ダンジョン・ザ・チョイス
432.ヴァンパイアVSヴァンピール
「“血液噴射”」
“ブラッドジュースの指輪”から噴射した血液を経口接種し、“吸血強化”を発動した状態で父親に挑むエルザ。
「無駄だ、娘よ。子が親に、ましてや只人とのハーフに過ぎぬ貴様に、純血種たるこの私を超えることは出来ん!」
蝙蝠のような意匠の柄と赤黒い刀身の片手剣で、エルザの“ブラッドアブゾーバー”の猛攻を防ぎ続けている吸血皇。
「産ませるだけ産ませて母さんを殺しておいて、勝手な事をほざくな!!」
エルザが距離を取る。
「“鞭化”、“狂血鞭術”――ブラッドラッシュヒット!!」
連続した強烈な鞭の応酬に、ただ耐えるしかない吸血皇。
「調子に乗るな!! ”咒血竜技”――カースブラッド・ドラゴンブレス!!」
「“狂血投槍術”――ブラッドジャベリン!!」
魔神・呪い竜のブレスよりも禍々しい息吹にエルザの“ブラッドアブゾーバー”が衝突し――炸裂した衝撃波が私達を襲う!
「く……そ」
右肩を痛めた様子のエルザ!
明らかにパワー負けしている。
「ネレイスさん、私の援護を!」
皆は、強力なモンスターで手一杯。私達、後衛組しかエルザの助っ人にはいけない!
「良いわ! そのまま走りなさい、チトセ!」
装備を外した状態で、ナターシャさんとマンティコアがぶつかる横を駆け抜ける!
『グルルル!!』
「行かせないわよ――“水流弾”!!」
私に狙いを変えようとしたキマイラを、ネレイスさんが牽制してくれた!
「リバーモード」
“聖水”をセットした“マルチギミック薬液銃”から、一気に聖水を放出する!!
「“聖水”とは小癪な!」
ダメージはあるみたいだけれど、大して効いて無さそう。
「“咒血魔法”――カースブラッドアイ」
三つの血の巨眼が生まれ、爬虫類のような黄金色の瞳から――赤黒い血が放出された!
「“瞬足”!」
ジュッ! という溶解性を思わせる音が血の付着した床から聞こえてきたと思ったら、三つの瞳から連続で血の水が放たれ続ける!
「邪魔だ!」
エルザの光線銃から大出力の光が放たれ、眼球の一つを消し飛ばしてくれた。
「“薬液充填”――シャワーモード!!」
”聖水”を広範囲にばら撒いて、残っていた眼球を二つとも消し去る!
「援護なんて要らないのに」
「ハイハイ」
隠れNPCなのに、すっごく面倒くさい友達を相手にしている気分。
「たかだか二人に増えたくらいで、この私を倒せるとでも?」
「……ハァー、仕方ないか。武器交換――“ブレイクショットガン”」
薬液銃から、六門の散弾銃を手にする。
「エルザ、隙を作って!」
「その男を殺すのは私の役目だ!! “刀剣化”!」
“ブラッドアブゾーバー”を太刀のように変えて、斬り込むエルザ。
まったく、面倒な!
「私の“ヴラド・キャリバー”にそんな武器で勝つつもりか、我が娘よ?」
「黙っていろ、クソ親父!!」
凄まじい剣の応酬も、明らかに吸血皇の方に余裕がある。
「まだ力の差が分からんようだな。“狂血魔法”――ブラッドイルミネーション!!」
「“狂血魔法”――ブラッドイルミネーション!!」
血の糸が解けては絡み付くかのような攻撃を互いに展開して纏い、正面からぶつかって――エルザが大きく弾かれた!
「だーから言ったであろう、貴様では勝て――」
「“装甲炸裂弾”」
“ブレイクショットガン”を、頭にゼロ距離で構える。
「さようなら」
「貴様ッ!!」
六門から一斉に散弾をぶっ放し、頭だけでなく胸まで血肉をぶちまけさせてやった。
「なんとか勝て――身体が!?」
勝手に動いて、吸血皇の身体から離されるようにエルザの元に移動させられてしまう!!
「無ぅ駄だ~」
血肉が急速に集まって、吸血皇の身体が一瞬で再生してしまった!?
「私の心臓を特殊な武器で貫かぬ限り、私は決して滅ぶことがない。数多の魂と大魔術により、呪いの化身としてこの世に誕生した――この私はなぁ~!!」
身体が……まだ動かない。
「だったら、お望みの物をくれてやる! 武器交換――“銀の杭”!!」
「貴様、それは!!」
“ブラッドアブゾーバー”から角のような純銀の武器に持ち替えて駆けたエルザが――吸血皇の胸を貫いた!!
●●●
黒鬼とグレートオーガから後退し、チョイスプレートを操作してサブ武器の欄を一つ開ける。
攻撃よりも防御に重きを置いているおかげで、後退する隙を見出せた。
「そろそろ終わらせてやる」
『グルオオオ!!』
『ガオオオオ!!』
二体が突っ込んで来る。
「――“大地讃頌”!!」
左足で踏んだ場所から金色の衝撃波を扇状に広げ、二体を地面から攻撃して動きを牽制!
