俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。
4-14【衣装チェンジ希望】
門前で警備兵と協力してランドワームの群れを撃退したあとに俺は再び牢獄に幽閉されていた。
罪状はいつものトレイン罪である。
そして、俺はビキニアーマーのまま牢獄内で身元引受人が来てくれるのを寂しく待っていた。
やがてスカル姉さんが牢獄まで迎えに来てくれたお陰で俺は釈放される。
俺はスカル姉さんとトボトボと町中を歩いて診療所に向かっていた。
そんな俺たちをソドムタウンの人々が白い目で眺めている。
主婦も店主も飲んだくれも娼婦たちも俺を白い目で見てやがるのだ。
コソコソと話している者も少なくない。
そりゃあそうだろうさ。
これで町を騒がせたトレイン事件は二回目だ。
その犯人は、どちらも俺だ。
そりゃあ冷めた注目も浴びるだろうさ。
俺は罪の意識を深く感じながらスカル姉さんのあとに続いた。
しかし、無言で先を進むスカル姉さんの歩みが、段々と速くなって行く。
俺は早足になるスカル姉さんから離されないよう速度を合わせて進んだ。
だが、スカル姉さんの歩みは更に速くなる。
俺はスカル姉さんから離れない。
しかし突如、スカル姉さんが走り出した。
猛ダッシュである。
短距離走選手顔負けのナイスホームで疾走して行く。
俺も逃がすまいとスカル姉さんを追う。
俺にはランニングコストダウンやノットランなどの俊足なスキルがあるんだぜ!
そうそう走りで負けるわけがない。
俺は必死で走るスカル姉さんを逃がさなかった。
するとスカル姉さんが狭い路地に曲がって入り込む。
俺は追う。
逃げたら追うのが本能だ。
そして追われたら逃げるのも本能だ。
今は追う時である。
俺も本能のままに路地に飛び込んだ。
すると路地に入った直後である。
スカル姉さんが深く御辞儀をするように体を45度に曲げて立っていた。
止まれない!
俺はスカル姉さんの頭に腹からぶつかった。
そのままスカル姉さんの背中に乗るように体を曲げる。
するとスカル姉さんは俺をかずいて勢い良く後ろに放り投げた。
「ソルジャースルー!!」
天高く宙を舞う俺!
古典的なプロレス技かよ!?
「なんの!!」
しかし俺は可憐に体を捻ると、クルクル回って足から着地する。
「何をするんだ、スカル姉さん!?」
「何をするもしないもあるか!!」
「んんぅ?」
俺が不思議そうに首を傾げるとスカル姉さんは俺に顔面を近付けながら吠えた。
「何をすっとぼけてるんだ!」
「何が?」
「何がじゃあねえよ、何でビキニアーマー一丁で町中を闊歩してるんだ、お前は!?」
「あー、これね。ランドワームと戦っててローブを食いちぎられたからな」
「それでビキニアーマー一丁かよ!」
「うん、散々笑われたし牢獄内でも散々弄られたから、もう慣れた」
「慣れんな、変態!」
「だってもう手遅れだもの。明日には町中の噂になってるよ。俺がビキニアーマーを着てたってさ」
「諦めんなよ、馬鹿!!」
「まあね、明日から俺ってば地獄だわ。あはははははー」
「笑うな、泣けよ!」
「うわぁぁぁあああ! どうしよう、スカル姉さん! 明日から地獄だわ、俺!!」
「やっぱり、泣くな、うぜえ!!」
「なんだよ、人が折角泣いたのにさ」
「嘘泣きかよ!!」
「とりあえず、どうしようか。このままだと目立ってしかたないよね。スカル姉さん、俺と服を替えない」
「なんでだ!?」
「だって俺がビキニアーマーよりも、スカル姉さんのほうがビキニアーマーを着ていたほうが自然じゃあないか?」
「ぜんぜん自然じゃないわ!」
「いやいや、きっと似合うよ」
「え、似合うのかな?」
「うんうん、似合う似合う」
「そうか~」
「じゃあ俺、ビキニアーマーを脱ぐから、スカル姉さんも服を脱いでくれ」
「脱ぐか、馬鹿!」
Vの字目潰しが飛んで来た。
それで両目を遠慮無く突かれる。
「ぎぃぁぁああああ!!」
俺が両目を押さえながらのたうち回っている間にスカル姉さんはさっさと去って行った。
俺は置いてきぼりになる。
ああ、どうしよう……。
一人になったら急に怖くなって来たわ。
一人でビキニアーマー姿を晒すのが怖くなってきたぞ……。
どうしよう、スカル姉さんは行っちゃったし、俺一人だよ……。
裏路地を出て一人で町中を歩けそうにないわ……。
心細いの、ぐすん……。
どうしよう……。
寒い……。
このままでは寒さと孤独感で死んじゃいそうだ。
でも、死ねない!
