俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。
2-32【新魔法の夢】
私はアスランさんと薬草取りからソドムタウンに帰って来て直ぐに、魔法の研究に取り掛かりました。
薬草取りの帰り道で馬車に揺られていると、ふと思い付いたのです。
あの薬草と、あの薬草に、あの薬草を混ぜてから、じっくり蒸し上げて、それからエキスだけを抽出することで得た液体を、更に数日間寝かす。
その液体にイカ墨とチュパキャプラの鮮血を混ぜて出来上がったインクを使って魔法陣を法則通り羊皮紙に画く。
あとは月光の魔力を羊皮紙に三時間ほど注ぎ込むだけです。
その羊皮紙を使って書き上げた魔法陣の上でネギとカピバラの小水とウツブカズラの消化液を混ぜ合わせれば完成です。
私はそれで完璧にポーションが完成するんじゃあないかと、ふと思い付いたのです。
【体臭消しの魔法】が───。
何故急に閃いたかは分かりません。
ふと、です。
本当に、ふと思い付いたのですよ。
私は思い付いたばかりのレシピを羊皮紙にメモりました。
そして、ソドムタウンに帰ってから直ぐに実験に入ったのです。
実にあっさりと完成しました。
私は完成した魔法を使ってポーションを作ります。
何故か私は自信があったので、動物実験も人体実験もせずに、即自分でポーションを飲んで試しました。
ポーションを飲んで、効き目が出たと思われたころに、一人で町に出ました。
私が今まで人混みに入れば逃げるように道が開けるのに、今回はそんなことがありませんでした。
誰も私の体臭を気にしないのです。
逃げないのです。
嫌な顔一つしないのです。
きっと私の体臭が完全に消えているんだと思いました。
完璧に成功です。
私が待ち望んでいた魔法のポーションが完成したのです。
私は泣きながら歓喜しました。
その日の晩は、一人でパーティーに盛り上がりました。
きっとこれが、ボッチ最後のパーティーです。
でも、その夜、私は不思議な夢を見たのです。
本当に不思議な夢でした。
その夢の中で私は、森の中に立っていました。
そこは、沼地の森です。
この前、薬草取りに出向いた森です。
でも、何故か私の身体が動かないのです。
指一つ動かないのです。
どうやら動いていないのは、私だけではないようでした。
周りのすべてが、時間が止まったかのように静止しているのです。
しかも、景色がモノクロに染まっていました。
そのモノクロ世界にアスランさんが立ってました。
どうやら彼だけが動けるようでした。
そして彼は誰かと話しています。
眩く輝く光を見上げながら話しているのです。
私は耳を澄まして話を聞きました。
「俺が願う願いは、【────消す】魔法が欲しいのです」
『残念ながら、そのような魔法は存在しません』
「じゃあ、その魔法を作ってくれ。それが俺の願いだ」
『作るだけならば、願いを叶えて上げましょう』
「出来れば、その魔法を完成させるのは、あそこに居るスバルちゃんにしてもらいたいんだけど。そう言うのできるかな?」
『分かりました。ですが、それだと未来形の話になりますから、あなたが利益を得るとは限りませんよ?』
「べつに俺が得するための願いじゃあないからいいんだよ」
『分かりました。それでは願いを叶えましょう』
「ありがとうございます。女神さま」
『それでは、皆に幸あれ──』
そう述べると神々しい光は天に昇って消えて行きました。
そこで私は目が覚めたのです。
この夢が魔法の完成と関係しているかは分かりません。
魔法に歓喜した私の記憶が、過去の記憶と勝手に結びつけて見せただけの幻の夢かも知れません。
でも、あの薬草取りの帰り道に、ふと思い付いたのは事実です。
まさに奇跡の思い付きだったのですから。
あの夢の中の光が、本物の女神さまなら、奇跡の理由も理解できます。
だとすると、願ったのはアスランさんになります。
知り合ったばかりの私の悲願を叶えてくれたことになります。
何故でしょう?
