俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。
7-25【アスランの連勝】
ダグラス・ウィンチェスターは、苦々しい顔でベンチに座りながら四角い頭を揺さぶるようにトントンと手の平で叩いていた。
その後ろからジャンヌちゃんがヒールを掛けている。
ジャンヌちゃんが心配そうに訊いた。
「大丈夫ですか、ウィンチェスター様……」
「ああ、ありがとうよ、ジャンヌ……」
ヒールを掛け終わったジャンヌちゃんが怒り顔で俺に詰め寄って来る。
「アスランさん、いきなりダグラス様に殴り掛かって、何をするんですか。相手は曲がりなりにも老体なんですよ!!」
ジャンヌちゃんは両手に持ったジルドレを突き出しながら俺を怒っていた。
突き出されたジルドレがシャーシャーと言いながら俺の眼前で爪を振るっている。
しかし、俺は正々堂々と言い訳を述べた。
「何を言ってるんだいジャンヌちゃん。最初に斧を投げて来たのは、その四角い爺さんだぞ」
「あー、確かに……」
反論は無いようだ。
ここまであっさり引かれると、なんだか張り合いがないな。
もっと突っ掛かって来てもらいたいものである。
どうやらジャンヌちゃんは、ツンデレキャラではないようだ。
寂しいな~。
ひじょーーに勿体無い……。
M的な俺には刺激が足りないぞ。
そして、ダグラスがベンチから立ち上がると、俺たちに言う。
「ああ、確かにワシから攻撃を仕掛けたんだ。そいつの言う通りだな。謝るべきはワシのほうだわな」
俺の目の前に立ったダグラスが四角い大胸筋を張る。
「だが、謝らねーーぞ、ドアホが!!」
「なんだと、この糞爺!!」
「いつか報復してやるからな!!」
「上等じゃあねぇか!!」
「ちょっと待ってください、二人とも!!」
睨み合う俺たちの間に困り顔のジャンヌちゃんが割って入る。
すると鼻を鳴らしたダグラスが退いた。
「まあ、それよりも、今までのメトロが送り込んできた冒険者よりは骨があるってのは、よーーく分かったぜ。
でえ、名前は?」
「ソドムタウンの冒険者アスランだ」
「俺はダグラス・ウィンチェスターだ。よろしくな」
ダグラスが右手を差し出して来たので俺は握手を返した。
しかし───。
「かかったな!!」
「なに!?」
ダグラスは俺が差し出した手首を両手でガッシリと掴むと飛びかかって来る。
俺の片腕を掴んだままのダグラスは、俺の頭の高さまで飛んでいた。
そして、そのまま両足を大きく開くと俺の片腕に噛み付くように両足で俺の片腕を挟み込む。
そのまま重力を利用して俺の体を引き寄せる。
「飛び付き腕十字だと!?」
「この腕は、貰ったぜ!!」
ダグラスの体が俺の腕に絡み付くと、全体重で腕が、体が、強く引っ張られた。
俺の上半身が大地に向かって強い力で引っ張られる。
引き込まれて倒れる!?
地面に倒れ込んだら腕十字が決まってしまう!!
「なろーー!!」
だが俺は、蟹股に体勢を築くと全力で耐えた。
そして、動きが止まる。
俺は片腕一本でダグラスのマッチョな体を吊り上げていた。
「ぬぬぬぬぬ~、どうだこの筋肉親父が!!」
「な、なんだと……」
ダグラスが逆さまの体勢で驚いていた。
重力を利用して引っ張っていたダグラスの背中は大地に着いていない。
宙に浮いていた。
俺が飛び付き腕十字を支えるように、片腕だけでダグラスを持ち上げているのだ。
「若者のパワーを、舐めんなよ!!」
「ぬぬぬぬぬぬっ!!」
伊達にマジックアイテムで筋力をアップさせていないぜ。
何よりも、俺の身体は鍛え上げられているんだ。
数々の冒険歴を舐めるなよ。
それがすべてトレーニング以上のトレーニングなんだからよ。
たかが大工仕事で鍛えている程度のマッチョマンが俺にパワーで敵うと思うな。
そして、ここから俺の反撃だ。
「おっらぁーーーー!!」
「ななななななっ!!」
俺は腕を高く上げてダグラスを持ち上げた。
ダグラスの体が俺の頭よりも高い位置に上がる。
「覚悟はいいよな、糞爺!?」
高さに怯まないダグラスが吠えた。
「承知のうえだ、餓鬼が!!」
「うらぁぁあああ!!」
「!!!!」
俺はダグラスを地面に向けて振り下ろした。
ダグラスは頭から地面に叩き付けられる。
ゴンッと音が鳴ると同時にゴキッと鈍い音も聴こえた。
「どうだ、糞爺!!」
するとダグラスの体から力が抜け落ちる。
「…………」
スルリと俺の手から放れたダグラスが、力無いままグッタリと沈む。
動かない。
気絶したかな?
