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ダンジョン・ザ・チョイス

魔神スピリット

244.星空の下の夜話

「ハァー……勘弁してくださいよ、ナオさん」

 モモカちゃんが眠っているのを見守っているとナオさんがやって来たため、誤魔化しながら押し付け、逃げるように部屋を出て来た私。

「……コセさんに……見られたよね」

 あんな、いきなり背後から……胸を揉みくちゃにされてる姿……恥ずかしい!

「ん♡ ん♡ ん♡ ん♡♡」

「……へ?」

 なんか……色っぽい声が聞こえた?

「コセ……もっと乱暴にして♡♡ あッ♡♡♡!!」

 この色っぽい声……誰のだろう? でも……相手は間違いなくコセ様なはず……。

 こ、こんな場所で、真っ昼間から……。

「あ♡ あ♡ あ♡ 来る♡♡ 来ちゃうッ♡♡♡!!」

 ――私は暫く、閉じられた喫煙室の前から動く事が出来なかった。


●●●


「あら、これはなかなか美味しいわね。どうやって作ってるのかしら?」
「これはファルファティティという、獣人の伝統料理の一つですね。カンガルーの尻尾を調味料に着けて蒸し焼きにし、メレンゲにした卵白と生クリームに肉の漬け汁を混ぜて作ったソースが掛けられているのです!」
「私の大好物なんです、サトミ様!」

 サトミの質問に、意気揚々と答えるトゥスカと、好物アピールに必死なリンピョン。

 どうやら、俺がメグミと……深く交流している間に仲よくなったようだ。

「カンガルーの尻尾……こ、こういう味なのね」

 あのサトミさんが引いてる!?

「それにしても、凄い品数だな」

 二十四時間のビュッフェ式レストランで、夕食を食べることにした俺達。

 俺も、知っている料理、知らない料理を皿に盛り付けていく。

「ナオ、クマムは?」
「うーん、なんか今は食欲が無いらしくて……体調を整えるために早めに休むって言ってたのよね……昼、胸を揉んだのはやり過ぎだったかしら?」

 モモカの尋ねに、応えるナオ。

 女同士でも、仲の良い者同士じゃないとそういうのはダメだろう……後で謝っておくか、ナオの夫として。

「メグミ、おはようございまぁす。疲れて眠っていたそぉですね」
「あぁ……おはよう、クリス」

 眠そうな顔とラフな格好で現れるメグミ……あ、目を逸らされた。

「もしかしてぇ、コセさんのマグナムを食らって療養中でしたかぁ?」
「クリス……あまりセンシティブな事を軽々しく口にするんじゃない」
「…………ぁあ、なるほどでぇす。オールグッド!」

