっとと新スキルチェックでも済ませちゃおうかな~。ステータスかも~ん!」
どれどれ~、今回覚えた新スキルは二つか~。
【ゴブリン言語スキルLv1】
ゴブリンの言語が喋れる。ゴブリンの文章の読み書きが出来る。
おお、ゴブリン語を習得しちゃったよ。
しかも読み書きまで出来るのか。
これはこれで博学っぽくってありだな。
まあ、今までに他種族の言語を使って交渉らしい交渉はしたこと無かったもんな。
ならば、ランゲージリング+2を使ってモンスターと会話を繰り広げれば、どんどんモンスターの言語を習得出来るってことなのかな。
じゃあ今度からモンスターと会話が出来そうなときは、出来るだけモンスターの言語で会話をして、言語を習得していこうか。
そうすれば、俺のコミュニケーション能力も向上するだろうさ。
なんかいろいろなモンスターの言葉が話せるってのもいかしているだろう。
さてさて、最後の新スキルは~。
【マジックマスタリーLv1】
魔力が向上する。
うぬ~?
これは魔力が向上したってことなんだろうが、魔法の威力が向上したでいいのかな?
たぶんそうなのかな?
てか、ここの説明は曖昧なことが多くて、本当に良く分からんわ……。
それと何個かのスキルがレベルアップしているが、ここで語るのは面倒臭いからいつも通りカットである。
まあ、新スキルチェックはこんなもんだ。
今回は全部使えるスキルで良かったわ~。
よし、先に進もうかな。
俺はアキレスに股がると、倒壊したトンネル跡地をあとにした。
そして山沿いの緩やかな坂道を下って森を抜ける。
すると草原に出た。
周囲の景色は緑が生い茂る草原で、遥か先には防壁を設けた白い町が見える。
すべての建物が屋根も壁も真っ白な町だった。
町の反対側には、丘の上に古城が凛々しく建っていた。
なんだか長閑な風に草木が揺れている。
清々しいな~。
如何にも平和そうな田舎町って感じだ。
旧魔王城までの道のりも、そろそろ終盤である。
この町が地図上では最後の町であった。
この先には村が幾つかあるだけである。
「町の名前は、イルミナルか──」
イルミナルって、照らすって意味だよな。
あの町は、何を照らすんだろう?
まあ、とにかくだ。
町に向かって見るかな。
町は畑に囲まれていた。
そして古い壁だが防壁にも囲まれてもいる。
しかし、壁の出入り口には番兵が居ない。
あれ、兵力に乏しい町なのかな?
俺はアキレスで町の中に入って行った。
正門から進むと、美しい町並みが広がっている。
白くて綺麗な壁の家が並んでいるのだ。
純白の町並みは清楚である。
そして、露店が幾つか並んでいた。
人の数は少ないが、賑わっていないわけでもない。
町並みは、荒れた感じもないし、汚くもない。
人々も笑顔で行き来している。
雰囲気が綺麗で美しい町だ。
なんだか地中海のリゾート観光地のイメージがする。
おそらく食料にも困らず、モンスターの襲撃にも困っていないのだろう。
とりあえず俺は宿屋を探してみた。
「あれかな」
ベッドと蝋燭の絵が彫り困れた看板を見つける。
「蝋燭の油亭かぁ。今日はここで宿を取るか」
俺はアキレスをトロフィーに戻すと宿屋に入った。
店の中には昼まっから入り浸ってる飲んだくれの客が数人テーブルを囲んで居た。
どこにでも居るんだな、飲んだくれってさ。
でも、明るく賑やかで他人に絡んで来そうな感じはない。
人が良さそうなのか静かに飲んでいる。
俺はカウンター席に腰掛けると店の親父に昼食を注文した。
「マスター、なんでもいいから昼食を食べさせてくれないか?」
「あいよ、お任せでいいんだな」
「辛いのは無しな……。辛いのは苦手だからさ」
激辛は、もう御免である……。
「分かったぜ。でえ、酒は何にする?」
「すまん、俺はゲコだから、水でいいや」
「なら、しぼりたてのオレンジジュースがあるが、飲むかい?」
「のっ、飲むう!!」
マジか!?