「“飛王剣”!!」
強力な斬撃をぶつけ、武器でガードさせる事で完全に動きを止める!
「“瞬足”――スティール!!」
“盗術”を使用し――一発でグレートオーガの大剣の所有権を奪い取った!!
まさか、今回は一発で上手くいくとはな!
「ハイパワーブレイク!!」
柄を握り、奴の剣から武術スキルを炸裂させて吹き飛ばす。
この剣が無ければ、グレートオーガの防御力なんてたかが知れている。
『ガオオオオ!!』
「ハイパワーブレイク」
わざと盾の上から黒鬼を攻撃し、膝を付かせた。
「――ハイパワープリック!!」
奪った鈍いブラウン色の剣で顔面から背骨に向けて突き刺し、黒鬼を仕留めきる。
『グルオオオオ!!』
「”空衝”!!」
前へと跳びあがりながら、掲げたニ本の大剣で――突っ込んできたグレートオーガの胸を貫く!
「――クロススラッシュ」
交差するように突き刺した剣をグレートオーガの内部で切り離し、初めて死闘を繰り広げた因縁の相手を撃破した。
○“グレートグランドキャリバー”を奪いました。
●●●
「“光線収束”――“硝子魔法”、グラスレイ!!」
“鏡の中の鑑み”改め、“秘鏡に映りし鑑み”の先端部分から強力な光を発射し、ディラハンに直撃させる!
「さっきから鬱陶しい!」
背後から斧を振り下ろしてきたリザードマンの攻撃を振り返りながら回避し、“神代の霊剣”発動状態の“キヤイウメアイ”で切り裂く!!
「――ああッ!!?」
盾によって殴打された!!
「まさか……効いていない?」
私の攻撃によるダメージが、一切入っていない!
「パラディンリザードマンは、スキルなどの攻撃を一度だけ無効化します!」
ナターシャが種明かしをしてくれた。
「そういうことは、早めに言いなさいって!」
左二の腕の感覚がほとんど無くて……腕が上がらない。
仕留め切れていなかったデュラハンも、私の周りを旋回しながら加速していく。
「……来いよ」
ユウダイの一番になろうって言うのに、この程度で――トゥスカになんて負けていられるもんか!!
《私は、こんな所で負けない!!》
――気付いたときには、輝彩色の光放つ十二文字を刻んだ“キヤイウメアイ”で、パラディンリザードマンとディラハンを……両断していた。
いつもと違う神代文字の輝きどころか、全身から力が抜けて……途轍もない虚脱感が……。
「……今のって」
トゥスカが、あの時使ったのと……同じ…………。
“ブラッドジュースの指輪”から噴射した血液を経口接種し、“吸血強化”を発動した状態で父親に挑むエルザ。
「無駄だ、娘よ。子が親に、ましてや只人とのハーフに過ぎぬ貴様に、純血種たるこの私を超えることは出来ん!」
蝙蝠のような意匠の柄と赤黒い刀身の片手剣で、エルザの“ブラッドアブゾーバー”の猛攻を防ぎ続けている吸血皇。
「産ませるだけ産ませて母さんを殺しておいて、勝手な事をほざくな!!」
エルザが距離を取る。
「“鞭化”、“狂血鞭術”――ブラッドラッシュヒット!!」
連続した強烈な鞭の応酬に、ただ耐えるしかない吸血皇。
「調子に乗るな!! ”咒血竜技”――カースブラッド・ドラゴンブレス!!」
「“狂血投槍術”――ブラッドジャベリン!!」
魔神・呪い竜のブレスよりも禍々しい息吹にエルザの“ブラッドアブゾーバー”が衝突し――炸裂した衝撃波が私達を襲う!
「く……そ」
右肩を痛めた様子のエルザ!
明らかにパワー負けしている。
「ネレイスさん、私の援護を!」
皆は、強力なモンスターで手一杯。私達、後衛組しかエルザの助っ人にはいけない!
「良いわ! そのまま走りなさい、チトセ!」
装備を外した状態で、ナターシャさんとマンティコアがぶつかる横を駆け抜ける!
『グルルル!!』
「行かせないわよ――“水流弾”!!」
私に狙いを変えようとしたキマイラを、ネレイスさんが牽制してくれた!
「リバーモード」
“聖水”をセットした“マルチギミック薬液銃”から、一気に聖水を放出する!!
「“聖水”とは小癪な!」
ダメージはあるみたいだけれど、大して効いて無さそう。
「“咒血魔法”――カースブラッドアイ」
三つの血の巨眼が生まれ、爬虫類のような黄金色の瞳から――赤黒い血が放出された!
「“瞬足”!」
ジュッ! という溶解性を思わせる音が血の付着した床から聞こえてきたと思ったら、三つの瞳から連続で血の水が放たれ続ける!
「邪魔だ!」
エルザの光線銃から大出力の光が放たれ、眼球の一つを消し飛ばしてくれた。
「“薬液充填”――シャワーモード!!」
”聖水”を広範囲にばら撒いて、残っていた眼球を二つとも消し去る!
