ダンジョン・ザ・チョイス
443.明けの明星は嘆く
最後のコーナーを回った瞬間、ハンドルを回して急加速!!
「――ゴール!! 記録は三分十八秒!! 大したもんだ!」
「く!!」
三分切れなかったか!
「凄いですよ、ジュリー様! さっきより三十秒も縮めるなんて!」
タマが褒めてくれるけれど……。
「チャンスは……あと一回」
だけれど、これ以上縮められる要素が見付からない。
強いていうなら、これまで以上に危険な運転をするしか。
ゲームなら失敗を恐れずに挑めたけれど……恐怖心が、踏み出そうとする想いを阻んでいる。
「ジュリー様、私が乗ってみても良いですか?」
「へ? うん、良いけれど」
頭を冷やした方が良いと考え、タマに順番を譲ることにした。
「本当に大丈夫、タマ?」
「うん、考えがあるの」
スゥーシャに対して発せられたタマの言葉に、違和感を覚える。
「それじゃあ」
バイクに乗るためか、装備を次々と変えていくタマ。
服も今のヒラヒラした物から、始まりの村で買った物に替えて……なぜか青のランス、“蒼天を駆け抜けろ”を持ってバイクに乗り込んだ!?
「ちょ……タマ?」
「用意はいいか?」
「はい、大丈夫です!」
「この音をよく覚えな」
ピッ、ピッ、ピーという再びのチュートリアル。
「三つ目の音が開始の合図だ。もう一度聞くか?」
「大丈夫です」
「なら行くぞ!」
音が鳴り始め――三度目の音が響くと同時に、左ハンドルを回して走り出す――
「”噴射”!!」
「へ!?」
バイクのハンドルを回さずに、左手で支えているランスで走り出した!?
「た、タマ? へ、なにしてるの?」
もはや違うゲームになっちゃってる!
しかも、順調に加速していっているし!
「でも、このままじゃ」
いったいどうやって曲がるつもりなの、タマ。
「――“チャランケカムイ”!!」
黒灰のオーラを纏ったかと思えば、左に曲がる際に身体を左に落とし――“滑空のブーツ”と強化された左脚で、無理矢理地面を滑らせながら車体を支えているぅぅ!?
しかも、“蒼天を駆け抜けろ”のスラスターを器用に操って曲がりの補助に使いながら、減速どころか加速し続けてる!
「凄いよ、タマ!」
「まさか、あんな方法で」
「色々な意味で只者じゃないんだね、あの白猫」
スゥーシャだけでなく、隠れNPCであるテイマーのサキとスライムのバルンバルンも驚いていた。
「ゴール!! 記録は二分五十二秒!! 俺は今……感動して居るぞ!!」
三分……切っちゃったよ。
「……私も、”明星の御使いの嘆き”を使用すれば……」
★
「ゴール!! 記録は二分四十八秒!! 俺は今……感動して居るぞ!!」
「……本当にクリアしてしまった。しかも余裕で」
翼を姿勢制御に使用し、撃ち出した金星球を柱代わりに“磁力”でコーナーを攻めて……。
「良いのだろうか、ミニゲームをこんなチ-トみたいな方法でクリアして……」
「スゥーシャはどうします?」
「わ、私はちょっと……遠慮しておこうかな」
そんなこんなで、工場内に戻る私達。
「好きなのを選びな。お前になら、なんだって売ってやるぜ!」
○最初の商品のみ、以下の表示されている値段の半分で購入可能です。
★ゴルドライトニングの指輪 20000000G
★シルバーストームの指輪 20000000G
★フレイムマグナムの指輪 18000000G
★ディフェンドガードの指輪 18000000G
★スカイジェットの指輪 18000000G
「やっぱりこれかな」
“ゴルドライトニングの指輪”を選択し、購入した。
「オプションも只で付けてやる。好きなのを選びな」
★ウィングサイドカー ★ガードアーム
★クラッシュアタック ★ウェポンエフェクター
”ウェポンエフェクター”を選びたいとこりだけれど、ここは人数の問題で“ウィンドサイドカー”を……やっぱり、“ウェポンエフェクター”にしよう!!