マジでオレンジジュースが飲めるの!!
この異世界に来てから果物を絞ったドリンクなんて飲んだことないぞ!!
「なあ、マスター。なんでオレンジジュースなんてあるんだ?」
「この町はオレンジとリンゴ、それに酒の仕込みようの葡萄などが名産なんだがね。輸送路が悪くて毎年余るんだよ。だから綺麗な真水よりもオレンジジュースやリンゴジュースのほうが安くてね」
「なるほど……」
俺はこうしてオレンジジュースを堪能しながら昼飯を食べた。
オレンジジュース旨い~~。
昔の世界でオレンジジュースを飲んで、こんなことを思ったことすらないのにな~。
オレンジジュースって幸せの味がするよ。
そして、昼飯を食べ終わった俺は、部屋を借りてから冒険者用の掲示板を眺めた。
掲示板にはゴブリン退治と荷馬車の護衛の依頼書ばかりが貼られていた。
「なあ、マスター。この辺は、ゴブリンが多いのか?」
まあ、洞窟にあれだけ居たもんな。
「ああ、昔っからゴブリンが沢山湧いてな。他のモンスターは少ないんだけどな~」
あのトンネルから湧いて出て来てたのかな?
それともあのトンネルにゴブリンが外から入って来て溜まってたのかな?
まあ、どちらにしろこの辺は、多くのゴブリンの生息地なんだろう。
これも魔王城の影響なのかな?
いや、まだ魔王城まで距離があるから関係ないか。
俺は掲示板を離れて階段を登った。
ゴブリン退治や護衛の仕事だとギャラも安いから、俺の出番でもないだろう。
たぶんこの感じからして、荷馬車の護衛が町に到着すると、帰りの荷馬車が出発するまでの間にゴブリン退治をして小銭を稼ぐのが、この辺の冒険者のルーティンなのだろうさ。
ならば、この仕事はこの辺の冒険者に任せておくべきだ。
余所者の俺が僅かな稼ぎを横取りするまでもないだろう。
そんな感じで俺が階段を登り始めると、宿屋の外が騒がしくなった。
男の叫び声が聞こえて来る。
「大変だ~!! 姫様が来るぞーー!!」
えっ、姫様が来るの?
それで何故に叫ぶ?
すると店のマスターが慌てて出入り口の扉を閉めると鍵を掛けた。
更に閂まで掛ける。
さっきまで賑やかに飲んだくれていたお客たちも慌ててテーブルのしたに隠れた。
「な、なんだ? 何が起きてるんだ?」
怯えている?
お客もマスターも怯えているな。
姫様に怯えているのか?
「どうなってるんだ!?」
俺が階段の上から大きな声でマスターに問うと、マスターは口に人差し指を当てて、しっーー!っと言った。
その表情は、鬼気迫るって感じだった。
静かにってことですか……?
なに?
そんなに姫様って怖いわけ?
俺は階段を降りると扉の前にしゃがみ込んでいるマスターの側に進んだ。
今度は小声で問う。
「姫様がそんなに怖いのか?」
「ああ、古城に住んでいる姫様は、化け物だ……。この町で一番の災いなんだ……」
「へぇ~~」
俺は窓の隙間から外を眺める。
もう町の人は逃げ去ったのか、大通りは人影一つ無くなっていた。
その静かになった大通りを一つの人影が歩んで来る。
ノシリノシリと大きな頭を揺らしていた。
俺は、その人物を見て震えだす。
俺の本能が怯えたしたのだ。
「うそぉ~~~ん、なんで~~……」
その人物は、黒山羊の頭を頭に被って歩いていたのだ。
「まぁ~じょ~だぁ~~……」
恐怖!?