理由が分かりません……。
分かりませんが、夢が現実ならば──。
私は───。
薬草取りの帰り道で馬車に揺られていると、ふと思い付いたのです。
あの薬草と、あの薬草に、あの薬草を混ぜてから、じっくり蒸し上げて、それからエキスだけを抽出することで得た液体を、更に数日間寝かす。
その液体にイカ墨とチュパキャプラの鮮血を混ぜて出来上がったインクを使って魔法陣を法則通り羊皮紙に画く。
あとは月光の魔力を羊皮紙に三時間ほど注ぎ込むだけです。
その羊皮紙を使って書き上げた魔法陣の上でネギとカピバラの小水とウツブカズラの消化液を混ぜ合わせれば完成です。
私はそれで完璧にポーションが完成するんじゃあないかと、ふと思い付いたのです。
【体臭消しの魔法】が───。
何故急に閃いたかは分かりません。
ふと、です。
本当に、ふと思い付いたのですよ。
私は思い付いたばかりのレシピを羊皮紙にメモりました。
そして、ソドムタウンに帰ってから直ぐに実験に入ったのです。
実にあっさりと完成しました。
私は完成した魔法を使ってポーションを作ります。
何故か私は自信があったので、動物実験も人体実験もせずに、即自分でポーションを飲んで試しました。
ポーションを飲んで、効き目が出たと思われたころに、一人で町に出ました。
私が今まで人混みに入れば逃げるように道が開けるのに、今回はそんなことがありませんでした。
誰も私の体臭を気にしないのです。
逃げないのです。
嫌な顔一つしないのです。
きっと私の体臭が完全に消えているんだと思いました。
完璧に成功です。
私が待ち望んでいた魔法のポーションが完成したのです。
私は泣きながら歓喜しました。
その日の晩は、一人でパーティーに盛り上がりました。
きっとこれが、ボッチ最後のパーティーです。
でも、その夜、私は不思議な夢を見たのです。
本当に不思議な夢でした。
その夢の中で私は、森の中に立っていました。
そこは、沼地の森です。
この前、薬草取りに出向いた森です。
でも、何故か私の身体が動かないのです。
指一つ動かないのです。
どうやら動いていないのは、私だけではないようでした。
周りのすべてが、時間が止まったかのように静止しているのです。
しかも、景色がモノクロに染まっていました。
そのモノクロ世界にアスランさんが立ってました。
どうやら彼だけが動けるようでした。
そして彼は誰かと話しています。
眩く輝く光を見上げながら話しているのです。
私は耳を澄まして話を聞きました。
「俺が願う願いは、【────消す】魔法が欲しいのです」
『残念ながら、そのような魔法は存在しません』
「じゃあ、その魔法を作ってくれ。それが俺の願いだ」
『作るだけならば、願いを叶えて上げましょう』
「出来れば、その魔法を完成させるのは、あそこに居るスバルちゃんにしてもらいたいんだけど。そう言うのできるかな?」
『分かりました。ですが、それだと未来形の話になりますから、あなたが利益を得るとは限りませんよ?』
「べつに俺が得するための願いじゃあないからいいんだよ」
『分かりました。それでは願いを叶えましょう』
「ありがとうございます。女神さま」
『それでは、皆に幸あれ──』
そう述べると神々しい光は天に昇って消えて行きました。
そこで私は目が覚めたのです。
この夢が魔法の完成と関係しているかは分かりません。
魔法に歓喜した私の記憶が、過去の記憶と勝手に結びつけて見せただけの幻の夢かも知れません。
でも、あの薬草取りの帰り道に、ふと思い付いたのは事実です。
まさに奇跡の思い付きだったのですから。
あの夢の中の光が、本物の女神さまなら、奇跡の理由も理解できます。
だとすると、願ったのはアスランさんになります。
知り合ったばかりの私の悲願を叶えてくれたことになります。
何故でしょう?
理由が分かりません……。
分かりませんが、夢が現実ならば──。
私は───。
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