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ダンジョン・ザ・チョイス

魔神スピリット

151.ニタイカムイ

 ユリカが隠れNPC入手のフラグを立てた翌日、俺達は大樹傍の安全エリアから攻略を再開した。

「“精霊魔法”、ノーム!」

 マクスウェルの隠れNPC、フェルナンダの魔法により、土の小人が次々と魔法陣から飛び出し、グリーンビースト共にミサイルのごとく突撃していく。

「オラオラオラオラ! “常闇とこやみ瞬足”!」

 ザッカルは”レーザーソード”を振るうのが楽しいのか、光剣を手にしたまま新しく手に入れたSランクスキルを使用し、斬り込む。

 全身を暗闇に包みながらの高速移動。

 暗がりで使われたら、まったくと言って良いほど見えないだろうな。

 この薄暗い空の下でも、見失いそうになるくらいだ。

 暫く進むと、また安全エリアの証である乾いた土が見えてくる。

「道が狭くなってるな」

 土の道が消え、落ち葉だらけの狭い並木道が三つに。

 どれも、人が五人すれ違えるかどうかくらい。

○右:森の精霊が住まう場所
 左:森の悪鬼の縄張り
 中:森の迷路

「じゃあ、予定通りに別れよう」

 全員がLv31以上なため、俺達のパーティー最大数は、誰がリーダーでも六人。

 メンバーは二十人のため五人ずつの四パーティーで分けることになるが、現在隠れNPCを持つ者がちょうど四人なので、俺、ジュリー、ユイ、ルイーサの四人は必然的に別パーティーになる。

「じゃあ、私は右へ」

 ジュリーとサキ、ユリカとタマとモモカのパーティーが右へ。
 更にユイとシレイア、サトミさんとリンピョンとメグミさんも右に進む。

「迷路か、どうなるかな」
「あとでね、マスター」

 ルイーサとメルシュ、アヤナとアオイにノーザンが真ん中の迷路へ。

 というわけで、残りの俺とトゥスカ、フェルナンダ、ナオ、ザッカルで左に進むことになる。

「宜しくな、フェルナンダ」
「良いだろう、この我が協力してやる」

 なぜか高圧的なフェルナンダと一緒に、俺達は左の並木道に入っていく。


●●●


「ここからが迷路と言うわけか」
「私が案内するから、ついてきて」

 敵との遭遇を考慮し、深海の盾を指輪から出現させておく。

 デスアーマーの突発クエストで手に入れていた、Sランクの武装指輪。

 女神が描かれた、青い六角形の大きな盾を浮かせながら、先へと進む。

「これ、全然見分けつかないし、予想以上に入り組んでるわね」

 草に覆われた緑の塀は高さ三メートルを超え、迷路内では塀よりも高く飛べないようになっている。

 だからこそ、私がフェルナンダと交代でこのパーティーと一緒に行動しているのだ。

 ワイズマンである私なら、迷路の道順全てが頭に入ってくるからね

「あれ、行き止まりじゃない?」
「わざとだよ。目的はアレ」

 行き止まりの前には草が山になっており、そこにはなんらかのアイテムが埋もれている。

「ウィンドカノン」

 風魔法で木の葉を吹き飛ばすと、小さな宝箱が出て来た。

「なにが入ってるのかな~」

 アオイが回収し、さっそく宝箱を開ける。

 入っていたのは、ただの巾着袋。

○150000G手に入れました。

「お、結構貰える」
「街ではお金が掛かることが多いから、その手前ではお金を手に入れやすいようになってるって、ジュリーが言ってたよ」

 次はいよいよ、第九ステージ。

 積極的に仲間を集めておかないと、水上都市に着いてから頭数を揃えないといけない。出来なければ、お金で奴隷を買って十五人。更に、パーティーリーダーを三人用意しなきゃいけないからね。

「もしかしたら、カジノがあったりして!」

 アヤナの目が金貨に見える……気がする。

 実際あるけれど、私にはまだ分からないってことにしておかなきゃならないから、黙ってよ。

「こんな感じで、行き止まりには中身ランダムの宝箱が必ず落ちてるから、途中途中で脱出ルートから外れて、効率的に全部回るからね」
「へー……」
「分かった」
「うん……了解」