俺はマスターの横にヘタレ込んでしまう。
トラウマを突っつかれたように身体が振るえだす。
俺は呆然としながら崩れ落ちたトンネルの入り口を見ていた。
俺の後方では大量の砂埃が入道雲のように舞い上がっている。
完璧にトンネルの出入り口は倒壊してしまっていた。
危なくトンネルの倒壊に巻き込まれるところだったのだ。
流石の俺でも生き埋めにされたら死んじゃうよね。
助かって良かったわ~。
俺は崩れたトンネルから離れると、道の端に在った岩の上に腰を下ろした。
一息つく。
そして、空を見上げれば太陽がてっぺんにあった。
まだ、昼頃らしいな。
「まずは休憩がてら、とっとと新スキルチェックでも済ませちゃおうかな~。ステータスかも~ん!」
どれどれ~、今回覚えた新スキルは二つか~。
【ゴブリン言語スキルLv1】
ゴブリンの言語が喋れる。ゴブリンの文章の読み書きが出来る。
おお、ゴブリン語を習得しちゃったよ。
しかも読み書きまで出来るのか。
これはこれで博学っぽくってありだな。
まあ、今までに他種族の言語を使って交渉らしい交渉はしたこと無かったもんな。
ならば、ランゲージリング+2を使ってモンスターと会話を繰り広げれば、どんどんモンスターの言語を習得出来るってことなのかな。
じゃあ今度からモンスターと会話が出来そうなときは、出来るだけモンスターの言語で会話をして、言語を習得していこうか。
そうすれば、俺のコミュニケーション能力も向上するだろうさ。
なんかいろいろなモンスターの言葉が話せるってのもいかしているだろう。
さてさて、最後の新スキルは~。
【マジックマスタリーLv1】
魔力が向上する。
うぬ~?
これは魔力が向上したってことなんだろうが、魔法の威力が向上したでいいのかな?
たぶんそうなのかな?
てか、ここの説明は曖昧なことが多くて、本当に良く分からんわ……。
それと何個かのスキルがレベルアップしているが、ここで語るのは面倒臭いからいつも通りカットである。
まあ、新スキルチェックはこんなもんだ。
今回は全部使えるスキルで良かったわ~。
よし、先に進もうかな。
俺はアキレスに股がると、倒壊したトンネル跡地をあとにした。
そして山沿いの緩やかな坂道を下って森を抜ける。
すると草原に出た。
周囲の景色は緑が生い茂る草原で、遥か先には防壁を設けた白い町が見える。
すべての建物が屋根も壁も真っ白な町だった。
町の反対側には、丘の上に古城が凛々しく建っていた。
なんだか長閑な風に草木が揺れている。
清々しいな~。
如何にも平和そうな田舎町って感じだ。
旧魔王城までの道のりも、そろそろ終盤である。
この町が地図上では最後の町であった。
この先には村が幾つかあるだけである。
「町の名前は、イルミナルか──」
イルミナルって、照らすって意味だよな。
あの町は、何を照らすんだろう?
まあ、とにかくだ。
町に向かって見るかな。
町は畑に囲まれていた。
そして古い壁だが防壁にも囲まれてもいる。
しかし、壁の出入り口には番兵が居ない。
あれ、兵力に乏しい町なのかな?
俺はアキレスで町の中に入って行った。
正門から進むと、美しい町並みが広がっている。
白くて綺麗な壁の家が並んでいるのだ。
純白の町並みは清楚である。
そして、露店が幾つか並んでいた。
人の数は少ないが、賑わっていないわけでもない。
町並みは、荒れた感じもないし、汚くもない。
人々も笑顔で行き来している。
雰囲気が綺麗で美しい町だ。
なんだか地中海のリゾート観光地のイメージがする。
おそらく食料にも困らず、モンスターの襲撃にも困っていないのだろう。
とりあえず俺は宿屋を探してみた。
「あれかな」
ベッドと蝋燭の絵が彫り困れた看板を見つける。
「蝋燭の油亭かぁ。今日はここで宿を取るか」
俺はアキレスをトロフィーに戻すと宿屋に入った。
店の中には昼まっから入り浸ってる飲んだくれの客が数人テーブルを囲んで居た。
どこにでも居るんだな、飲んだくれってさ。
でも、明るく賑やかで他人に絡んで来そうな感じはない。
人が良さそうなのか静かに飲んでいる。
俺はカウンター席に腰掛けると店の親父に昼食を注文した。
「マスター、なんでもいいから昼食を食べさせてくれないか?」
「あいよ、お任せでいいんだな」
「辛いのは無しな……。辛いのは苦手だからさ」
激辛は、もう御免である……。
「分かったぜ。でえ、酒は何にする?」
「すまん、俺はゲコだから、水でいいや」
「なら、しぼりたてのオレンジジュースがあるが、飲むかい?」
「のっ、飲むう!!」
マジか!?