「援護なんて要らないのに」
「ハイハイ」
隠れNPCなのに、すっごく面倒くさい友達を相手にしている気分。
「たかだか二人に増えたくらいで、この私を倒せるとでも?」
「……ハァー、仕方ないか。武器交換――“ブレイクショットガン”」
薬液銃から、六門の散弾銃を手にする。
「エルザ、隙を作って!」
「その男を殺すのは私の役目だ!! “刀剣化”!」
“ブラッドアブゾーバー”を太刀のように変えて、斬り込むエルザ。
まったく、面倒な!
「私の“ヴラド・キャリバー”にそんな武器で勝つつもりか、我が娘よ?」
「黙っていろ、クソ親父!!」
凄まじい剣の応酬も、明らかに吸血皇の方に余裕がある。
「まだ力の差が分からんようだな。“狂血魔法”――ブラッドイルミネーション!!」
「“狂血魔法”――ブラッドイルミネーション!!」
血の糸が解けては絡み付くかのような攻撃を互いに展開して纏い、正面からぶつかって――エルザが大きく弾かれた!
「だーから言ったであろう、貴様では勝て――」
「“装甲炸裂弾”」
“ブレイクショットガン”を、頭にゼロ距離で構える。
「さようなら」
「貴様ッ!!」
六門から一斉に散弾をぶっ放し、頭だけでなく胸まで血肉をぶちまけさせてやった。
「なんとか勝て――身体が!?」
勝手に動いて、吸血皇の身体から離されるようにエルザの元に移動させられてしまう!!
「無ぅ駄だ~」
血肉が急速に集まって、吸血皇の身体が一瞬で再生してしまった!?
「私の心臓を特殊な武器で貫かぬ限り、私は決して滅ぶことがない。数多の魂と大魔術により、呪いの化身としてこの世に誕生した――この私はなぁ~!!」
身体が……まだ動かない。
「だったら、お望みの物をくれてやる! 武器交換――“銀の杭”!!」
「貴様、それは!!」
“ブラッドアブゾーバー”から角のような純銀の武器に持ち替えて駆けたエルザが――吸血皇の胸を貫いた!!
●●●
黒鬼とグレートオーガから後退し、チョイスプレートを操作してサブ武器の欄を一つ開ける。
攻撃よりも防御に重きを置いているおかげで、後退する隙を見出せた。
「そろそろ終わらせてやる」
『グルオオオ!!』
『ガオオオオ!!』
二体が突っ込んで来る。
「――“大地讃頌”!!」
左足で踏んだ場所から金色の衝撃波を扇状に広げ、二体を地面から攻撃して動きを牽制!
「“飛王剣”!!」
強力な斬撃をぶつけ、武器でガードさせる事で完全に動きを止める!
「“瞬足”――スティール!!」
“盗術”を使用し――一発でグレートオーガの大剣の所有権を奪い取った!!
まさか、今回は一発で上手くいくとはな!
「ハイパワーブレイク!!」
柄を握り、奴の剣から武術スキルを炸裂させて吹き飛ばす。
この剣が無ければ、グレートオーガの防御力なんてたかが知れている。
『ガオオオオ!!』
「ハイパワーブレイク」
わざと盾の上から黒鬼を攻撃し、膝を付かせた。
「――ハイパワープリック!!」
奪った鈍いブラウン色の剣で顔面から背骨に向けて突き刺し、黒鬼を仕留めきる。
『グルオオオオ!!』
「”空衝”!!」
前へと跳びあがりながら、掲げたニ本の大剣で――突っ込んできたグレートオーガの胸を貫く!
「――クロススラッシュ」
交差するように突き刺した剣をグレートオーガの内部で切り離し、初めて死闘を繰り広げた因縁の相手を撃破した。
○“グレートグランドキャリバー”を奪いました。
●●●
「“光線収束”――“硝子魔法”、グラスレイ!!」
“鏡の中の鑑み”改め、“秘鏡に映りし鑑み”の先端部分から強力な光を発射し、ディラハンに直撃させる!
「さっきから鬱陶しい!」
背後から斧を振り下ろしてきたリザードマンの攻撃を振り返りながら回避し、“神代の霊剣”発動状態の“キヤイウメアイ”で切り裂く!!
「――ああッ!!?」
盾によって殴打された!!
「まさか……効いていない?」
私の攻撃によるダメージが、一切入っていない!
「パラディンリザードマンは、スキルなどの攻撃を一度だけ無効化します!」
ナターシャが種明かしをしてくれた。
「そういうことは、早めに言いなさいって!」
左二の腕の感覚がほとんど無くて……腕が上がらない。
仕留め切れていなかったデュラハンも、私の周りを旋回しながら加速していく。
「……来いよ」
ユウダイの一番になろうって言うのに、この程度で――トゥスカになんて負けていられるもんか!!
《私は、こんな所で負けない!!》
――気付いたときには、輝彩色の光放つ十二文字を刻んだ“キヤイウメアイ”で、パラディンリザードマンとディラハンを……両断していた。
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