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ダンジョン・ザ・チョイス

魔神スピリット

118.荒ぶる戦士

「トゥスカ!! ルイーサ!!」

 突如巨大ネズミが襲って来たため、応戦。

 その後、二人を探すために洞窟内に四人で侵入し、ネズミ共を斬り伏せていく!

「アイツ……壁や天井ごと斬ってるよ」

 神代文字を刻み、“強者のグレートソード”を無理矢理振るっていると、アヤナの声が聞こえてくる。

「援護しようか?」
「派手な攻撃はダメだ! 二人を巻き添えにするかもしれない!」

 パーティーが解除されていない以上、二人ともまだ生きているはず。

 二人が見付かるまでは、神代文字を使って武器の威力を上げられる俺以外まともに戦えない。

 斬るたびに鮮血が舞い、肌を濡らして鉄臭さを鼻に届けては、光りと共に消えていく。

「マスター、突発クエストを終わらせないと次のステージに進めないし、このまま狩尽くすってのはどう?」
「トゥスカ達が見付かったらな!」

 二人はどこに居るんだ!
 ……余裕が無くなってるな。冷静にならないと。

「アヤナ、アオイ、さっきの階段まで戻って、ジュリー達にこの事をすぐに伝えてくれ」

「コセはどうするの?」

「二人を探しに、奥へ行く! 行くぞ、メルシュ!」
「オッケー、マスター!」


            ★


「ハアハア、ハアハア」

 疲労と時間の経過により、少し冷静になってきた。

「結構奥まで来たけれど、二人とも居ないね」

 ピンピンしてるな、メルシュ。

 メルシュだって、指輪の武器を振るって応戦しているのに。

 奥に巨大な縦長の空洞が見える。

「クエストの最初は、一匹だけだったんだよな? 今は何匹くらい居るんだ?」

「クエスト発生から五十二日目だから、本来は…………知らない方が良いよ」
「天文学的数字になるのは察しがつくけれど、実際の数はもっと低いんだろう?」

 三日目辺りに一匹殺しているだけで、十八兆匹くらいは違うはず……多分!

「マスターが頑張って二千くらい減らしたから、あと五十五兆匹くらい」
「……俺の努力、焼け石に水よりも効果が無い」

 これ、放って置いたら明日には倍になるんだよな?

 五十五兆匹だけって事は、誰かが頑張ったって事だろうけれど。

「メルシュ……もしかして、もう詰んでる?」
「そうだね」
「そうだねって……」

 接近して来たネズミ二匹を、一刀の元に斬り伏せる。

「諦めちゃう?」
「そうだな」

 あまりに絶望的過ぎる。

「じゃあ、最後に私とエッチしちゃう?」

 ――ちょっと、神代文字が消え掛けた。

 少女っぽい容姿ではあるが、出るところは出ているメルシュ。

 あまりそういう対象として見てはいなかったのに、意識してしまった。

「俺は、無理でも最後まで足掻く主義だ」

 そうすれば、思いがけず活路が開ける事があると知っているから。

「本当の絶望はしないか……じゃあ、私が特別に秘策を授けてあげる。一旦皆と合流しよう」
「でも、トゥスカ達が」
「これだけ捜しても会えないって事は、洞窟の外に逃げたんだよ。パーティーに二人の名前がは残ってるし、このネズミ達は人間を巣に連れ帰るなんてしないしね」

 ……信じるしかないか。

 縦長の空洞の奥に、途轍もない数のネズミ達が蠢いている。

 一匹一匹が俺より大きいのに、その数は計り知れない。

「そうと分かれば、一発デカいのをぶち込んでやる」

 “シュバルツ・フェー”を取り出し、“黒精霊”を発動。

「”古代竜魔法”、ドラゴノヴァ」

 俺の全MPによって生み出された赤い竜気の暴威が、黒銀の大剣に吸い込まれていく。

 “壁歩き”で空洞内の横壁に足裏を張り付け、“シュバルツ・フェー”と“強者のグレートソード”を振りかぶる。


「“二刀流剣術”――クロスブレイカー!!」


 神代文字の光と、誇り高き竜の力が溶け合い、理不尽な力へと昇華した十字の斬撃が、ネズミ群の中へと落ちていく!

「マスター、私の後ろへ!」

 急いで横穴に戻り、メルシュの背後に隠れる!

「“衝撃魔法”、インパクトアウト!!」

 一瞬遅れて、予想を遥かに超える衝撃が発生し、洞窟全体を揺らした。

 衝撃から魔法で助けてくれたメルシュ。

「マスター……怒って良いかな?」
「ごめんなさい」

 メルシュの魔法が無かったら、空洞から溢れ出た衝撃に襲われて死んでいたかもしれない。

「メルシュ、MPが底をついた上に神代文字をずっと使っていたから……もうキツい」

「フー、仕方のないマスターですね~♡」

 急に顎を撫でられたかと思えば、座り込んでいた俺をダイヤモンドの巨腕で掴み上げる?

「じゃあ、急いで戻りますよ。フライ!」

 ”飛行魔法”を使い、メルシュは猛スピードで引き返していった。


●●●


「なんだこりゃ……」

 揺れが起きた後、家を飛び出したザッカルが時計台のような装置の傍へと駆けていった。

「なんですか、これは?」

「これは町のアチコチに置かれた奴で、ネズミ共の数や町の崩壊率が分かるようになってるんだが……ネズミが五十五兆から五十三兆台にまで減っていやがる!!?」

 説明しながら興奮していくザッカル。

「あ、でも町の耐久率が今朝の三十二パーセントから二十八パーセントまで減っちまってる。なんでだ?」

 きっと、さっきの揺れが原因でしょうね。

「多分、私の仲間がやったのでしょう。心配しているでしょうから、合流しようと思います」

 私が戻らないから、ご主人様が無茶をしたのかも。

「そうだな、行こう」

「待て!」

 ルイーサと二人で来た道を戻ろうとすると、ザッカルに止められた。

「俺も行く」


            ★


 下り階段に近付くと、メルシュがご主人様を抱えて飛んできた!

「あ、トゥスカがいた。良かったー」

 メルシュがご主人様を降ろすと、ユリカがタマを、ジュリーがモモカ、サトミがリンピョン、ナオがノーザンを抱えて飛んできた。

「無事か、トゥスカ!」
「はい、ご主人様」

 凄く久し振りに会った気分♪

 自然と抱擁してしまう私達。

 そんなに、私の事を心配してくれてたんだ♡

「なんだか、ご主人様の方がボロボロですね」
「ちょっと無茶をした。でも、ネズミの数は結構減らしたはずだ」
「はい、五十五兆から五十三兆代まで減っていましたよ」

 さすが、私のご主人様です♡

「アンタが、この女の旦那か」

 ザッカルが、おもむろに私達に近付いてくる。


 私が警戒心を上げた瞬間――――ザッカルが土下座した!!?


「頼む! 俺に力を貸してくれ!!」

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