ダンジョン・ザ・チョイス
252.ホールを駆け抜けて
「走れ!」
モンスターに完全に囲まれる前に、エレベーターに乗り込めば良い!
「大地の盾! ナオ、足止めを!」
”大地の盾の指輪”により生み出した六角形の大盾で、エレベーター前に生えだしたモンスターを打ち払いながら、ナオに指示を出す!
「“二重魔法”、“氷炎魔法”――アイスフレイムバーン!!」
青い炎が地を這うように広がっていき、深海モンスター達を氷付けにしてくれる!
「さすがです!」
「クマムちゃんに褒められた!? ハフーン~♡」
クマムが絡むと途端にキモ可愛くなるな、俺の妻。
「“飛王剣”!」
斬撃を飛ばし、エレベーター前の深海モンスターを切り裂く!
「よりによって一番下か!」
ボタンは押したけれど、エレベーターがこの階に来るまで持ち堪えなければならない!
「“天使法術”、エンジェルランサー!」
「“魚群”!」
クマムの光の槍群、ナオの水の魚の群れが殺到し、氷から抜け出した深海モンスター達を屠ってくれる。
『ハハハハハハ!!』
『フフフフフ』
人魚? みたいな半裸の白眼美女達が、上から泳ぐように接近して来た!
「“魔炎”!」
紫の炎のような蛇を飛ばし、人魚達を焼き殺させる!
「……なんか勿体ないわね」
「コセさんは容赦ないですね。男性なら鼻の下を伸ばしそうなくらいエッチな見た目なのに」
なにを言っているんだ、この二人は。
「命を狙われているのに、鼻の下なんて伸ばしている余裕無いから」
そうでなくとも、俺は一般的に美人と言われている人達を美人と思わない事が多いのに。
……生足が綺麗だと、異形とか関係なく惹かれる所はあるけれど。
「エレベーターが来たぞ」
チン! という音と共にドアが開い――モンスターの鋭い腕が中から襲い掛かってきた!
「シールドバッシュ!!」
大地の盾で腕ごと弾き飛ばし、人型長身の深海モンスターを広いエレベーター奥に叩き付ける!
「乗り込め!」
すぐにモンスターの首を跳ね、腰の“偉大なる英雄の光剣”を掴む。
モンスターは光に変わっていったが、狭い場所では大剣を振れないため、光剣をいつでも抜けるようにしておく。
「“刺突術”、ハイパワーフリック!」
「“紅蓮拳”――クリムゾンナックル!!」
すぐにエレベーターのボタンを押してくれたクマムが、中に侵入しようとしてきたモンスターの頭を貫き、ナオが巨体の胴を殴って押し返し……なんとか事なきを得た。
「ナイスだナオ、クマム」
「コセこそ、ナイス!」
ナオと二人で、グッドを送り合う。
「ぐ、グッド」
「ハハハ」
「クマムちゃんヤェイ!」
クマムも、恥ずかしげにだけれど返してくれた。
「二人とも、TPとMPは足りてるか?」
「私は、MPが半分以下になっちゃった。ソーマを飲んでるから、すぐに半分以上まで回復するはずだけれど」
「私は、どっちも七割以上残ってますね」
俺はTPが六割、MPが九割くらいか。
職業が戦士とはいえ、TPばかり消費してしまうな。
こういう持久戦時には、バランス良く使い分けられるようにしたい所だけれど。
「残量には注意を払うようにな」
昼間にクリスと話した、弾数の把握が大事っていうの思い出したからか、つい指摘してしまう。
クマムに対してなら、わざわざ言う必要なんてなかったかもしれないのに。
「ちょっと魔法は節約した方が良いかな」
「他にも安全エリアがあれば、大分楽になるんですけれどね」
十時間という時間を設けている以上、観測者が時間切れをメインに狙っているとは思えない。
この後も一波乱、二波乱くらいありそうだ。
「俺が前に出る」
エレベーターが開いた直後を警戒し、扉の前に陣取っておく。
「いやー、男の子だね」
「フフ、頼りになりますね」
なんか……からかわれてる?
ドアが開くも……モンスターはおらず、だだっ広いカジノに出た。
部屋の脇には、バーが常設されているらしい。
画面越しに観るだけならともかく、実際にこういう空間に居るのは嫌だな。
「……行こうか」
「あ、宝箱ですよ!」
ルーレット台の脇に、ビショビショに濡れた例の宝箱を発見。
「周りを警戒しておいてくれ。罠解除」
宝箱が突然、派手に炎上!!? ……三秒ほどで鎮火した。
「「「……ビックリした」」」
宝箱の中を早速覗くと……入っていたのは黒いベルト?
