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ダンジョン・ザ・チョイス

魔神スピリット

182.特殊レギオン戦の終幕

「君、そこをどいてくれないか?」
「《攻略中毒》のレギオンリーダーか」

 上に行こうとして扉があったから、すぐに自分が最上階に居るのが分かったため、階段前で陣取って誰かが来るのを待っていた。

「ござるの奴と同じ得物か。ここでゲットしておいてやるか」

 藍色の鎧男が、刃のガードが付いた藍色の剣を構える。

「あの男を殺して、乙女達を解放するつもり……なんてふざけたノリ、アイツらが居ない今は要らないか」
「あれ、冗談だったんだ?」

 “波紋龍の太刀”を構える。

 正直、あの異常な空気感が冗談とは思えなかったけれど。

「俺以外は全員マジだよ。ああいう宗教的な同調ってのはな、人を操るのにちょうど良いんだよ。ちなみにアイツら、ほとんどが親にゲーム脳がどうのと言われたことがあるらしくて、自分達は狂人だと思い込ませるのが楽だったよ」

「ゲーム脳って……デタラメだったんじゃ?」

「よく知ってるな! ゲーム脳なんて存在しないのに、自称脳科学者様の発言をマスコミが取り上げただけで、ゲームに否定的なバカな議員や大人共の中には未だに信じている奴等が多いんだよ。しかも俺のレギオンメンバーは、自分達で疑って確かめるって事をしないタイプの人間だからな」

 マスコミ信者や、自分に都合の良い情報だけを信じたがる者達が助長させたってパターンか。

「もしかして……死んでも元の世界に戻るだけとか思わせてる?」
「クククク! その通りだ。そうだと教えねーと「人殺しなんて僕には出来ましぇん!!」なんてほざくような甘ちゃんばっかりだからな」

 コイツも、マスメディアみたいに人を操って悦に浸るタイプの人間か。

「ござる野郎は気付いてたから、ある意味俺よりイカレてるよ。いや、むしろゲームだって信じ込んだだけで、平気で殺したり軟禁したり、レイプしているアイツら甘ちゃんの方がイカレてるか! アハハハハハハッ!!」

 操っている方も、操られている方にも、まったく同情する気になれない。

「“抜刀術”」

 剣を収め、踏み出す!

「――波断」

「……へ?」

 首を両断……これで終わ――


「“魔力輪廻”」

 
「く!!」

 青黒く輝く剣を、振り返り様に受け止める!

「どうして……生きて」
「“不意打ち無効”って奴さ! いや、マジでビビったぜ!!」

 リアルハーレムの人と同じスキルか!

「この“輪廻の業剣”は、MPを吸わせれば吸わせるほど強力になる戦士専用の武具だ。ランクアップジュエルって奴が使えなかったから、おそらく最高ランクの武器だぜ!」

 てことは、Sランク武器!

「手に入れれば、リアルハーレムの人が喜んでくれそう」
「リアルハーレム? ああ、あの男か。奴なら死んだぜ」

「へ?」

 そんな……バカなこと……。

 ――憎悪が込み上げ、私の黒い想いが“波紋龍の太刀”に吸われていく気がする。

「嘘じゃね-ぞ。難なら、その時の状況を教えてやっても良い!」

 剣の圧力が増す!

 私を動揺させるのが目的なんだ!

「そんなの、信じない!」


「ここに来る前に、不意打ちで殺してやったんだよ。抵抗する暇も与えずにな!」


「……なんだ」
「あ?」

 策士策におぼれるだな。

「リアルハーレムの人は、貴方と同じで“不意打ち無効”があるから、不意打ちじゃ死なない」

「……チ! 突発クエストで手に入れた地味なレアスキル、他にも持ってる奴がいたとはな」

 戸惑いが晴れると、スタンピードラットを相手にしたときのような感覚が込み上げてくる!!

「なら、このままくたばれ! “氷炎剣術”、アイスフレイムブレイク!!」

「”逢魔の波動”」

 黒の衝撃波をぶつけ、相殺。

「やるじゃねーか。その日本刀も折れないし、俺が貰っちまおうかな……あ? さっきと形が変わってないか?」
「貴方が持っても、宝の持ち腐れ」

 それに、

「“刀剣術”――一刀両断」


 “波紋龍閃の太刀”に九つの文字を刻み――――“輪廻の業剣”ごと断ち切った。


「……嘘だろ……今まで何度も……突発クエストだって……乗り越え…………」

 だから、Sランク武器なんて持ってたのか。
 
 男が光になって消えたのを確認し、手に入れた鍵の数を確認。

「なんだ、30も無いじゃん」

 ケンタって奴から得た分を合わせても、まだ26本しか無い。

「ユイ!」
「ジュリーさん?」
「コセ見なかった?」
「いえ、見てません」

 この階にはそもそも私しか居なかったから、多分誰も居ないはず。

「トゥスカが下の階を捜しているけれど……さっさとこの突発クエストを終わらせよう! 鍵は幾つある?」

「26本です」
「さすが! こっちに19本あるから、屋上に行こう!」

 なんでそんなに慌ててるんだろう?

「分かりました」

 階段を登り、屋上へと続く道を塞いでいる扉の前へ。

○扉を開けて、隠れNPCである薔薇騎士、クリスティーナを手に入れますか?

 YESを押すと扉に鍵が吸い込まれていき、独りでに開いて……外の光が眩しいくらい入ってくる!

「行こう」
「うん」

 屋上に出ると、青空と古城の石畳などが目に入る。

「あれか?」

 屋上の真ん中には、薔薇をあしらったドレスを着た、金髪の女性が十字架に貼り付けにされていた。

『……突発クエストクリア。勝者は、レギオン《龍意のケンシ》』

 なんか、天の声が凄く不服そうだ。

『特典として、集めた鍵の数×100000Gが持ち主に授与される。これにて、突発クエスト、古城遺跡での特殊レギオン戦は閉幕だ!!』

 なんかうるさい。

「うぅ……」

 隠れNPCが意識を醒ますみたい。

「…………ハーイ、貴方たぁちは……誰でぇすかぁぁ?」

 この隠れNPC、外国訛が酷い!!


◇◇◇


『も、申し訳ありません。オッペンハイマー様。誰一人始末できず、クリスティーナ嬢を……』
『気にしないでくれ、ミハエル君。それより、アメリカ軍に降ろす新型アサルトライフルについて、工場責任者が君に相談したいと言ってきている。さすが、軍需産業会社の御曹司だな。今後も期待しているよ』

『インドで起こす内戦で、運用テストする予定のアレですね』

 生まれながらに、そして生涯、奴隷階級から脱却することが出来ないカースト制度を持つカノ国は、なにかと火種は燻っていた。

 一部の上流階級の男達には、集団で女を壊す文化が根付いているからな。

 メインメディアが取り扱うのを忌避するくらいの、凄惨な現実が。ククククク!!

『ああ、よろしく頼む』

 ミハエル君との通信を終える。

『……明星の翼に、神代の力は刻まれた』

 今回は、たかが星一つの勝利では終わらせない。

『見ていろ、創造主』

 銀河連合が介入出来ないあの世界で、今に、貴様を殺すための槍を生み出してみせるぞ!!

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