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ダンジョン・ザ・チョイス

魔神スピリット

194.周波数

「地球に直接干渉した宇宙人達のほとんどは、低次元の周波数を好み、低周波数の中でなければ満足に生きていけないの」

「低次元の……周波数?」

 トゥスカが尋ねまぁす。

「奴等由来の遺伝子を持つ肉体には低次元の魂が転生しやすく、世界を低次元に保たないと、また別の星に転生、もしくは移住しなければならなくなるの。ま、長い時間掛けて築き上げた人類搾取システムを手放すのが惜しいんでしょうね」

 人類の搾取システム。一部の人間だけがどこまでも富め、それ以外の人類が永遠に搾取され続けるシステム。

「だから、奴等は人々を高次元に導く高い周波数を嫌っている」

 高次元の周波数が、人類を導く……ですか。

 人々を貧しくさせることで、いさかいを誘発しやすくし、結果、低次元の周波数を発生させる。

「奴等が真に恐れているのは…………世界を高次元に導くワンダラー、もしくはライトワーカーが転生した人間だよ」

「ワンダラー? ライトワーカー?」

 トゥスカさんが尋ねる。

「低次元の宇宙人って言うのは、高次元に登った世界から逃げ出した残虐な者達のこと。自分たちの欲を満たすためなら、言葉にするのも躊躇うような真似を平気でするような奴等。トゥスカ達のような高潔な人間からしたら、本当に同じ人間なのかって疑いたくなるようなレベルのね」

 私がこれまで集めてきた情報と、アメリカや世界中で語られる陰謀論や宇宙人関連のオカルト話しが……繋がっていく。

 ……日本の大手メディア設立に外国が関わっていること、菜食主義を国民に推し進めたナチスドイツと、迫害された自称ユダヤ教徒……ユダヤ人の日ユ同祖論と天皇の繋がり、ローマ教皇の日本への移民受け入れ要請、世界中で起こった女性弾圧の象徴たる魔女狩り、ペトログリフに対するユダヤ人組織の異様な感心…………オルフェ姉さんは、いったいどこまで知っていたの……。

「ワンダラーもライトワーカーも、高次元から転生してきた者達を指す言葉で、転生前の記憶は無いけれど、低次元に堕とされていく世界を救い、世界を高次元に導くという使命を持ってる。だから、遺伝子的に転生しやすい原種に転生することが多いんだよ。場所的にも、日本は使命に目覚めやすいし」

 日本の治安の良さが、それを物語っている。

 無論、日本人にだって残虐な人間は居るし、それ以外の人種がみんな残虐なわけじゃないけれど。

「鎖国していた日本、その後西洋文化取り入れて近代化しまぁした。それそのものがぁ……ポイズンですねぇ?」
「そう。低次元が好む文化を日本人が吸収せざるを得ない状況に持ち込み、外国人との交流を活発化させて、混血の量産、食や文化による遺伝子の劣化変容、戦争による男児の減少、戦争報酬として女性捕虜への陵辱文化の推奨など、様々な方法で高次元との親和性の強い原種を抹消しようとしたんだよ。日本の象徴たる天皇家、その男系の血筋を断絶させようと躍起になっている輩が居るのもそれが理由だね」

 朝廷と距離を置いていた、原種と思われるサンカ……ケンシが多いとされる地域を特に空爆するように誘導し、アトランティスの力が強いとされる地域に、日本が降伏して大義名分を失う前にイギリスとの密約で原爆を投下。

 第二次世界大戦終結後、戸籍システムの名の下に、生き残った数少ない原種の管理まで始めた。

 今の日本は、男系の血筋を残すという概念が薄い。

 その件に、デルタがどこまで関わっているかは分からないけれど。

「文化や教育により高次の資質を閉ざし、洗脳されてしまうライトワーカーも少なくない。逆に、洗脳されないライトワーカーは精神的に追い詰められやすくて、自殺したり、精神病になってしまったり。そうなるように世界をコントロールしようとしてきたのがデルタなんだよ」

 それが……私の一族が秘密裏に行ってきた事。

 幼い頃、私が父の書斎で偶然知ってしまった事実は、醜悪な陰謀のほんの断片に過ぎなかった。

「このゲームに送られる者は、大きく二種類に分けられる。高次の資質を開花させる可能性が強いライトワーカーか、その資質を潰す可能性の強い、低次元に強く順応した魂を持つ者。つまりダークワーカーだね」

「私は後者よね、メルシュ」

 ナオが尋ねた。

「ダークワーカーでは無いけれど、低周波に支配された魂という意味ではそうだね。でも、今は違うって分かってるよね?」
「コセのおかげで……皆のおかげで、私は少しずつ変わり始めている。そういう感覚は、最近はずっとあった」

 高次の資質を持つ、コセさんに導かれて?

「じゃなきゃ、ナオが文字を刻める可能性は無かったからね」
「てことはなんだ? 文字をろくに引き出せない俺は、残虐な低周波の人間てか?」

「落ち着いて、ザッカル。この前、多少は光らせられたでしょ。低次元の魂のままなら、ほんの少し光らせることすら不可能だから」

「……そうかよ」

 ザッカル、少し落ち込んでますねぇ。

「ちょっと余計な事まで喋り過ぎちゃったね。デルタ側の狙いは、そうやって原種を滅ぼして、星を自分達、低次元の人間の都合の良い環境に完全に堕としてしまおうって物なわけ」

 物欲に囚われた憐れで醜悪な者達の妄執が成せる、数万年越しの計画。

 いえ、下手をすれば、もっととんでもなく遥か昔から……。

「なにはともあれ、私達にとってご主人様はかなめ……という事ですね」

 トゥスカが場をまとめる。

 ……これまでのメルシュ達の話しを総合すると、コセをダンジョンの深淵まで守り抜くことがデルタ崩壊に繋がるはず。

 なら、私の成すべき事は――コセを守り抜くことでぇす!


●●●


 ……途中からだけれど、色々聞こえてしまった。

「ありゃ、聞かれちまったかい」

 シレイアが後ろから声を掛けてきた。

「色々言ってたから整理できないで居るけれど……取り敢えず、メルシュは俺を持ち上げすぎじゃないか?」
「そうかもね。ジュリーやルイーサ、トゥスカにメグミ、マスターのユイは、アンタが居なくても自力で文字を刻めてもおかしくないくらい、元々強い親和性の持ち主だし」

 トゥスカもか。

「だが、アンタの影響でみんなが素質を目覚めさせやすくなってるのは確かさ。その逆もしかりだけれどね」
「確かに……そうだな」

 トゥスカ達が居てくれなかったら、俺はアテルと戦ったときに十二文字なんて刻めなかったろう。

「さっき聞いたことを気にする必要は無いよ。ただ自分を信じて進みな。アンタはそれで上手くいく。そういう段階まで目覚めてるって、アタシが保証してやるよ」
「……ありがとう、シレイア」

 まさか、シレイアに励まされるとは。

「……きょ、今日こそアタシを抱くかい?」
「いや、遠慮しとく」
「……フン!!」

 お尻を振りながら、離れていくシレイア。

「そういう態度取られると、自分を信じる云々を信じられなくなっちゃうんだけれど?」

 それにしても、クリスのあの質問の仕方は……早々にこの世界を受け入れたのも含めて、なにか知ってるんだろうな。

 ジュリーや隠れNPC達も、どことなく警戒していたようだったし。

 これから、いったいどうなって行くのかな……俺達は。

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