ダンジョン・ザ・チョイス
198.昆虫村
「”煉獄魔法”、インフェルノ!!」
発動したステージギミック、蟷螂の巣を焼き払う!
一定時間が経過すると、ボス部屋奥の左右に蟷螂の巣が出現し、小型の蟷螂が次々と出現していくらしい。
なんか、この巣を破壊するだけでもかなりの額と経験値が貰えるらしく、ここでしか手に入らないスキルカードもあるそう。
火属性しか効かないらしく、私がコッチの役に回された。
「インフェルノブラスター!!」
反対側の巣にも、煉獄魔法をぶつける!
私が炎特化なのもあるんでしょうけれど、見る見る燃えていくわね。
「クマム、そろそろ終わらせて良いわよ」
●●●
”竜巻噴射”で急上昇し、”天使の翼”を生やして天井の魔神に仕掛ける!
『キシェェェェェッ!!』
脚だけで張り付き、両腕の鎌で斬りつけてきたため”ゴルドローズソード”で受け流す!
足裏から出ている風をバランスを取るのに集中させ、背の翼を機動力に回し、背中側へ!
『”天使剣術”――エンジェルストライク!!』
”尖衝武装”の赤い光を纏わせた剣で鎌切蟷螂の背を突き刺し、武器変更で”ゴルドローズソード”を”伸縮のレイピア”に持ち替える!
「”伸縮”――”共振破壊”!!」
魔神の身体に深く突き刺し、内部から破壊!
『ギシェエエエエエエェェェェェェェェッッッ!!!』
胸部分が吹き飛び、やがてボスが光に変わり出す。
「コセさん達と知り合ってから、装備やスキルがどんどん充実していく。それに……」
私自身、いつの間にか思いきりが良くなっているというか、戦いに自然と身が入るようになっていた。
前のパーティーの時には感じなかった、一体感がある。
ダンスを合わせようとしてもイマイチで、一部の人からは、歌はともかく踊りが下手くそなグループって言われてたっけ。
――ふと、左手薬指の黄金の指輪が目に入る。
一応……その……結婚指輪。
「そっか……私、結婚してたんだ」
今になって、ようやく実感が湧いてきた。
胸が……苦しい。
●●●
「”超竜撃”!!」
左腕の”グレイトドラゴンキャリバー”の効果で、鎌切蟷螂の右腕の鎌を破壊した。
『ギシェエエッ!!』
久しぶりに、神代文字無しでボス戦に臨んでいる。
アテルに出会う前は、神代文字に対してチート能力のイメージが強く、暴走しかねない点もあり、頼るのを恥と捉える感覚があった。
だが、文字の力が無ければ対抗できぬ存在の出現により、神代文字に対する考えが百八十度変わる。
そのことに気付いたから、メルシュも文字の同時使用を積極的に教えるようになったのだろう。
とはいえ、文字を使う人間相手や突発クエスト以外で神代文字に頼るのは危険。
素の勘を、鈍らせないようにしないと!
「メルシュ!」
「”混沌魔法”、カオスレイ!」
「”黒精霊”!」
黄金と青緑の大剣、”竜剣”を魔神の頭に突き刺し、壁に縫い付ける!
その傍らで、黒銀の大剣”シュバルツ・フェー”に、混沌のエネルギーを纏わせておく。
『ギシャアアアアアアアアアアアアッ!!』
「――ハイパワーブレイク!!」
混沌の暴威を炸裂させ、魔神・鎌切蟷螂を粉砕した。
「さすがマスター」
「ご主人様なら当然でしょう」
今回は、トゥスカとメルシュの三人だけでボス戦に挑んだ。
鎌切蟷螂がさほど強くなく、ステージギミックを利用してお金とスキルカード、素材などを大量に手に入れられるため、わざと人数を減らして挑んでいるのだ。
最低でも三人以上で組んでいるが、四人で組んだサトミさん達のパーティーは、転移後にトラブルに巻き込まれるのを考慮して先鋒になって貰った。
「手に入った”禍蟷螂のスキルカード”は十一枚。まあまあの数だね」
「確か、そのスキルカードは特別高く売れるんでしたっけ?」
トゥスカが尋ねる。
「ここでしか手に入らないレアスキルだからね。それに、結構強力なスキルだから、鎌を使う人に覚えさせたいんだよね。鎌の扱いって難しいから、あまり勧める気もないけれど」
確かに、俺には上手く扱える自信が無い。
○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。
★鎌切蟷螂の鎌 ★大鎌使いのスキルカード
★禍鎌切の指輪 ★昆虫食のスキルカード
「今回は好きなので良かったんでしたっけ?」
「指輪は一メートルくらいのカマキリを呼びだすだけで大した戦力にならないし、上の二つは鎌を使わないなら意味ないし……うん、好きなのを選んで良いよ」
なぜか一つだけ触れないメルシュ。
「で、”昆虫食”ってなんなんだ?」
察しはつくけれど。
「……昆虫系の料理を食べると……MPやTPの回復速度が丸一日、少しだけ上がるよ。蜘蛛クッキーとか、蟋蟀スープ、蠍の唐揚げ、蜂の甘辛煮とか色々――」
「もう良い……」
トゥスカの顔が青く……俺も、巨大GとルイーサのGを同時に思い出して気持ち悪くなってきた。
「……さっさと選ぼう」
○これより、第十三ステージの昆虫村に転移します。
「今……なんて言った?」
★
いつもの祭壇から見える景色は……巨大な蜘蛛の巣に覆われた家々。
遠くには花畑も見え……虫が凄い飛んでる。
「うぅ……コセ、早く行きましょうよぉぅぉぅぉぅぉぅぉぅぉぅ~」
アヤナが……もの凄く怯えていた。
「お、オオスズメバチなんてっ、いませーんよね? いませーんよね!?」
クリスは、大雀蜂限定で怖いのか?
