ダンジョン・ザ・チョイス
213.苛まれる者達
「サタちゃん! 黒ピカ! モモカちゃんを守って!!」
『クェェェ!!』
『我が輩に任せるが良い!!』
ムカつくけれど、こういう時黒ピカは頼りになる!
「サキ、私も戦うよ!」
「ダメよッ!!」
「ヒッ!!?」
しまった……怖がらせてしまった。
「ローゼとマリアも、全力でモモカちゃんを守るのよ!!」
「……そうね」
「分かった」
ユニークスキル、”命の人形”によって人間のように思考できるローゼ達バトルパペットは、自分達で考えて行動することが出来る。
だから、主に逆らってでもモモカちゃんを守ろうとするはず。
「石柱召喚!! ”絡め取り”!」
”大蛇の石柱の指輪”を使って柱を出現させ、”怪物強化の鞭”で投げ飛ばす!
『『ギェェェッ!!』』
只の重い石による攻撃だけれど、この質量、そう簡単には抗えないでしょ!
現に、障壁の効果を発動できずに二体のパラディンリザードマンが圧死した。
「相手がレプティリアン種である以上、小さい子以外は食べないはず」
歳を重ねれば重ねるほど、自然界にある物だけでは摂取する可能性の低い、抽出されて作られた様々な毒素を溜め込んでしまうため、奴等は幼い子供以外は餌と見做さない。
私がいた競馬村の奴等は、かなり地球人寄りの遺伝子持ちだったようだから、食人行動には出なかったみたいだけれど。
そもそも、知的生命体……いわゆる人類を食らおうというのが、魂が低周波に、遺伝子レベルで堕ちた証。
「”磁力”、”回転”!!」
黄昏色の八翼で飛びながら、着実にパラディンリザードマンを屠っていく私のマスター。
三文字だけだけれど、一翼に刻むことで黄金球を強化し、潰していた。
直接刻んだ武具程ではないけれど、間接的に力を纏わせることで威力増強は可能。
まだ教えた事の無い文字の活用法を、本能的に成功させるなんて。
「”避雷針”、”雷光”!」
緑の両刃剣に、マスターが雷を纏わせる!
「”雷光斬”!!」
私達を突破しようとした二体を、雷の斬光で切り裂く!
サタンドレイクのサタちゃんの尻尾の薙ぎ払いと、エレメンタルガーディアンの黒ピカの武器による攻撃で、リザードマンが一カ所に集められた?
「くたばりなさい!! ”回転”!」
ローゼが振るった鎖の先端に取り付けられた”ドリルアタッチメント”により、パラディンリザードマン七体が鎧ごと胸に孔を開けられ……消えていく。
この調子なら、アルファ・ドラコニアン以外はどうにかなるとは思う。
問題は、ドラコニアンに対抗するには、科学的に附与されたあの念能力を、正面から打ち破る力が必要と言うこと。
更に言えば、この世界の法則の恩恵を受けているのか、あちら側の世界で戦うよりも明らかに身体能力が強化されている点が地味に厄介。
でなければ、あれ程の力を引き出したコセさんが押されるはずがない。
――鞭で一体のパラディンリザードマンの体勢を崩し、首に”ダマスカスナイフ”を走らせながら呟く。
「頑張ってください、コセさん」
私達隠れNPCでは、念能力に対抗するのは難しい。
だからもう、少なからず神に認められし者達に……全てを托すしかない。
●●●
「”颶風魔法”、ストームダウンバースト!!」
メグミちゃんを庇うように、圧倒的強さを持つ化け物と戦うコセさん。
メグミちゃんもコセさんも……あんな相手に自分から向かっていけるなんて。
私は恐くて……震える身体をなんとか律して、己の役目をこなしていく。
本当なら、早くメグミちゃんに駆け寄って、治療してあげるべきなのに!!
「……サトミ、リンピョン、ここはお願いします」
「クリスちゃん?」
今、訛りのない流暢な日本語で話たのは……クリスちゃんなの?