「……欲望には勝てなかったよ」
「タマはどれを選ぶの?」
「スカイって名前が付いてるし、スカイジェットにしようかな」
タマが選んだのがスカイジェットだったため、オプション蘭に”ウィンドサイドカー”は表示されない。
”ウィンドサイドカー”はスカイジェットの特性をプラスし、“ガードアーム”はディフェンドガードの、“クラッシュアタック”はフレイムマグナムの特性を追加できるオプションパーツ。
オリジナルなら、ここまでで一千万なんて大金を一人で用意するのは難しいため、このステージではもっと安い物を購入する。
十万でBランクの反発バイク、百万でAランクのレールバイク、一千万でSランクのストリームバイクが買えるし。
ちなみに、ランクと組み合わせにもよるけれど、オプションは二つまでバイクに装備させられる。
Bランクにはオプションは付けられず、Aなら一つ、Sなら二つ。
ここで売られている物には最初からオプションが一つ付いているような物だから、実質三つ分と言える。
「元々持っていたバイクも含めて、これで八人分は確保したか」
●●●
「取り敢えず、一台は購入しとくか」
“ドライバー”のサブ職業はジュリー達が購入してくれているはずだから、私は車を買うだけで良い。
「らっしゃい」
○以下から購入できます。
★八人乗りトラベルカー 5000000万
★六人乗りトラベルカー 4000000万
★四人乗りトラベルカー 3000000万
★二人乗りトラベルカー 2000000万
★牽引トレーラーa 2000000万
★牽引トレーラーb 2000000万
★牽引トレーラーc 2000000万
★牽引トレーラーd 2000000万
「車の方は、八人乗りで良いかな」
パーティー人数は今の所六人以下だけれど、なにが切っ掛けで七人以上にしなきゃいけないか分かんないし。
「メルシュ、この牽引トレーラーって色々タイプがあるけれど、どういう物なの?」
ナオに尋ねられた。
「向こうに四タイプ展示してあるから、好きに見てって良いよ」
私よりも先に、厳ついモヒカン店主にそう勧められてしまう。
「右からタイプa、b、c、dの順だから」
「これは、車で引っ張るタイプの家か」
ルイーサの確認。
「aは一番寝る場所が多いタイプで八人用。bは六人用分でシャワー付き、cは風呂付きの四人用で、dは空間が広々としている代わりに二人用になるよ。ちなみに、aを購入予定だから」
「「なんで!?」」
ルイーサとナオがハモった。
「車にはタイヤが付いているから、そんなに使い道が無いからだよ」
これを購入するのは、あくまでストリートブリッジを通って先に進むためだし。
「タイヤがって、ジュリー達が行ったバイクの方は?」
今度はアヤナ。
「あっちはタイヤが付いていないし、車と違って小回りも利くからお金を掛ける価値はあるんだよ」
バイクはレギオン戦でも使えるし。
ちなみに、ストリートブリッジ上では魔法の家の空間に移動できない。
そのため、私は明日か明後日の朝早くに出発して、夕方頃にはボス戦をするという計画を立てていた。
「ランクの高いバイクは、効果も付いているしね」
車を購入するのは、あくまでバイクに乗る気が無いメンバーのためだし。
そんなこんなで、取り敢えず牽引トレーラーの購入は、バイク組の人数次第となった。
「――ゴール!! 記録は三分十八秒!! 大したもんだ!」
「く!!」
三分切れなかったか!
「凄いですよ、ジュリー様! さっきより三十秒も縮めるなんて!」
タマが褒めてくれるけれど……。
「チャンスは……あと一回」
だけれど、これ以上縮められる要素が見付からない。
強いていうなら、これまで以上に危険な運転をするしか。
ゲームなら失敗を恐れずに挑めたけれど……恐怖心が、踏み出そうとする想いを阻んでいる。
「ジュリー様、私が乗ってみても良いですか?」
「へ? うん、良いけれど」
頭を冷やした方が良いと考え、タマに順番を譲ることにした。
「本当に大丈夫、タマ?」
「うん、考えがあるの」
スゥーシャに対して発せられたタマの言葉に、違和感を覚える。
「それじゃあ」
バイクに乗るためか、装備を次々と変えていくタマ。
服も今のヒラヒラした物から、始まりの村で買った物に替えて……なぜか青のランス、“蒼天を駆け抜けろ”を持ってバイクに乗り込んだ!?
「ちょ……タマ?」
「用意はいいか?」
「はい、大丈夫です!」
「この音をよく覚えな」
ピッ、ピッ、ピーという再びのチュートリアル。
「三つ目の音が開始の合図だ。もう一度聞くか?」
「大丈夫です」
「なら行くぞ!」
音が鳴り始め――三度目の音が響くと同時に、左ハンドルを回して走り出す――
「”噴射”!!」
「へ!?」
バイクのハンドルを回さずに、左手で支えているランスで走り出した!?
「た、タマ? へ、なにしてるの?」
もはや違うゲームになっちゃってる!
しかも、順調に加速していっているし!
「でも、このままじゃ」
いったいどうやって曲がるつもりなの、タマ。
「――“チャランケカムイ”!!」
黒灰のオーラを纏ったかと思えば、左に曲がる際に身体を左に落とし――“滑空のブーツ”と強化された左脚で、無理矢理地面を滑らせながら車体を支えているぅぅ!?
しかも、“蒼天を駆け抜けろ”のスラスターを器用に操って曲がりの補助に使いながら、減速どころか加速し続けてる!