 なんか今、クリスに意味ありげな視線を向けられたような……バレたのか? いや、別にバレても良いんだけれどさ。

「そう言えば、メルシュはどうしたんだ?」

「昼に食べ過ぎたみたいで、部屋で休んでるよ」

 なんというか、メルシュにしては珍しいな。

「コセ、これ美味しいよ!」

 モモカが持ってきてくれたのは……凄く強烈な匂いのチーズが乗った……ピザ。

 これは……食べ慣れてないとキツい奴だ。

「あ、ありがとう」

 本当に、モモカは逞しいな。


●●●


「メグミ、ようやくマスターの物になったわね」

 船の一室、自分の部屋の上を見ながら呟く。

 状況は……正直に言えば順調なくらい。

 とはいえ、気を抜けばどこから寝首を搔かれるか分からない。

 簡易アセンションを目撃したレプティリアンやその他のネガティブ系人類共も、さすがに危機感を募らせているはず。

 こちらの予想外の手を使ってきたとしても、全然おかしくない。

 無理矢理にでも、このゲームのメインシステムに介入するという手段もあるし。

 とはいえ、メインシステムがなんなのか知っている者達からすれば、強制介入はできる限り避けたいでしょう。

 問題は、アテルと行動を共にしているデボラによって、私の役目が観測者共にバレてしまっていること。

 終盤になればなるほど、奴等はトライアングルシステムに介入してでも私を止めようとするはず。

 さすがはデルタの女……余計な真似をしてくれる物だ。

 私達の贖罪の旅は、無事に終われるのかしら。

 とはいえ、この程度の苦難を超えられなければ、との戦いに勝利する事なんて出来ないのよね。


●●●


「……寂しい」
「そうですね」
「そうだな」

 夜のプールの端で、水着姿で寝そべっているユリカとタマと私。

 サキとヨシノは、ビリヤードで勝負すると言って船内に居る。

「なんて言うか……コセとほとんど話さない日も少なくないけれど、近くに居ないと思うと……な」

 星空を見ていたら、ふとそんな言葉を溢してしまう。

 いつの間にか、コセが傍に居るのが当たり前になっていたんだな。

「ジュリーも、コセに大分依存してるのね」
「唯一の男性って言うのもあるんでしょうけれど、不思議と……辛いときほどコセさんの存在感が心の中で強くなるというか」

 タマの言葉には、思い当たる節があった。

 シレイアの特訓で真っ暗な道を歩いて以来、コセの言葉や振る舞いに力を感じるようになってきたのだ。

 強大なデルタに立ち向かう事を意識すればするほど、私の中で皆の存在が……特にコセの存在が強くなる。

 アイツは、いや、みんなが居てくれるだけで、私の支えになってくれているのだと実感できるのだ。

「離れてみたからこそ見えてくる物……って奴なんだろうな」
「そうね。この水着をアイツに見せられなかったのは、かなり残念だけれど」

 大胆な紅い紐ビキニを付けたユリカが、そんな事を宣う。

 メガネとおさげで地味な印象を受けるのに、胸の存在感が一際凄い美少女。

 そのギャップが本当にエロい!

 タマはタマで、その小柄な童顔を最大限に生かした白のワンピースタイプのフリル付き水着。

「ジュリーも、意識してその水着を選んだんじゃないの?」
「それは……」

 今までの私からすると、この黄色の三角ビキニはかなり攻めた方だけれど。

 まあ……コセを意識しなかったのかと聞かれれば、否定は出来ない。

「お二人とも、本当にコセ様がお好きなんですね。私も、早くコセ様にベッドで可愛がって貰いたくなってきました」

「「……」」

「へと……なんですか?」

「「いや、エロ猫だなって」」

「ニャ!!?」

 まあ、私も同じ事を思ったけれどね。

 ……次にみんなに会えるのは、何日後かな。


●●●


「綺麗ね」
「……マジ神秘」

 船のプールで悠々と泳ぎ回るスゥーシャを見て、息を呑んでいるアヤナとアオイ。

 時折水上に跳ね出たりと、月光に照らされているのもあって、スゥーシャの泳ぎ回る姿はとても幻想的だ。

「フー。久し振りに、水の中で思いっ切り泳ぎました! とっても気持ち良かったです!」

 人魚らしい事を口にするスゥーシャの格好は、普段と同じ白い服……あれ水着だったんだ。

 私は白と黄色の競泳水着、フェルナンダは黒ビキニで、アヤナは赤の三角ビキニ、アオイは青緑の可愛らしいヘソ出し水着を選んだ。

 この双子、一卵性双生児という話だったが……本当に対照的だよな。

「スゥーシャって、コセと寝たのよね?」
「へ!?」

 ……アヤナが、いきなりとんでもない事を聞き出した!

「この際だから、色々教えなさいよ。初めてってどんな感じ?」

 コイツ……遠慮って物を知らんのか!

「ルイーサだって、興味あるでしょう? ていうか、一番興味があるはずよね?」

「な、なにを言っているのか分からないな。ていうか、そんな事を軽々しく聞くんじゃない!」
「あ、私も聞きたい」

 なんでこういう時は息を合わせて来るんだよ、この双子!

「コセ様……二人同時なのにしっかりとエスコートしてくださって……多分、エッチも上手なのではないかと。凄く満たされた気分になりましたし」

 スゥーシャも、その話をするんかい!

 ――というか、二人同時!?

「それでそれで?」

 結局私も、スゥーシャを止めることなく色々聞いてしまった。

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