 アヤナ以外はやる気を示してくれる。

 効率的に回るために私はフェルナンダと交代したわけだけれど、私自身でルイーサを見定めてみたいって言うのもあったのよね。

「皆さん、モンスターです」

 一番後ろで警戒して貰っていた、ノーザンからの報告。

「こんな狭い場所で? 冗談キツいわね」
「前か後ろからしか来ないから、むしろ楽なくらいだよ」

 コセ達の左に比べたらね。


●●●


『グルルルルルルルルル』

 左の道を進んで数分後、開けた場所に出たと思ったら、中心に蔦や木片で構成された四つ足の獣が鎮座していた。

「あれが、森の悪鬼……ニタイカムイ」

 こちらに気付いて立ち上がる。

「ご主人様」
「全員、ソーマを」

 青い水を一口のみ、一時的にTP・MPの回復速度を上げておく。

 昨日のユリカの話しから、敵がたびたび強化されている可能性が出て来たため、油断なく備える。

『グルルルルルラアアアアアアアアアッッッ!!』

 準備を終えて数歩踏み出すと、無数の蔦を生やして攻撃してきた!

「”神代の盾”」

 文字を三つ刻み、青い光を”サムシンググレートソード”に纏わせ、蔦を弾き返す。

 形状が変化した際に備わった、“サムシンググレートソード”の新しい能力!

 神代文字を、剣に刻んでいる間だけ使用可能な力。

「“精霊魔法”、シルフ!」

 フェルナンダが、緑の風の少女を作り出し、突撃させた。

「「ホロケウカムイ」」
「“氷炎魔法”、アイスフレイムカノン!!」

 シルフが風の弾丸をぶつけて釘付けにしているところにナオの魔法が当たり、そこに青い気炎を纏ったトゥスカとザッカルが、武器を手に接近。

『ガオオオオオオオオオオオオッッッッ!!』

 森の悪鬼が凍って動きを止めたのは一瞬。

 すぐに氷を破って後退するニタイカムイ。

「“魔力砲”!」
「“常闇瞬足”!」

 トゥスカが放った光をニタイカムイが横飛びで避けたところにザッカルが接近し、右前足ごと胴を切り裂く。

 だが、すぐにバキバキという音を立てながら身体を再生させ始める!

「“跳躍”、“逢魔転剣術”――オミナスブーメラン!!」

 トゥスカが“荒野の黄昏の目覚め”を上空から放ち、身体の中心地からバラバラに吹き飛ばす!

「やった?」
「まだだ」

 散らばった木片から青い光が発生していないため、ナオを窘める。

 油断なく注視していると、ニタイカムイの身体のパーツが集まり出す!

「シルフ!!」

 風の少女から竜巻が発生し、あっという間に再生しかけていたニタイカムイの動きを止めた!

「マスター! 竜巻の上から行け!」

 マスターに向かって命令口調。

 そういう設定なんだろうけれど!

「夜鷹!」
 
 四メートルはある翼が夜空のように煌めく黒い鷹を、“夜鷹の指輪”から呼びだす!

 夜鷹が俺の肩を掴み、上空へと舞い上がる!

 ……ちょっと怖い。練習したけれど、まだ馴れないな。

『クエー!』

 俺のイメージ通りに竜巻の上へと運び、頭から落としてくれる夜鷹。

「“神代の剣”!」

 刃部分に、神代の盾と同じ光を纏わせる!

『ガオオオオオオオッッ!!』

 先端が杭となった木の枝が、複数襲ってきた!

「ハアッ!」

 TPを注ぎ、六文字へ。

 六文字刻んだ影響で、”神代の剣”が巨大化する!

 ユイとの特訓のおかげか、奔流に吞まれそうになる感覚を律する感覚が分かってきた。

 神代の刃に杭の枝は弾け飛び――俺の剣が、ニタイカムイを貫いた。

「ハイパワーブレイク!」

 内側から衝撃を叩き込み、爆散。

「おっと」

 なんとか着地できた。

○ニタイカムイを倒しました。

○特別報酬を以下から一つ、パーティーリーダーである貴方がお選びください。

★”ニタイカムイ”のサブ職業
★“再生のスキルカード”
★“魔法獣のスキルカード”

 予定通り、まずはニタイカムイを選択した。

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