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ダンジョン・ザ・チョイス

魔神スピリット

233.五種の指輪とレールバイク

「“煉獄魔法”――インフェルノカノン!!」

 アイスアストラルを、メルシュの魔法が燃やし溶かしてしまう。

 俺達が到達した平原に存在していたのは、青白い花畑。

 この花の色の場所には、氷系のモンスターが出て来るとのこと。

○“寒冷の指輪”を手に入れました。

「三体目でようやく手に入ったな」

 青い氷の宝石が付いた指輪を実体化させ、ナオに渡す。

「良いの?」
「“寒冷の指輪”は、氷耐性によるダメージの軽減を無くしてくれるから、ナオには必須だよ」

 メルシュが諭したことで、ナオはニンマリしながらチョイスプレートを操作して装備した。

「手に入るのは五種でしたね。“灼熱の指輪”、“寒冷の指輪”、“風化の指輪”、“雷鳴の指輪”、“瀑布の指輪”でしたか」

 クマムが確認してきた。

「炎をメインにしているのはユリカくらいだから、出来ればそれ以外の属性の花畑に辿り着いてくれてたら良いけれど」

「私達のレギオンは氷使いが多いですから、“寒冷の指輪”はもう少し欲しいですね」

 トゥスカの言うことはもっともだった。

「ま、この段階で手に入れられる数には限りがあるけれど、上のステージに行けば簡単に手に入れられるらしいから、今無理に手に入れなくても良いんだけれどね」

 メルシュはワイズマンの固有スキルである“英知の引き出し”により、到達したステージの情報を全て入手出来るが、更に先の情報は分からない。

 だから、上のステージ云々という情報はジュリーからの物なのだけれど……メルシュは少なからず、更に先のステージ情報を知っていそうな発言を、度々しているんだよな。

 隠しているということは、隠す理由があるのだろうから問いただすつもりはない。

「“寒冷の指輪”、あと二つは手に入れたい所だけれど……」

 この日、俺達のパーティーが“寒冷の指輪”を手に入れることは無かった。


●●●


「“氷炎魔法”、アイスフレイムカノン!!」

 氷が弱点のウィンドアストラルを攻撃し、なんとか倒しきる。

「お疲れ、カナ。これで二つ目の“風化の指輪”が手に入ったよ」
「……そうですか」

 シレイアさんにねぎらわれるけれど、あまり面白くない。

「ふ、二つ手に入れば良い方って言われてたし、ど、ドンマイ」
「そ、そうですよ。ドンマイです、カナさん!」

 ザッカルとノーザンが、三メートル程離れた所から恐る恐る話し掛けてきた。

「二人とも、そんなに気を遣わなくて良いのよ?」

「め、めめめ滅相もないです!」
「き、ききき気を遣ってなんていませんから!」

 ……ナイトモンキーとの戦い、姿は見えていなかったはずだけれど、私の言動とモンスターの絶叫に完全に怯えてしまった様子の二人。

「カナさん……強い。キレた時は、もしかしたら私より強いかも」
「コセがキレた時の凄みに、通じる物があったね」

 ユイちゃんとシレイアは、まるで怖がっている様子がない。

 ……二人の態度に、ちょっと安心できるかな。

 それに……コセ君に似ていると言われて、少し喜んでしまっている自分が居る。

「……早く先に進みましょう」
「と言っても、もう終点だけれどね」

 シレイアさんの視線の先には、花畑の終わりと、安全エリアらしき色違いの土にポータルが。

「なんだ、十四ステージはもう終わりか」

 安全エリアに辿り着くと、赤い宝箱が出現した?

「この宝箱からは、ランダムに耐性を無効に出来る指輪が手に入るらしいよ。花畑の色とは別のが出るようになっているんだとさ。ザッカル」

「あいよ、罠解除」

 盗術のスキルが無いと、宝箱に手を出すのが怖いわね。

「“寒冷の指輪”だってさ。ノーザン」

 ザッカルがノーザンちゃんに投げ渡す。

「どうも」

 “寒冷の指輪”が手に入ったら、ナオちゃん、リンピョンちゃん、ノーザンちゃんに渡す事になっていて、五種の中で一番多く手に入れたいとメルシュちゃんが言っていた指輪でもある。

「あとは、他の奴等が二つ以上手に入れてくれてれば良いが」
「そうね」

 皆で協力しないと、自分に合った装備を揃えられない仕組みか…………なんか、嫌だな。


●●●


「……おお、綺麗な花畑だ」

 ルイーサが後ろを振り返り、青い花畑の感想を口にする。

「あの色だと、水属性ルートだったみたいだね」

「ジュリー様、黒い宝箱が出現しましたよ」

 タマが教えてくれる。

 ハイエンジェルウィッチが出現するルートを通った場合に現れる、特別な宝箱。

 この宝箱の中身次第では、ハイエンジェルウィッチをテイム出来ない場合、隠しルートの旨味ってそこまで無いのよね。

 既に私達が、“天雷魔法”や“天使法術”を手に入れているからというのもあるけれど。

「Bランク以上のアイテムが、完全ランダムで手に入るんだったな。罠解除」

 フェルナンダがさっさと開けてしまう。

「指輪か。なんの指輪なんだ、ジュリー?」
「ちょっと待ってね」

○“レールバイクの指輪”を手に入れました。

「これは……ちょっと意外な物が手に入ったな」
「ジュリー?」
「見て貰った方が早いね。レールバイク」

 装備し、指輪の効果でレールバイクを呼びだす。

 水上バイクのような、タイヤのない流線型の黒い乗り物。

「これ、バイクなのか?」
「跨がってMPかTP、もしくはOPをセットすることで、それらのいずれかをガソリン代わりに走れる乗り物……って所かな?」
「タイヤが無いのに走れるのか……OP?」

 あ、つい余計な事まで言ってしまった。

「Lvが上がると第三のポイント、OPオールポイントが使えるようになるんだよ。まあ、この辺はちょっと複雑だから、使えるようになったら教えるよ」

「このゲームのシステムは、中々奥が深いな」
「……そうね」

 たった二人で作ったとは思えないほど、このゲームは作り込まれていた。

 出来れば……このゲームが完全になってから、もう一度最初から最後まで楽しんでプレイしてみたかったな。

「これ、動かしてみても良いか?」
「どこに見えない壁があるか分からないから、魔法の家の空間で試そう。私も乗り心地を確かめてみたいし」
「おお、楽しみだ!」

 両親が作った物で喜んでくれているルイーサを見ていると……私まで嬉しくなってくるな。

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