「ダーグーラースーさーまー!!!」
叫んだジャンヌちゃんが駆け寄って来て、ダグラスに対して必死にヒールを施していた。
しかし、ダグラスは白目を剥いたままである。
やっぱり動かない。
三本勝負だとしても、俺の二連勝だ。
よし、これで俺の完全勝利だな。
その後ろからジャンヌちゃんがヒールを掛けている。
ジャンヌちゃんが心配そうに訊いた。
「大丈夫ですか、ウィンチェスター様……」
「ああ、ありがとうよ、ジャンヌ……」
ヒールを掛け終わったジャンヌちゃんが怒り顔で俺に詰め寄って来る。
「アスランさん、いきなりダグラス様に殴り掛かって、何をするんですか。相手は曲がりなりにも老体なんですよ!!」
ジャンヌちゃんは両手に持ったジルドレを突き出しながら俺を怒っていた。
突き出されたジルドレがシャーシャーと言いながら俺の眼前で爪を振るっている。
しかし、俺は正々堂々と言い訳を述べた。
「何を言ってるんだいジャンヌちゃん。最初に斧を投げて来たのは、その四角い爺さんだぞ」
「あー、確かに……」
反論は無いようだ。
ここまであっさり引かれると、なんだか張り合いがないな。
もっと突っ掛かって来てもらいたいものである。
どうやらジャンヌちゃんは、ツンデレキャラではないようだ。
寂しいな~。
ひじょーーに勿体無い……。
M的な俺には刺激が足りないぞ。
そして、ダグラスがベンチから立ち上がると、俺たちに言う。
「ああ、確かにワシから攻撃を仕掛けたんだ。そいつの言う通りだな。謝るべきはワシのほうだわな」
俺の目の前に立ったダグラスが四角い大胸筋を張る。
「だが、謝らねーーぞ、ドアホが!!」
「なんだと、この糞爺!!」
「いつか報復してやるからな!!」
「上等じゃあねぇか!!」
「ちょっと待ってください、二人とも!!」
睨み合う俺たちの間に困り顔のジャンヌちゃんが割って入る。
すると鼻を鳴らしたダグラスが退いた。
「まあ、それよりも、今までのメトロが送り込んできた冒険者よりは骨があるってのは、よーーく分かったぜ。
でえ、名前は?」
「ソドムタウンの冒険者アスランだ」
「俺はダグラス・ウィンチェスターだ。よろしくな」
ダグラスが右手を差し出して来たので俺は握手を返した。
しかし───。
「かかったな!!」
「なに!?」
ダグラスは俺が差し出した手首を両手でガッシリと掴むと飛びかかって来る。
俺の片腕を掴んだままのダグラスは、俺の頭の高さまで飛んでいた。
そして、そのまま両足を大きく開くと俺の片腕に噛み付くように両足で俺の片腕を挟み込む。
そのまま重力を利用して俺の体を引き寄せる。
「飛び付き腕十字だと!?」
「この腕は、貰ったぜ!!」
ダグラスの体が俺の腕に絡み付くと、全体重で腕が、体が、強く引っ張られた。
俺の上半身が大地に向かって強い力で引っ張られる。
引き込まれて倒れる!?
地面に倒れ込んだら腕十字が決まってしまう!!
「なろーー!!」
だが俺は、蟹股に体勢を築くと全力で耐えた。
そして、動きが止まる。
俺は片腕一本でダグラスのマッチョな体を吊り上げていた。
「ぬぬぬぬぬ~、どうだこの筋肉親父が!!」
「な、なんだと……」
ダグラスが逆さまの体勢で驚いていた。
重力を利用して引っ張っていたダグラスの背中は大地に着いていない。
宙に浮いていた。
俺が飛び付き腕十字を支えるように、片腕だけでダグラスを持ち上げているのだ。
「若者のパワーを、舐めんなよ!!」
「ぬぬぬぬぬぬっ!!」
伊達にマジックアイテムで筋力をアップさせていないぜ。
何よりも、俺の身体は鍛え上げられているんだ。
数々の冒険歴を舐めるなよ。
それがすべてトレーニング以上のトレーニングなんだからよ。
たかが大工仕事で鍛えている程度のマッチョマンが俺にパワーで敵うと思うな。
そして、ここから俺の反撃だ。
「おっらぁーーーー!!」
「ななななななっ!!」
俺は腕を高く上げてダグラスを持ち上げた。
ダグラスの体が俺の頭よりも高い位置に上がる。
「覚悟はいいよな、糞爺!?」
高さに怯まないダグラスが吠えた。
「承知のうえだ、餓鬼が!!」
「うらぁぁあああ!!」
「!!!!」
俺はダグラスを地面に向けて振り下ろした。
ダグラスは頭から地面に叩き付けられる。
ゴンッと音が鳴ると同時にゴキッと鈍い音も聴こえた。
「どうだ、糞爺!!」
するとダグラスの体から力が抜け落ちる。
「…………」
スルリと俺の手から放れたダグラスが、力無いままグッタリと沈む。
動かない。
気絶したかな?
「ダーグーラースーさーまー!!!」
叫んだジャンヌちゃんが駆け寄って来て、ダグラスに対して必死にヒールを施していた。
しかし、ダグラスは白目を剥いたままである。
やっぱり動かない。
三本勝負だとしても、俺の二連勝だ。
よし、これで俺の完全勝利だな。
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