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ダンジョン・ザ・チョイス

魔神スピリット

115.勇敢なる竜姫

「私達……なにもする事無かったわね」
「だね」

 アヤナの言葉に同意するアオイ。

 あっという間に第六ステージのボス、魔神・鞭蛇が倒された。

 三人それぞれの、優れた判断力から生み出されたコンビネーション故の結果。

○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。

★鞭蛇の蛇鞭 ★絡め取りのスキルカード
★激鞭使いのスキルカード ★大蛇の石柱の指輪


 本当に勝ったんだな。

「メルシュ、本当に好きなのを選んで良いのか?」
「鞭や拘束系の武器を使う者はサキしか居ないし、唯一鞭と関係無い指輪もあんまり意味無いからなー」

 コセとメルシュの会話。

「特に無いのであれば、高値で売れるのを選んだらどうだ?」

 何気なく提案してみた。

「それだと指輪かな。私はジュリーに、指輪を選んで譲って欲しいって頼まれてるけど」
「使い道があるのか?」
「まあ、使い方次第かな?」

 隠れNPCとかいうメルシュは、あまり有用性を認識していないか。

 細かい仕様が分からないと、私にはなんとも言えない。

「“激鞭使いのスキルカード“って、”激鞭術”以外のスキルは手に入らないのか?」
「そうか、大剣使いのスキルカードからは”片手持ち”も手に入った」

 メインではなくサブの方が意外に役立つかもしれない!

 大したことないと思っていた物が実はもの凄い結果を生むというのは、ジャパンゲームの定番!!

 他の国のデジタルゲームなんてやったことないけれど!

「”鞭打ち“って言う、同じ相手に連続で当てると威力を上げていく鞭系専用しか無いよ」
 
「なら、大人しく指輪にしておくか」

 コセは指輪か。

 私が指輪を選べば、コセとお揃…………い。

 落ち着け! 落ち着け落ち着け落ち着け、ルイーサ! キスしたからって、意識し過ぎだろ…………そうだった! 私、コセとキスしたんだった!!

「ルイーサ、大丈夫か?」
「だ、大丈夫! 大丈夫だから!! それ以上近付く……な…………あ」

 “激鞭術のスキルカード“…………押してしまった。

「私、鞭使ってみたい! “鞭蛇の蛇鞭“を選ぶから、アヤナは絡め取りを選んで」
「ありがとう……アオイ」

 私のミスを帳消しにしてくれて。

「俺達は指輪で良いか、トゥスカ?」
「はい、問題ありません」

 コセ達は、三人とも指輪を選択したようだ。

○これより、第七ステージの石階段の町に転移します。

 そうして、私達は次のステージへと進んだ。


●●●


 待ちぼうけをくらっていた私達十二人は、二つのパーティーに分かれていた。

 サトミさんとユイのパーティーと、私とユリカのパーティーに。

 ちなみに、私のパーティーリーダーはノーザン。

 理由は、六人でパーティーを組めるのがLv31になってからだからだ。

 前回の突発クエストで一人もレプティリアンを倒していない私のパーティーメンバーは、Lvが31に達していない。

 そもそも、この時点での推奨Lvは27だし。

 オリジナルと違って、一撃食らうだけでも危ないから高いに超した事は無いけれど。

「あ、終わったみたいね。じゃあ、先に行くわね、ジュリー」
「気をつけて」

 ユイをリーダーに、サトミさん達六人がボス部屋へ。

「モフモフ、モフモフ♪」
「ニャー、ニャー♪」

 モモカがタマの猫耳を弄りながら、二人で楽しんでいた。
 タマ、気持ち良さそう。

 私にも獣耳があれば!

「モモカ、これ上げる」

 ユリカがモモカに、ピンクの花の髪飾りを差し出す!?

「綺麗!!」
「“コスモスの花の髪飾り“だってさ」

 そんなアイテム、私知らない!