「メグミさんをお願いします!」
私と違って、恐怖せずに必死に抗っているリンピョンちゃんがクリスちゃんに托す。
「オケ、任せてください!」
薄緑の片手斧を持ったパラディンリザードマンの手首と喉を素早く裂いて、駆け出すクリスちゃん。
私は……なにも言えなかった。
……こんなんだから、コセさんに嫌われるのかもね。
●●●
「――”終末の一撃”ッ!!」
ザッカルが巨大な黒剣を手にしたと思ったら、パラディンリザードマンの群れの中に”跳躍”で飛び込んで――――なんか凄い攻撃を繰り出した!!!?
「へ……今のなに?」
たった一撃で、二、三十体纏めて吹き飛ばしちゃったんですけれど……。
「ちょっと使い勝手の悪い、Sランク武具って奴さ。それよりもカナ、メルシュ達の援護に行くぞ!」
「ええ」
二人で駆け出し、すれ違い様にリザードマンの首を刎ねていく。
……この数日で、とんでもない人達と組んだんだなとは思っていたけれど…………日に日に、認識が上方修正されていくんですけど。
……私なんかが、このレギオンに居て良いのかな。
◇◇◇
『クソォォォォォォォッ!! あの黒い獣人女、今回の突発クエストに組み込めた数少ないSランク武器、”ファンタズムハープン”を使う前に潰しやがった!!』
面倒だからランダム装備させた、”雄大なる大地の風”、”聖遺物の鞘盾”、”煉獄悪魔の滾り翼”、”破天の巨鎚”、”混沌の剣の指輪”、”砲火剣・イグニス”、”アイスコフィン”、”ゲイルサイズ”、”アジュアバックラー”まで奪われた!!
『このままの勢いだと、全てのパラディンリザードマンを倒されてしまいそうだし……いや、落ち着け。どうあろうと、奴等にアルファ・ドラコニアンが倒せるはずがないんだ!』
あのクソ蜥蜴には、Sランク武器の”愚劣の無我の境剣”を持たせてやっているしな!!
『そうさ……どれだけのレアアイテムを手に入れようと、このクエストをクリア出来なければ関係ない!!』
たとえクリアされたとしても、何人か……あのコセとかいう小僧だけでも始末してくれれば!
でなければ……わざわざオッペンハイマー様に頼んでまで、宇宙最強の戦士を投入した意味が無いんだよッッ!!
『クェェェ!!』
『我が輩に任せるが良い!!』
ムカつくけれど、こういう時黒ピカは頼りになる!
「サキ、私も戦うよ!」
「ダメよッ!!」
「ヒッ!!?」
しまった……怖がらせてしまった。
「ローゼとマリアも、全力でモモカちゃんを守るのよ!!」
「……そうね」
「分かった」
ユニークスキル、”命の人形”によって人間のように思考できるローゼ達バトルパペットは、自分達で考えて行動することが出来る。
だから、主に逆らってでもモモカちゃんを守ろうとするはず。
「石柱召喚!! ”絡め取り”!」
”大蛇の石柱の指輪”を使って柱を出現させ、”怪物強化の鞭”で投げ飛ばす!
『『ギェェェッ!!』』
只の重い石による攻撃だけれど、この質量、そう簡単には抗えないでしょ!
現に、障壁の効果を発動できずに二体のパラディンリザードマンが圧死した。
「相手がレプティリアン種である以上、小さい子以外は食べないはず」
歳を重ねれば重ねるほど、自然界にある物だけでは摂取する可能性の低い、抽出されて作られた様々な毒素を溜め込んでしまうため、奴等は幼い子供以外は餌と見做さない。
私がいた競馬村の奴等は、かなり地球人寄りの遺伝子持ちだったようだから、食人行動には出なかったみたいだけれど。
そもそも、知的生命体……いわゆる人類を食らおうというのが、魂が低周波に、遺伝子レベルで堕ちた証。
「”磁力”、”回転”!!」
黄昏色の八翼で飛びながら、着実にパラディンリザードマンを屠っていく私のマスター。
三文字だけだけれど、一翼に刻むことで黄金球を強化し、潰していた。
直接刻んだ武具程ではないけれど、間接的に力を纏わせることで威力増強は可能。
まだ教えた事の無い文字の活用法を、本能的に成功させるなんて。
「”避雷針”、”雷光”!」
緑の両刃剣に、マスターが雷を纏わせる!