○“携行のベルト”を入手しました。
「なんですかね、コレ?」
「まあ、効果は後でメルシュに聞けば良いだろう。それよりも――」
――天井に張り付いていた蜘蛛のような深海モンスターが、クマムに向かって跳躍した!!
●●●
「クマム!!」
「きゃ!?」
コセさんに押し倒され、難を逃れました!
顔……近い♡
「コセ、かなりの数が居る!」
「気を抜きすぎたか!」
すぐに私から離れ、応戦し出すコセさん……なんか、面白くない。
「――しま」
余計な事を考えている隙に、別の蜘蛛みたいな深海モンスターにすぐそこまで接近され――へ?
『ギャァァァッッッ!!?』
いきなり苦しみだして……離れていった?
「もしかして……コレのおかげ?」
腰に吊しておいた“魔除けのペンライト”を手にし、モンスターに向かって翳してみる!
『『ギャァァァッッッ!!!』』
「……やっぱり」
さっき苦しみだしたとき、傍にペンライトがあったから試してみたけれど……当たりだったみたい。
このペンライト、アンデッドモンスターに効き目があるって話でしたが、どうやら、深海モンスターというのはアンデッドに分類されるようですね。
深海モンスター全てがと決まったわけではないので、油断は禁物ですが。
「コセさん、ナオさん、殿は私が務めます! 先に進んでください!」
「分かった!」
「クマムちゃん、ナイス!」
これなら、TP・MPの消耗をある程度抑えて行動できる!
二人の後を追ってカジノを抜け、船の通路を通って外に出ます!
「――がぁッッ!!?」
外に出るなりコセさんが盾の上から殴り飛ばされ、海に――落ちずに手すりに掴まって難を逃れていた!
やったのは、合流後に現れるようになった、ゴリラのように腕の太い前屈みな大型モンスター!
「クマムちゃん、コセをお願い! ”青光吻”!」
ナオさんが、左腕に青い杭状の光を纏わせ、巨大モンスターに相対する!
モンスターに完全に囲まれる前に、エレベーターに乗り込めば良い!
「大地の盾! ナオ、足止めを!」
”大地の盾の指輪”により生み出した六角形の大盾で、エレベーター前に生えだしたモンスターを打ち払いながら、ナオに指示を出す!
「“二重魔法”、“氷炎魔法”――アイスフレイムバーン!!」
青い炎が地を這うように広がっていき、深海モンスター達を氷付けにしてくれる!
「さすがです!」
「クマムちゃんに褒められた!? ハフーン~♡」
クマムが絡むと途端にキモ可愛くなるな、俺の妻。
「“飛王剣”!」
斬撃を飛ばし、エレベーター前の深海モンスターを切り裂く!
「よりによって一番下か!」
ボタンは押したけれど、エレベーターがこの階に来るまで持ち堪えなければならない!
「“天使法術”、エンジェルランサー!」
「“魚群”!」
クマムの光の槍群、ナオの水の魚の群れが殺到し、氷から抜け出した深海モンスター達を屠ってくれる。
『ハハハハハハ!!』
『フフフフフ』
人魚? みたいな半裸の白眼美女達が、上から泳ぐように接近して来た!
「“魔炎”!」
紫の炎のような蛇を飛ばし、人魚達を焼き殺させる!
「……なんか勿体ないわね」
「コセさんは容赦ないですね。男性なら鼻の下を伸ばしそうなくらいエッチな見た目なのに」
なにを言っているんだ、この二人は。
「命を狙われているのに、鼻の下なんて伸ばしている余裕無いから」
そうでなくとも、俺は一般的に美人と言われている人達を美人と思わない事が多いのに。
……生足が綺麗だと、異形とか関係なく惹かれる所はあるけれど。
「エレベーターが来たぞ」
チン! という音と共にドアが開い――モンスターの鋭い腕が中から襲い掛かってきた!
「シールドバッシュ!!」
大地の盾で腕ごと弾き飛ばし、人型長身の深海モンスターを広いエレベーター奥に叩き付ける!