「それ、どうしたの?」
「昨日……道から左に外れたら宝箱があって、その中にあったのよ。メルシュの話しだと、男から攻撃された場合ダメージを少し減らしてくれるらしいわ」

 宝箱は知ってたけれど、そんなに良いアイテムが手に入るなんて。

「良いの、モモカに渡してしまって?」
「私達三人はこういう女の子向けって感じの苦手だし、モモカに似合いそうだなって」

 私も、確かに抵抗がある。

「ありがとう、ユリカ!」
「似合ってるわよ、モモカ」

 “コスモスの花の髪飾り“を装備したモモカ、めっちゃ可愛い♡

 くっ!! 私も、モモカになにかプレゼントしたい!

「あれ、もう終わった」

 ノーザンの声にボス部屋への扉を見ると、扉から光が消えていた。

 六人全員がLv30越えな上に、スキルも
装備も本来より充実している。

 クエストとLvアップ選択で竜属性のスキルが充実していたはずだし、メグミさんとユイが中心になって攻めると言っていたから当然か。

「行こう」

 モモカ、サキ、ユリカ、タマ、ノーザンの六人とサタちゃん一頭で、魔神・鞭蛇に挑む。


            ★


「ドラゴンブレス!」

 開幕早々、モモカが柱ごと魔神に大ダメージを与えた!!

『キシャアアアアアアッッッ!!!』

 早くも、両腕の蛇の口から小さい蛇を吐き出してくる!

 小さいと言っても、一匹一匹の大きさは私達くらいある大蛇。

「「”氷炎魔法”、アイスフレイム!」」

 ユリカと共に、弱点である氷属性の広範囲魔法で蛇を減らしていく。

 この蛇達は耐久力が高いため、出て来られると攻略難易度が跳ね上がる。

 氷系特化の魔法使いであるナオがこっちに居れば簡単に対処出来たのだけれど、気付いたら戦士に偏っていた。

 本体の弱点属性ばかりに気を取られたか。

「次を出される前に決めるぞ!」

 そう言い、私は前に出る。

 左腕の”轟雷龍の剣甲手“の刃を稼動させ、すれ違いざまに残っていた蛇の首を切り跳ねていく。

 すると、別の柱に飛び移って腕の大蛇を鞭のようにぶつけてくる魔神。

「ジュリーさん!」

 ノーザンが私と並走し、鞭の狙いを分散してくれる。

「”騎槍術”、ハイパワーランス!」

 タマが槍で上空を飛び、槍ごと魔神にぶつかっていき、柱から落とした!

「”避雷針”、“雷光“」

 左腕の甲手の効果で、“避雷針の魔光剣”を強化。

 “雷光“は雷、光属性であるため、私の光強化と雷強化スキル両方が適用される。

「”狂血剣術”、ブラッドスラッシュ!!」
「”深淵斧術”、アビススラッシュ!!」

 落ちてきたところに、ノーザンと二人で攻撃を決めた!

『キシャアアアアアアァァァッッッ!!』

 まだ倒せない!

 距離を取られてすぐに、鞭蛇はその腕を柱に巻き付け、無理矢理持ち上げる!

「まずい!」

 鞭蛇が使う技で、もっとも強力なパターン!!

「”塵壊爪“!!」

 ユリカが私達の前に出て、飛んできた柱を切断と同時に塵に変えた!

「“鞭打ち強化“!」

 サキの鞭を振るう音が響くと、サタちゃんが魔神に向かって突撃!

「って! モモカ!!?」

 サタちゃの背に、可愛らしいピンクドレス姿の少女が!!

「クアアアアア!!」
「オミナスグレイブズ!!」

 サタちゃんが体当たりするのと、タマが上から“魔術師殺しの槍“で頭を貫くのは同時だった。


「“竜爪術“、ドラゴンスラッシュ!!」


 モモカが、クエスト報酬で選んだ“ドラゴンキラー“でスキルを発動。

 光厳の煌めきと衝撃が巻き起こると、魔神・鞭蛇は倒れ、光に変わっていった。

「おっしゃーーー!!」

 無邪気に喜んでいるモモカを、もうあんな危険な真似するなと叱りたいところだけれど、この先攻略を進めていくのなら、あれぐらいでちょうど良いのかもしれない。

 子育てって難しい。

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