死んでたまるか!
俺は生きる!
このままスカル姉さんの下宿まで帰ってやるぞ!!
いや、まてよ!
この際だからビキニアーマーを脱げばいいんじゃあないか?
そもそも全裸でいいんじゃあないか?
俺がそんなアホな考えを固めようとしていると、突然背後から声を掛けられた。
「あんた、なに、その格好……?」
女の子の声だった。
俺は驚愕のままに振り返る。
「んん!?」
「うわ、前から見ると、更にエグイわね……」
俺が振り返ると、そこには神官服を着た金髪少女が立っていた。
見覚えのない少女である。
身長は俺と同じくらい。
体は細いがグラマーだ。
綺麗な金髪は腰まで長い。
そして神官の僧衣を着ている。
なんだか強気な美少女だった。
うむ、ヒロインとしては合格レベルである。
それにしても、誰だろう?
口調からして俺を知っている感じだった。
でも、俺にはこんな可愛らしい少女の記憶がない。
転生以来、記憶にはあまり自信がなかった。
いろんなことを思い出せなかったり、何気なく覚えてたりする。
この少女も、そんな曖昧な記憶の中に流れてしまった美少女なのだろうか?
「あの、どちら様ですか……?」
美少女神官は臭い顔をしながら言う。
「はぁ~、あなた私を忘れたの?」
「す、すみません……」
なんか不機嫌だな。
「私よ、クララよ!」
「はぁ?」
「ほら、前に冒険者ギルドでパーティーを組んだでしょうが!」
「はぁ?」
俺はパーティーを組んで冒険をしたことがない。
ソロ専門だ。
だからこんな美少女とパーティーなんて組んだことがないのだ。
「忘れたの?」
「はい……。覚えてません?」
「ほら、クラウドと一緒にリックに裏切られたじゃない!」
「ああ、裏切られた。クラウドと、クララと一緒に、リックに裏切られて荷物を奪われたな。なんでそれをキミが知っているんだ?」
「だから私がその時のクララだからよ!」
「いやいや、その時のクララは、もっとモッチリしたデブい娘だったぞ?」
「誰がモッチリだ! 誰がデブいだ!!」
「俺の記憶が確かならば、クララはそんなデブい娘だ。キミのようにスレンダーじゃあないぞ」
「私も少しだけ痩せたんだよ!!」
「少しだけ?」
「あー、分かったわよ!  かなり痩せました! 裏切られたショックでかなり激痩せしましたわよ!!」
「そうなんだ。なーんだ、クララか」
んー、俺の記憶と違う。
こんな美少女が、あのモッチリデブ娘だったと?
えーと……。
んーと……。
えっーーー!!!