「凄いよ、タマ!」
「まさか、あんな方法で」
「色々な意味で只者じゃないんだね、あの白猫」
スゥーシャだけでなく、隠れNPCであるテイマーのサキとスライムのバルンバルンも驚いていた。
「ゴール!! 記録は二分五十二秒!! 俺は今……感動して居るぞ!!」
三分……切っちゃったよ。
「……私も、”明星の御使いの嘆き”を使用すれば……」
★
「ゴール!! 記録は二分四十八秒!! 俺は今……感動して居るぞ!!」
「……本当にクリアしてしまった。しかも余裕で」
翼を姿勢制御に使用し、撃ち出した金星球を柱代わりに“磁力”でコーナーを攻めて……。
「良いのだろうか、ミニゲームをこんなチ-トみたいな方法でクリアして……」
「スゥーシャはどうします?」
「わ、私はちょっと……遠慮しておこうかな」
そんなこんなで、工場内に戻る私達。
「好きなのを選びな。お前になら、なんだって売ってやるぜ!」
○最初の商品のみ、以下の表示されている値段の半分で購入可能です。
★ゴルドライトニングの指輪 20000000G
★シルバーストームの指輪 20000000G
★フレイムマグナムの指輪 18000000G
★ディフェンドガードの指輪 18000000G
★スカイジェットの指輪 18000000G
「やっぱりこれかな」
“ゴルドライトニングの指輪”を選択し、購入した。
「オプションも只で付けてやる。好きなのを選びな」
★ウィングサイドカー ★ガードアーム
★クラッシュアタック ★ウェポンエフェクター
”ウェポンエフェクター”を選びたいとこりだけれど、ここは人数の問題で“ウィンドサイドカー”を……やっぱり、“ウェポンエフェクター”にしよう!!
「……欲望には勝てなかったよ」
「タマはどれを選ぶの?」
「スカイって名前が付いてるし、スカイジェットにしようかな」
タマが選んだのがスカイジェットだったため、オプション蘭に”ウィンドサイドカー”は表示されない。
”ウィンドサイドカー”はスカイジェットの特性をプラスし、“ガードアーム”はディフェンドガードの、“クラッシュアタック”はフレイムマグナムの特性を追加できるオプションパーツ。
オリジナルなら、ここまでで一千万なんて大金を一人で用意するのは難しいため、このステージではもっと安い物を購入する。
十万でBランクの反発バイク、百万でAランクのレールバイク、一千万でSランクのストリームバイクが買えるし。
ちなみに、ランクと組み合わせにもよるけれど、オプションは二つまでバイクに装備させられる。
Bランクにはオプションは付けられず、Aなら一つ、Sなら二つ。
ここで売られている物には最初からオプションが一つ付いているような物だから、実質三つ分と言える。
「元々持っていたバイクも含めて、これで八人分は確保したか」
●●●
「取り敢えず、一台は購入しとくか」
“ドライバー”のサブ職業はジュリー達が購入してくれているはずだから、私は車を買うだけで良い。
「らっしゃい」
○以下から購入できます。
★八人乗りトラベルカー 5000000万
★六人乗りトラベルカー 4000000万
★四人乗りトラベルカー 3000000万
★二人乗りトラベルカー 2000000万
★牽引トレーラーa 2000000万
★牽引トレーラーb 2000000万
★牽引トレーラーc 2000000万
★牽引トレーラーd 2000000万
「車の方は、八人乗りで良いかな」
パーティー人数は今の所六人以下だけれど、なにが切っ掛けで七人以上にしなきゃいけないか分かんないし。
「メルシュ、この牽引トレーラーって色々タイプがあるけれど、どういう物なの?」
ナオに尋ねられた。
「向こうに四タイプ展示してあるから、好きに見てって良いよ」
私よりも先に、厳ついモヒカン店主にそう勧められてしまう。
「右からタイプa、b、c、dの順だから」
「これは、車で引っ張るタイプの家か」
ルイーサの確認。
「aは一番寝る場所が多いタイプで八人用。bは六人用分でシャワー付き、cは風呂付きの四人用で、dは空間が広々としている代わりに二人用になるよ。ちなみに、aを購入予定だから」
「「なんで!?」」
ルイーサとナオがハモった。
「車にはタイヤが付いているから、そんなに使い道が無いからだよ」
これを購入するのは、あくまでストリートブリッジを通って先に進むためだし。
「タイヤがって、ジュリー達が行ったバイクの方は?」
今度はアヤナ。
「あっちはタイヤが付いていないし、車と違って小回りも利くからお金を掛ける価値はあるんだよ」
バイクはレギオン戦でも使えるし。
ちなみに、ストリートブリッジ上では魔法の家の空間に移動できない。
そのため、私は明日か明後日の朝早くに出発して、夕方頃にはボス戦をするという計画を立てていた。
「ランクの高いバイクは、効果も付いているしね」
車を購入するのは、あくまでバイクに乗る気が無いメンバーのためだし。
そんなこんなで、取り敢えず牽引トレーラーの購入は、バイク組の人数次第となった。
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