「さ、サムライミツバチさん、プリーズ!!」
……あの女はなにを言っているんだ?
「取り敢えず、ジュリー達が来るのを待とうな」
「そんな~!!」
「ノー! 助けてユイさん!!」
サムライ繋がりで助けを求めてるのか? まだここに居ないのに。
そう言えば、ユイにはスキルカード入手のために、俺の”煉獄魔法使い”のサブ職業を貸していたな。
●●●
「インフェルノバレット!!」
「クリムゾンフレイム!!」
私のマスターであるユイとタマが、螳螂の巣を焼き尽くした。
「ほんじゃ、そろそろ本気で行くかね――”魔力輪廻”!」
Sランク武器、”輪廻の業剣”の効果を使用し、MPを吸わせて青黒いオーラを纏わせる!
「”鞭剣術”――ハイパワーウィップブレイド!!」
剣を鞭のようにしならせ、鎌切螳螂を袈裟斬りに。
「”飛剣術”――ハイパワースラッシャー!!」
後退しながら横薙ぎを繰り出し、飛ばした斬撃で胸部分を切り裂いた。
「さすが、使い勝手の良いSランク武器だ」
たった二撃で、魔神のHPのほぼ全てを削りきったか。
HPが設定されているのは、魔神のような無機物系モンスターだけだけれどね。
そういや、HPに干渉するタイプの武器もあったね。
発動したステージギミック、蟷螂の巣を焼き払う!
一定時間が経過すると、ボス部屋奥の左右に蟷螂の巣が出現し、小型の蟷螂が次々と出現していくらしい。
なんか、この巣を破壊するだけでもかなりの額と経験値が貰えるらしく、ここでしか手に入らないスキルカードもあるそう。
火属性しか効かないらしく、私がコッチの役に回された。
「インフェルノブラスター!!」
反対側の巣にも、煉獄魔法をぶつける!
私が炎特化なのもあるんでしょうけれど、見る見る燃えていくわね。
「クマム、そろそろ終わらせて良いわよ」
●●●
”竜巻噴射”で急上昇し、”天使の翼”を生やして天井の魔神に仕掛ける!
『キシェェェェェッ!!』
脚だけで張り付き、両腕の鎌で斬りつけてきたため”ゴルドローズソード”で受け流す!
足裏から出ている風をバランスを取るのに集中させ、背の翼を機動力に回し、背中側へ!
『”天使剣術”――エンジェルストライク!!』
”尖衝武装”の赤い光を纏わせた剣で鎌切蟷螂の背を突き刺し、武器変更で”ゴルドローズソード”を”伸縮のレイピア”に持ち替える!
「”伸縮”――”共振破壊”!!」
魔神の身体に深く突き刺し、内部から破壊!