「マジか!!!!」
「やっと理解できたか、この変態が!」
「え、なんで、なんで、痩せただけで、こんなに美少女にかわるわけ!?」
「生まれつきよ!」
「分かった、信じるから、このビキニアーマーと僧衣を、ここで交換してくれ! さあ、脱いで!!」
「断る、変態か! お前は!?」
罪状はいつものトレイン罪である。
そして、俺はビキニアーマーのまま牢獄内で身元引受人が来てくれるのを寂しく待っていた。
やがてスカル姉さんが牢獄まで迎えに来てくれたお陰で俺は釈放される。
俺はスカル姉さんとトボトボと町中を歩いて診療所に向かっていた。
そんな俺たちをソドムタウンの人々が白い目で眺めている。
主婦も店主も飲んだくれも娼婦たちも俺を白い目で見てやがるのだ。
コソコソと話している者も少なくない。
そりゃあそうだろうさ。
これで町を騒がせたトレイン事件は二回目だ。
その犯人は、どちらも俺だ。
そりゃあ冷めた注目も浴びるだろうさ。
俺は罪の意識を深く感じながらスカル姉さんのあとに続いた。
しかし、無言で先を進むスカル姉さんの歩みが、段々と速くなって行く。
俺は早足になるスカル姉さんから離されないよう速度を合わせて進んだ。
だが、スカル姉さんの歩みは更に速くなる。
俺はスカル姉さんから離れない。
しかし突如、スカル姉さんが走り出した。
猛ダッシュである。
短距離走選手顔負けのナイスホームで疾走して行く。
俺も逃がすまいとスカル姉さんを追う。
俺にはランニングコストダウンやノットランなどの俊足なスキルがあるんだぜ!
そうそう走りで負けるわけがない。
俺は必死で走るスカル姉さんを逃がさなかった。
するとスカル姉さんが狭い路地に曲がって入り込む。
俺は追う。
逃げたら追うのが本能だ。
そして追われたら逃げるのも本能だ。
今は追う時である。
俺も本能のままに路地に飛び込んだ。
すると路地に入った直後である。
スカル姉さんが深く御辞儀をするように体を45度に曲げて立っていた。
止まれない!
俺はスカル姉さんの頭に腹からぶつかった。
そのままスカル姉さんの背中に乗るように体を曲げる。
するとスカル姉さんは俺をかずいて勢い良く後ろに放り投げた。
「ソルジャースルー!!」
天高く宙を舞う俺!
古典的なプロレス技かよ!?
「なんの!!」
しかし俺は可憐に体を捻ると、クルクル回って足から着地する。
「何をするんだ、スカル姉さん!?」
「何をするもしないもあるか!!」
「んんぅ?」
俺が不思議そうに首を傾げるとスカル姉さんは俺に顔面を近付けながら吠えた。
「何をすっとぼけてるんだ!」
「何が?」
「何がじゃあねえよ、何でビキニアーマー一丁で町中を闊歩してるんだ、お前は!?」
「あー、これね。ランドワームと戦っててローブを食いちぎられたからな」
「それでビキニアーマー一丁かよ!」
「うん、散々笑われたし牢獄内でも散々弄られたから、もう慣れた」
「慣れんな、変態!」
「だってもう手遅れだもの。明日には町中の噂になってるよ。俺がビキニアーマーを着てたってさ」
「諦めんなよ、馬鹿!!」
「まあね、明日から俺ってば地獄だわ。あはははははー」
「笑うな、泣けよ!」
「うわぁぁぁあああ! どうしよう、スカル姉さん! 明日から地獄だわ、俺!!」
「やっぱり、泣くな、うぜえ!!」
「なんだよ、人が折角泣いたのにさ」
「嘘泣きかよ!!」
「とりあえず、どうしようか。このままだと目立ってしかたないよね。スカル姉さん、俺と服を替えない」
「なんでだ!?」
「だって俺がビキニアーマーよりも、スカル姉さんのほうがビキニアーマーを着ていたほうが自然じゃあないか?」
「ぜんぜん自然じゃないわ!」
「いやいや、きっと似合うよ」
「え、似合うのかな?」
「うんうん、似合う似合う」
「そうか~」
「じゃあ俺、ビキニアーマーを脱ぐから、スカル姉さんも服を脱いでくれ」
「脱ぐか、馬鹿!」
Vの字目潰しが飛んで来た。
それで両目を遠慮無く突かれる。
「ぎぃぁぁああああ!!」
俺が両目を押さえながらのたうち回っている間にスカル姉さんはさっさと去って行った。
俺は置いてきぼりになる。
ああ、どうしよう……。
一人になったら急に怖くなって来たわ。
一人でビキニアーマー姿を晒すのが怖くなってきたぞ……。
どうしよう、スカル姉さんは行っちゃったし、俺一人だよ……。
裏路地を出て一人で町中を歩けそうにないわ……。
心細いの、ぐすん……。
どうしよう……。
寒い……。
このままでは寒さと孤独感で死んじゃいそうだ。
でも、死ねない!
