ダンジョン・ザ・チョイス
212.龍意のケンシVS高位騎士の爬虫人類軍団
指輪から出現させた金剛の巨腕を振るって、パラディンリザードマンを薙ぎ払う!
「”煉獄魔法”、インフェルノ! ”氷獄魔法”、コキュートス!!」
特殊レギオン戦で殺した者達から入手した、二種属性魔法を同時行使!
『『ギャォォォォォォォォオオオオ!!』』
制圧力の強い魔法でも、個体の能力が高い相手だと厄介! スタンピードラットのように一撃で倒せる方がまだマシか!!
『ギャオオオオ!!』
「くッ!!」
巨大な鎚で金剛の巨腕を打ち付けられ、吹き飛ばされる!!
「メルシュ!」
トゥスカが、私を庇うようにパラディンリザードマンに挑んでいく!
「コイツらの武具……随分な大盤振る舞いじゃない」
四百体のパラディンリザードマン全てが、Cランク以上の武具を手にしている。
今のところ、ドラコニアンの剣以外Sランク武具は見当たらないけれど、Aランクの武具はチラホラ見えていた。
トゥスカが戦っている個体の持つ武器は、”破天の巨鎚”Aランクだし。
今朝、家のコンソールに届いていた件も考えると、今後のためにもB以上は全て入手したい所だけれど……アルファ・ドラコニアン相手じゃそうも言っていられない!
「マスターの援護に行きたいんだけど……暫くは無理か!」
マスター達に近付こうとするパラディンリザードマンを牽制して、他の仲間も守ることの方が最優先。
――三つの武具に九文字も刻んで、激しい攻防を繰り広げているけれど……マスターだけじゃ分が悪い。
さっさと数を減らして、ユイ辺りに援護に入らせないと!
●●●
「”光輝剣術”――シャイニングブレイク!!」
”パラディンストーンの剣盾”で槍を去なし、間合いを詰め、”ヴリルの聖剣”の一撃で消し飛ばした。
その余波で、数体のパラディンリザードマンの動きを止めることに成功!
「”冥雷魔法”、サンダラスヘル!!」
私が作った隙を突き、黒雷をお見舞いしてくれるアヤナ。
だが、最初の一撃を無効にする能力により、雷を浴びた半数が生き残っている。
「行け、ウンディーネ!!」
水の乙女の剣が、雷で動きが止まっていたリザードマンの首を切り落としていく。
さすがフェルナンダだ。
「お姉ちゃん!」
アヤナに斧で斬り掛かったリザードマンの一撃を、アオイが”ドラゴンジャマダハル”と鞭で防ぐ!
「アオイ!」
「お任せを!」
瞬時にノーザンが、燐光振り撒く青い斧で胴を切り裂いた。
「そうか、神代文字で強化した状態で戦えば、スキル無しでも倒せる!」
武術や魔法じゃないから、初撃を無効にされる事もない!
「ルイーサさんは文字を温存していてください! 僕が全力で数を減らすので、余裕ができたらコセ様の援護をお願いします!」
確かに、コセが戦っている奴は、強さが桁違いみたいだけれど。
「”雪玉発射”!!」
”雪玉発射”のように、武術でも魔法でもない攻撃手段なら、効率的……とも言えないか。
単調な攻撃だと、対処されてしまっている。
サトミ達の”魔力砲”くらい威力があるなら別だろうが。
「判った! 装備セット2!」
右手に”ストームブリンガー”、左手に”不知火の直刀”を手にする!
「”白骨火葬”!!」
白灰の煙をぶつけ、リザードマン共の肌を焼く!
「”氷光の鎧”!!」
青い光の、硝子のような鎧を纏って斬り込むノーザン。
「”激鞭術”、パワーラッシュヒット!!」
アオイの鞭が、次々とリザードマンの無効化能力を誘発させていく!
「私の妹に近付くな!」
スキルの使用で動きが止まっていたアオイを狙ったリザードマンを、今度はアヤナが、”テクニカルロッド”で操る”重銀のメタルクラブ”で打ち据える!
「やるじゃん、お姉ちゃん!」
「これでもお姉ちゃんだからね!」
「”精霊魔法”、サラマンダー!!」
アオイが無効化能力を使わせた個体を狙って、赤い炎の蜥蜴が熱線を放っていく。
それでも、倒しきれない個体が少なくない!