「乗り込め!」
すぐにモンスターの首を跳ね、腰の“偉大なる英雄の光剣”を掴む。
モンスターは光に変わっていったが、狭い場所では大剣を振れないため、光剣をいつでも抜けるようにしておく。
「“刺突術”、ハイパワーフリック!」
「“紅蓮拳”――クリムゾンナックル!!」
すぐにエレベーターのボタンを押してくれたクマムが、中に侵入しようとしてきたモンスターの頭を貫き、ナオが巨体の胴を殴って押し返し……なんとか事なきを得た。
「ナイスだナオ、クマム」
「コセこそ、ナイス!」
ナオと二人で、グッドを送り合う。
「ぐ、グッド」
「ハハハ」
「クマムちゃんヤェイ!」
クマムも、恥ずかしげにだけれど返してくれた。
「二人とも、TPとMPは足りてるか?」
「私は、MPが半分以下になっちゃった。ソーマを飲んでるから、すぐに半分以上まで回復するはずだけれど」
「私は、どっちも七割以上残ってますね」
俺はTPが六割、MPが九割くらいか。
職業が戦士とはいえ、TPばかり消費してしまうな。
こういう持久戦時には、バランス良く使い分けられるようにしたい所だけれど。
「残量には注意を払うようにな」
昼間にクリスと話した、弾数の把握が大事っていうの思い出したからか、つい指摘してしまう。
クマムに対してなら、わざわざ言う必要なんてなかったかもしれないのに。
「ちょっと魔法は節約した方が良いかな」
「他にも安全エリアがあれば、大分楽になるんですけれどね」
十時間という時間を設けている以上、観測者が時間切れをメインに狙っているとは思えない。
この後も一波乱、二波乱くらいありそうだ。
「俺が前に出る」
エレベーターが開いた直後を警戒し、扉の前に陣取っておく。
「いやー、男の子だね」
「フフ、頼りになりますね」
なんか……からかわれてる?
ドアが開くも……モンスターはおらず、だだっ広いカジノに出た。
部屋の脇には、バーが常設されているらしい。
画面越しに観るだけならともかく、実際にこういう空間に居るのは嫌だな。
「……行こうか」
「あ、宝箱ですよ!」
ルーレット台の脇に、ビショビショに濡れた例の宝箱を発見。
「周りを警戒しておいてくれ。罠解除」
宝箱が突然、派手に炎上!!? ……三秒ほどで鎮火した。
「「「……ビックリした」」」
宝箱の中を早速覗くと……入っていたのは黒いベルト?
○“携行のベルト”を入手しました。
「なんですかね、コレ?」
「まあ、効果は後でメルシュに聞けば良いだろう。それよりも――」
――天井に張り付いていた蜘蛛のような深海モンスターが、クマムに向かって跳躍した!!
●●●
「クマム!!」
「きゃ!?」
コセさんに押し倒され、難を逃れました!
顔……近い♡
「コセ、かなりの数が居る!」
「気を抜きすぎたか!」
すぐに私から離れ、応戦し出すコセさん……なんか、面白くない。
「――しま」
余計な事を考えている隙に、別の蜘蛛みたいな深海モンスターにすぐそこまで接近され――へ?
『ギャァァァッッッ!!?』
いきなり苦しみだして……離れていった?
「もしかして……コレのおかげ?」
腰に吊しておいた“魔除けのペンライト”を手にし、モンスターに向かって翳してみる!
『『ギャァァァッッッ!!!』』
「……やっぱり」
さっき苦しみだしたとき、傍にペンライトがあったから試してみたけれど……当たりだったみたい。
このペンライト、アンデッドモンスターに効き目があるって話でしたが、どうやら、深海モンスターというのはアンデッドに分類されるようですね。
深海モンスター全てがと決まったわけではないので、油断は禁物ですが。
「コセさん、ナオさん、殿は私が務めます! 先に進んでください!」
「分かった!」
「クマムちゃん、ナイス!」
これなら、TP・MPの消耗をある程度抑えて行動できる!
二人の後を追ってカジノを抜け、船の通路を通って外に出ます!
「――がぁッッ!!?」
外に出るなりコセさんが盾の上から殴り飛ばされ、海に――落ちずに手すりに掴まって難を逃れていた!
やったのは、合流後に現れるようになった、ゴリラのように腕の太い前屈みな大型モンスター!
「クマムちゃん、コセをお願い! ”青光吻”!」
ナオさんが、左腕に青い杭状の光を纏わせ、巨大モンスターに相対する!
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