マジでオレンジジュースが飲めるの!!
この異世界に来てから果物を絞ったドリンクなんて飲んだことないぞ!!
「なあ、マスター。なんでオレンジジュースなんてあるんだ?」
「この町はオレンジとリンゴ、それに酒の仕込みようの葡萄などが名産なんだがね。輸送路が悪くて毎年余るんだよ。だから綺麗な真水よりもオレンジジュースやリンゴジュースのほうが安くてね」
「なるほど……」
俺はこうしてオレンジジュースを堪能しながら昼飯を食べた。
オレンジジュース旨い~~。
昔の世界でオレンジジュースを飲んで、こんなことを思ったことすらないのにな~。
オレンジジュースって幸せの味がするよ。
そして、昼飯を食べ終わった俺は、部屋を借りてから冒険者用の掲示板を眺めた。
掲示板にはゴブリン退治と荷馬車の護衛の依頼書ばかりが貼られていた。
「なあ、マスター。この辺は、ゴブリンが多いのか?」
まあ、洞窟にあれだけ居たもんな。
「ああ、昔っからゴブリンが沢山湧いてな。他のモンスターは少ないんだけどな~」
あのトンネルから湧いて出て来てたのかな?
それともあのトンネルにゴブリンが外から入って来て溜まってたのかな?
まあ、どちらにしろこの辺は、多くのゴブリンの生息地なんだろう。
これも魔王城の影響なのかな?
いや、まだ魔王城まで距離があるから関係ないか。
俺は掲示板を離れて階段を登った。
ゴブリン退治や護衛の仕事だとギャラも安いから、俺の出番でもないだろう。
たぶんこの感じからして、荷馬車の護衛が町に到着すると、帰りの荷馬車が出発するまでの間にゴブリン退治をして小銭を稼ぐのが、この辺の冒険者のルーティンなのだろうさ。
ならば、この仕事はこの辺の冒険者に任せておくべきだ。
余所者の俺が僅かな稼ぎを横取りするまでもないだろう。
そんな感じで俺が階段を登り始めると、宿屋の外が騒がしくなった。
男の叫び声が聞こえて来る。
「大変だ~!! 姫様が来るぞーー!!」
えっ、姫様が来るの?
それで何故に叫ぶ?
すると店のマスターが慌てて出入り口の扉を閉めると鍵を掛けた。
更に閂まで掛ける。
さっきまで賑やかに飲んだくれていたお客たちも慌ててテーブルのしたに隠れた。
「な、なんだ? 何が起きてるんだ?」
怯えている?
お客もマスターも怯えているな。
姫様に怯えているのか?
「どうなってるんだ!?」
俺が階段の上から大きな声でマスターに問うと、マスターは口に人差し指を当てて、しっーー!っと言った。
その表情は、鬼気迫るって感じだった。
静かにってことですか……?
なに?
そんなに姫様って怖いわけ?
俺は階段を降りると扉の前にしゃがみ込んでいるマスターの側に進んだ。
今度は小声で問う。
「姫様がそんなに怖いのか?」
「ああ、古城に住んでいる姫様は、化け物だ……。この町で一番の災いなんだ……」
「へぇ~~」
俺は窓の隙間から外を眺める。
もう町の人は逃げ去ったのか、大通りは人影一つ無くなっていた。
その静かになった大通りを一つの人影が歩んで来る。
ノシリノシリと大きな頭を揺らしていた。
俺は、その人物を見て震えだす。
俺の本能が怯えたしたのだ。
「うそぉ~~~ん、なんで~~……」
その人物は、黒山羊の頭を頭に被って歩いていたのだ。
「まぁ~じょ~だぁ~~……」
恐怖!?
俺はマスターの横にヘタレ込んでしまう。
トラウマを突っつかれたように身体が振るえだす。
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