「”嵐の穿風”!!」
元気な個体に狙いを定め、”ストームブリンガー”の効果で喉を貫き、絶命させる!
『キキェェェえええ!!』
「あああッ!!」
――盾を持った奴に、顔を打ち付けられたッ!!?
「”伸縮”!!」
なにかがリザードマンの首を貫き、動きが止まった!?
「”闘気剣”!!」
”不知火の直刀”にオーラを纏わせ、盾持ちの首を刎ねる!
「助かった、クマム!」
私を救ってくれたのは、少し離れた位置で、ナオやユイ達と共に戦っていたクマムだった。
「絶対に生き残りましょう! ルイーサさん!!」
初めて会った頃に比べると、だいぶ勇ましくなったよな。
「私達が数を減らすまで、もう少しだけ耐えろよ、コセ!」
まだ、私はあの時の返事をしてないんだからな!
●●●
「――――ハッ!!!」
マスターユイが、”波紋龍閃の太刀”に九文字刻んで、一刀ごとにパラディンリザードマンを斬り伏せていく。
アルファ・ドラコニアン……奴の念能力に対抗するには九文字くらいは必要だろうが、とにかく早急に数を減らさないと死人が出かねない!
マスターはボス戦で神代文字を無理に引き出して消耗しているし、ドラコニアンと戦うのはもう無理だろう。
「”魔力輪廻”!!」
”輪廻の業剣”にMPを吸わせ、強化した切れ味に任せて、アタシも鎧ごと両断していく!
Sランク武器を使っているけれど、さすがにマスターほど効率的には倒せないか。
相手に対処させずに一振りごとに絶命させるとか、アタシのマスターは本当に規格外だよ。
でも……だからこそ、次のステップに進めるのかが心配なんだよね。
●●●
「タマ!!」
「スゥーシャ!!」
白い人魚と猫が、銛と槍に三文字を刻んで、淀みない連携を取ってパラディンリザードマンを着実に倒していく!
あの二人……いつの間にか呼び捨てになってるし。
「ここまで植物がまるで無いとは……申し訳ありません、マスターユリカ。このステージでは、私は大して役に立てません」
隠れNPCであるドライアドは、植物の有無で強さが左右される。
荒野と言うだけあって、この地には植物がまったくと言って良いほど見当たらない。
「なら、私のサポートをお願い!」
「畏まりました。”古代魔法”、オールドスプラッシュ!」
パラディンリザードマンに無効化能力を使用させ、動きまで一時的に止めてくれた!
「”煉獄魔法”――インフェルノブラスター!!」
四体のリザードマンを、纏めて消し飛ばす!
「これじゃ効率が悪いわね!」
私達が駆除するよりも、新手が穴から這い出てくるスピードの方が早い!
「……ヨシノ、ちょっと無茶するわ。守りはお願い」
「分かりました、マイマスター。御身は、必ずや私がお守りいたします」
ヨシノは固いわね。
――”煉獄は罪過を払いけり”にTPを吸わせ、文字を六つ引き出す。
「”二重魔法”、”星屑魔法”――スターダストシューティング!!」
白銀の星々を神代文字で強化し、任意で操作可能なスターダストシューティングを操り、無効化能力を消費させて効率的に倒していく!
スターダストシュートと違ってMPを強制的に半分取られることは無いけれど、その分威力は落ちる。
『ギェェェッ!!』
パラディンリザードマンのうちの一体が飛び立ち、紫の炎の翼でコセとメグミが居る方に向かおうとする!!
「”植物魔法”、バインバインド!!」
蔦を伸ばして、動きを止めてくれるヨシノ!
「でかしたわ、ヨシノ!!」
すぐにスターダストシューティングの一部をぶつけ、葬り去ったcjっ3っh!!
――ヤバい!!
「ハアハア、ハアハア」
「お疲れ様です、マスター」
「まだ、ハアハア、六文字を維持しながら……戦うのは……ハアハア、難しい」
背後では、そんな次元の遥か先を行く戦いが繰り広げられているのに。
コセの背中……遠いは。
「でも……諦めないって決めたしね」
どこまでも、食らい付いてやるんだから!!
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