『ギシェエエエエエエェェェェェェェェッッッ!!!』
胸部分が吹き飛び、やがてボスが光に変わり出す。
「コセさん達と知り合ってから、装備やスキルがどんどん充実していく。それに……」
私自身、いつの間にか思いきりが良くなっているというか、戦いに自然と身が入るようになっていた。
前のパーティーの時には感じなかった、一体感がある。
ダンスを合わせようとしてもイマイチで、一部の人からは、歌はともかく踊りが下手くそなグループって言われてたっけ。
――ふと、左手薬指の黄金の指輪が目に入る。
一応……その……結婚指輪。
「そっか……私、結婚してたんだ」
今になって、ようやく実感が湧いてきた。
胸が……苦しい。
●●●
「”超竜撃”!!」
左腕の”グレイトドラゴンキャリバー”の効果で、鎌切蟷螂の右腕の鎌を破壊した。
『ギシェエエッ!!』
久しぶりに、神代文字無しでボス戦に臨んでいる。
アテルに出会う前は、神代文字に対してチート能力のイメージが強く、暴走しかねない点もあり、頼るのを恥と捉える感覚があった。
だが、文字の力が無ければ対抗できぬ存在の出現により、神代文字に対する考えが百八十度変わる。
そのことに気付いたから、メルシュも文字の同時使用を積極的に教えるようになったのだろう。
とはいえ、文字を使う人間相手や突発クエスト以外で神代文字に頼るのは危険。
素の勘を、鈍らせないようにしないと!
「メルシュ!」
「”混沌魔法”、カオスレイ!」
「”黒精霊”!」
黄金と青緑の大剣、”竜剣”を魔神の頭に突き刺し、壁に縫い付ける!
その傍らで、黒銀の大剣”シュバルツ・フェー”に、混沌のエネルギーを纏わせておく。
『ギシャアアアアアアアアアアアアッ!!』
「――ハイパワーブレイク!!」
混沌の暴威を炸裂させ、魔神・鎌切蟷螂を粉砕した。
「さすがマスター」
「ご主人様なら当然でしょう」
今回は、トゥスカとメルシュの三人だけでボス戦に挑んだ。
鎌切蟷螂がさほど強くなく、ステージギミックを利用してお金とスキルカード、素材などを大量に手に入れられるため、わざと人数を減らして挑んでいるのだ。
最低でも三人以上で組んでいるが、四人で組んだサトミさん達のパーティーは、転移後にトラブルに巻き込まれるのを考慮して先鋒になって貰った。
「手に入った”禍蟷螂のスキルカード”は十一枚。まあまあの数だね」
「確か、そのスキルカードは特別高く売れるんでしたっけ?」
トゥスカが尋ねる。
「ここでしか手に入らないレアスキルだからね。それに、結構強力なスキルだから、鎌を使う人に覚えさせたいんだよね。鎌の扱いって難しいから、あまり勧める気もないけれど」
確かに、俺には上手く扱える自信が無い。
○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。
★鎌切蟷螂の鎌 ★大鎌使いのスキルカード
★禍鎌切の指輪 ★昆虫食のスキルカード
「今回は好きなので良かったんでしたっけ?」
「指輪は一メートルくらいのカマキリを呼びだすだけで大した戦力にならないし、上の二つは鎌を使わないなら意味ないし……うん、好きなのを選んで良いよ」
なぜか一つだけ触れないメルシュ。
「で、”昆虫食”ってなんなんだ?」
察しはつくけれど。
「……昆虫系の料理を食べると……MPやTPの回復速度が丸一日、少しだけ上がるよ。蜘蛛クッキーとか、蟋蟀スープ、蠍の唐揚げ、蜂の甘辛煮とか色々――」
「もう良い……」
トゥスカの顔が青く……俺も、巨大GとルイーサのGを同時に思い出して気持ち悪くなってきた。
「……さっさと選ぼう」
○これより、第十三ステージの昆虫村に転移します。
「今……なんて言った?」
★
いつもの祭壇から見える景色は……巨大な蜘蛛の巣に覆われた家々。
遠くには花畑も見え……虫が凄い飛んでる。
「うぅ……コセ、早く行きましょうよぉぅぉぅぉぅぉぅぉぅぉぅ~」
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「さ、サムライミツバチさん、プリーズ!!」
……あの女はなにを言っているんだ?
「取り敢えず、ジュリー達が来るのを待とうな」
「そんな~!!」
「ノー! 助けてユイさん!!」
サムライ繋がりで助けを求めてるのか? まだここに居ないのに。
そう言えば、ユイにはスキルカード入手のために、俺の”煉獄魔法使い”のサブ職業を貸していたな。
●●●
「インフェルノバレット!!」
「クリムゾンフレイム!!」
私のマスターであるユイとタマが、螳螂の巣を焼き尽くした。
「ほんじゃ、そろそろ本気で行くかね――”魔力輪廻”!」
Sランク武器、”輪廻の業剣”の効果を使用し、MPを吸わせて青黒いオーラを纏わせる!
「”鞭剣術”――ハイパワーウィップブレイド!!」
剣を鞭のようにしならせ、鎌切螳螂を袈裟斬りに。
「”飛剣術”――ハイパワースラッシャー!!」
後退しながら横薙ぎを繰り出し、飛ばした斬撃で胸部分を切り裂いた。
「さすが、使い勝手の良いSランク武器だ」
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