死んでたまるか!
俺は生きる!
このままスカル姉さんの下宿まで帰ってやるぞ!!
いや、まてよ!
この際だからビキニアーマーを脱げばいいんじゃあないか?
そもそも全裸でいいんじゃあないか?
俺がそんなアホな考えを固めようとしていると、突然背後から声を掛けられた。
「あんた、なに、その格好……?」
女の子の声だった。
俺は驚愕のままに振り返る。
「んん!?」
「うわ、前から見ると、更にエグイわね……」
俺が振り返ると、そこには神官服を着た金髪少女が立っていた。
見覚えのない少女である。
身長は俺と同じくらい。
体は細いがグラマーだ。
綺麗な金髪は腰まで長い。
そして神官の僧衣を着ている。
なんだか強気な美少女だった。
うむ、ヒロインとしては合格レベルである。
それにしても、誰だろう?
口調からして俺を知っている感じだった。
でも、俺にはこんな可愛らしい少女の記憶がない。
転生以来、記憶にはあまり自信がなかった。
いろんなことを思い出せなかったり、何気なく覚えてたりする。
この少女も、そんな曖昧な記憶の中に流れてしまった美少女なのだろうか?
「あの、どちら様ですか……?」
美少女神官は臭い顔をしながら言う。
「はぁ~、あなた私を忘れたの?」
「す、すみません……」
なんか不機嫌だな。
「私よ、クララよ!」
「はぁ?」
「ほら、前に冒険者ギルドでパーティーを組んだでしょうが!」
「はぁ?」
俺はパーティーを組んで冒険をしたことがない。
ソロ専門だ。
だからこんな美少女とパーティーなんて組んだことがないのだ。
「忘れたの?」
「はい……。覚えてません?」
「ほら、クラウドと一緒にリックに裏切られたじゃない!」
「ああ、裏切られた。クラウドと、クララと一緒に、リックに裏切られて荷物を奪われたな。なんでそれをキミが知っているんだ?」
「だから私がその時のクララだからよ!」
「いやいや、その時のクララは、もっとモッチリしたデブい娘だったぞ?」
「誰がモッチリだ! 誰がデブいだ!!」
「俺の記憶が確かならば、クララはそんなデブい娘だ。キミのようにスレンダーじゃあないぞ」
「私も少しだけ痩せたんだよ!!」
「少しだけ?」
「あー、分かったわよ!  かなり痩せました! 裏切られたショックでかなり激痩せしましたわよ!!」
「そうなんだ。なーんだ、クララか」
んー、俺の記憶と違う。
こんな美少女が、あのモッチリデブ娘だったと?
えーと……。
んーと……。
えっーーー!!!
「マジか!!!!」
「やっと理解できたか、この変態が!」
「え、なんで、なんで、痩せただけで、こんなに美少女にかわるわけ!?」
「生まれつきよ!」
「分かった、信じるから、このビキニアーマーと僧衣を、ここで交換してくれ! さあ、脱いで!!」
「断る、変態か! お前は!?」
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