「”雷光斬”!!」
私達を突破しようとした二体を、雷の斬光で切り裂く!
サタンドレイクのサタちゃんの尻尾の薙ぎ払いと、エレメンタルガーディアンの黒ピカの武器による攻撃で、リザードマンが一カ所に集められた?
「くたばりなさい!! ”回転”!」
ローゼが振るった鎖の先端に取り付けられた”ドリルアタッチメント”により、パラディンリザードマン七体が鎧ごと胸に孔を開けられ……消えていく。
この調子なら、アルファ・ドラコニアン以外はどうにかなるとは思う。
問題は、ドラコニアンに対抗するには、科学的に附与されたあの念能力を、正面から打ち破る力が必要と言うこと。
更に言えば、この世界の法則の恩恵を受けているのか、あちら側の世界で戦うよりも明らかに身体能力が強化されている点が地味に厄介。
でなければ、あれ程の力を引き出したコセさんが押されるはずがない。
――鞭で一体のパラディンリザードマンの体勢を崩し、首に”ダマスカスナイフ”を走らせながら呟く。
「頑張ってください、コセさん」
私達隠れNPCでは、念能力に対抗するのは難しい。
だからもう、少なからず神に認められし者達に……全てを托すしかない。
●●●
「”颶風魔法”、ストームダウンバースト!!」
メグミちゃんを庇うように、圧倒的強さを持つ化け物と戦うコセさん。
メグミちゃんもコセさんも……あんな相手に自分から向かっていけるなんて。
私は恐くて……震える身体をなんとか律して、己の役目をこなしていく。
本当なら、早くメグミちゃんに駆け寄って、治療してあげるべきなのに!!
「……サトミ、リンピョン、ここはお願いします」
「クリスちゃん?」
今、訛りのない流暢な日本語で話たのは……クリスちゃんなの?
「メグミさんをお願いします!」
私と違って、恐怖せずに必死に抗っているリンピョンちゃんがクリスちゃんに托す。
「オケ、任せてください!」
薄緑の片手斧を持ったパラディンリザードマンの手首と喉を素早く裂いて、駆け出すクリスちゃん。
私は……なにも言えなかった。
……こんなんだから、コセさんに嫌われるのかもね。
●●●
「――”終末の一撃”ッ!!」
ザッカルが巨大な黒剣を手にしたと思ったら、パラディンリザードマンの群れの中に”跳躍”で飛び込んで――――なんか凄い攻撃を繰り出した!!!?
「へ……今のなに?」
たった一撃で、二、三十体纏めて吹き飛ばしちゃったんですけれど……。
「ちょっと使い勝手の悪い、Sランク武具って奴さ。それよりもカナ、メルシュ達の援護に行くぞ!」
「ええ」
二人で駆け出し、すれ違い様にリザードマンの首を刎ねていく。
……この数日で、とんでもない人達と組んだんだなとは思っていたけれど…………日に日に、認識が上方修正されていくんですけど。
……私なんかが、このレギオンに居て良いのかな。
◇◇◇
『クソォォォォォォォッ!! あの黒い獣人女、今回の突発クエストに組み込めた数少ないSランク武器、”ファンタズムハープン”を使う前に潰しやがった!!』
面倒だからランダム装備させた、”雄大なる大地の風”、”聖遺物の鞘盾”、”煉獄悪魔の滾り翼”、”破天の巨鎚”、”混沌の剣の指輪”、”砲火剣・イグニス”、”アイスコフィン”、”ゲイルサイズ”、”アジュアバックラー”まで奪われた!!
『このままの勢いだと、全てのパラディンリザードマンを倒されてしまいそうだし……いや、落ち着け。どうあろうと、奴等にアルファ・ドラコニアンが倒せるはずがないんだ!』
あのクソ蜥蜴には、Sランク武器の”愚劣の無我の境剣”を持たせてやっているしな!!
『そうさ……どれだけのレアアイテムを手に入れようと、このクエストをクリア出来なければ関係ない!!』
たとえクリアされたとしても、何人か……あのコセとかいう小僧だけでも始末してくれれば!
でなければ……わざわざオッペンハイマー様に頼んでまで、宇宙最強の戦士を投入した意味が無いんだよッッ!!
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