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ダンジョン・ザ・チョイス

魔神スピリット

178.殺意の中の神意

 運が悪い!

「おい、絶対に逃がすな!」
「ウサギ獣人は、ドスケベと相場が決まってるんだ!」

 相手せずに仲間と合流しようと思ったのに、誰にも会わないどころか、敵ばかりと遭遇。

 それも、何故か全員が獣人の男!

 今では六人に追われている!

「おい、お前らも手伝え! ウサギ獣人をとっ捕まえるぞ!」
「なに、ウサギ獣人!」
「よくナンバー1風俗嬢になりやすいっていう、あのウサギ獣人か!」

 ハァー……八人に増えやがった。

「“ホロケウカムイ”」

 これ以上増える前に、この下半身思考共を片付けてやる!

 “暗殺眼”で急所を見極め、”跳弾の刃石脚”の効果で壁を弾き蹴りながら急接近!

 脚の白い石部分から刃を生やして、鎖骨の上辺りに突き刺し、蹴りを食らわせた。

「早くサトミ様と合流したいんだから、邪魔をするな! “紅蓮転剣術”、クリムゾンブーメラン!」

「“暗黒転剣術”、ダークネスブーメラン!!」

 私の“殺人鬼の円鋸”が、弾かれた!?

「“氷獄魔法”、コキュートス!」

 瞬時に凍りつく地面を、壁を蹴ってシャンデリアに掴まり回避!

「お前、なんてこと……するんだ……」

 仲間の一人が凍り付き、光になった。

「す、すまん!」

 獣人が上位魔法を使ったって事は、サブ職業か。

 コイツら、良い物いっぱい持ってるじゃん。

「私を集団で犯そうとした報い、ありがたく受け取れ!」

 壁を蹴り降り、魔法を使った獣人の顔面に、人体で一番硬い部分での蹴りを叩き込む!

「ぶげ!!」
「「“ホロケウカムイ”!」

 二人の獣人が、身体能力を強化してしまったか。

 左腕の連結部に装着された円鋸を回転させ、武器を持った獣人と接近戦に移行!

「武器が!?」

 円鋸の切れ味を、甘く見たようね!

「“氷獄剣術”、コキュートスブレイク!!」
「――きゃああああああッ!!」

 ”ホロケウカムイ”を使っていた男が無骨な刀剣からスキルを行使し、吹き飛ばされる!

「捕まえたぞ!」

 斧をぶった切ってやった獣人に、後ろに回り込まれて羽交い締めにされた!

「こうして見ると、なかなか肌色の多い格好だな」
「近付くな!」

 右脚で牽制しようとするも、掴まれてしまう!

「股の所とか、結構際どいな! ハハハ!」
「向こうにデカいベッドがあったぜ」
「念の為、見張りを立てた方が良くね?」
「おい、顔が痛くて仕方ねーだろ、お前。見張ってろよ」

 私が膝蹴りした、仲間殺しに言っているようだ。

「冗談言うな! この借りを返すためにも、俺が一番槍だ!」
「お前、ブエマンを殺しておいて調子に乗るなよ。そもそも、お前は同じレギオンじゃねぇんだからな!」

 コイツら、違うレギオン同士で組んでたのか!

「よせよせ、レギオン戦が終わるまでは仲良くしようぜ」

 サトミ様がコセを特別視する理由、分かった気がする。

 コセが人間なら、コイツらはまさしく獣。

 本能と感情優先で生きる、人間である資格の無いゴミ。

 今まで、同族に対してこんなに殺意が湧いた事は無い!

「へへ、結構デケーよな、コイツの」

 ――右腕の拘束が解かれた瞬間、力尽くで身を捻って肘打ちを首に叩き込み、“殺人鬼の円鋸”で頭を二つに切り裂いてやった。

「チ! お前なんかが、私の胸を触ってんじゃねぇよ!!」

 一瞬だけだったけれど、右胸を揉まれたし!!

「この胸を揉んで良いのは、サトミ様と……全員殺してやる」

 ――“殺人鬼の円鋸”が、青く輝いている?

「文字が……」

 文字が二つ……もう少しで三つ目まで届きそう!

「……あ!」

 もう少しってところで、光が消えてしまった!

「クソ! また一人殺しやがった!」
「このイカレ女!」
「三人も殺しやがって!!」
「よくも仲間を!!」

「なにが仲間。クソみたいなごっこ遊びを続けたいなら――――私に手を出すべきじゃなかったな! “回転”!」

 スキルを使うために距離を取ろうとする隙をつき、回転する“殺人鬼の円鋸”で一人削り殺す。

「もう殺しちまえ! “暗黒転剣術”、ダークネスブーメラン!!」

 武器は弱そうだけれど、コイツのスキルは使えそう。

「ハイパワーブーメラン」

 顔面を潰した男を盾にしてダークネスブーメランをやり過ごし、それを放ってきた奴は私のカウンターでお陀仏。

「装備セット2」

 右手に“瞬馬の騎槍”を握り、一番厄介な刀剣の男を見据える。

「その剣、私にくれるなら今回は見逃してあげる」
「冗談! 俺のお気に入りである“氷蛇の刀剣”を、誰がお前みたいな人でなしなんかに!」

「アンタに人でなしとか言われたくないけれど、本当の人でなしは、逃げた二人のお仲間の方じゃない?」

「なに!?」

 逃げ出したのは本当だけれど、確認している場合じゃねぇだろ。

「が……ぁぁ……」

 円鋸で刀剣を弾き、槍を喉に突き刺した。

「クソ……が」
「それは私のセリフだ。獣人の面汚し」

 六人分の装備やスキル、その他諸々ゲット。


●●●


「“大斧術”、ハイパワースラッシュ!」
「あああッ!! まだ、ゲームオーバーには…………」

 これで四人目。

「メダルは五つ。このペースで集まるなら、屋上付近で皆を待っていた方が良いかな?」

 トゥスカお姉様なら、一人で十枚くらい集めてそう。

 チョイスプレートを消して、角を曲がったところだった。

「ッ!!」

 強い人の気配! 

「……なんだ、ノーザンか。殺気が凄くて焦ったぞ」
「……良かった、メグミさんか」

 僕も、今のは本気で焦った。

「メグミさんも上へ?」
「いや、下の方が危険だと思ってな。メンバーを探しに降りてきたところだ」

 く! さすがメグミさん!

 コセ様の次に龍の民っぽい人!

「それに、転移直前のコセが辛そうだったしな」
「そうなんですか!?」

 コセ様達、ボス戦で手こずったのかな?

「ノーザンにメグミさん、ご主人様を見ませんでしたか!?」

 トゥスカお姉様とクマムが、息を荒げながら現れる!

「コセがどうかしたのか?」
「実は、メルシュとの特訓の成果を試すために、一人でボスと戦ったの。だから、かなり消耗しているはず」

「私は一つ上の階からしらみつぶしに探してから来たが、コセには会っていない」
「私達も上から来たんです」

 メグミさんとクマムの情報を整理すると、コセ様は下に居る可能性が高い?

「この城が何階建てで、ここが何階なのかも分からないから、どう探すべきか……」

「トゥスカとノーザンは、屋上前まで確認に行ってくれ。屋上近くが強い者と遭遇する危険が高いから、Lvの高い二人の方が適任だ」

 メグミさんが提案してくださる。

「クマム、悪いが一緒に来てくれ」
「分かりました!」
「私もそれで良いわ! 行くわよ、ノーザン!」
「はい、トゥスカお姉様!」

 コセ様、どうかご無事で!

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