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ダンジョン・ザ・チョイス

魔神スピリット

102.ネガティブの形

「無事?」

 ノーザンと共に、メグミ達の援護に駆け付けた私は、サトミと一緒に”光線魔法”で竜にトドメをさした。

「私は大丈夫だ。それよりリンピョンを」

 メグミが肩を押さえながら、ヨロヨロと歩いてくる。

「ノーザン!」
「兎女は無事です!」

 瓦礫をどけて、ノーザンがリンピョンをお姫様抱っこ。こちらに向かって歩いてくる。

 小柄なノーザンが逞しい!

「ありがとう、メルシュちゃん。助かったわ」
「いえいえ」

 前世がレプティリアンの女を、警戒して探していたから。とは言えないよね~。

「アヤは?」

 ショートボブの子が居ない。

「アヤは……今は戦える状態じゃない」

 メグミとサトミの顔が暗くなる。

 ふーん、生きてはいるんだ。

「メルシュ」

 ノーザンが連れて来たリンピョンは、頭皮が一部無くなっていた。

「レストレイション」

 部位欠損の再生魔法を使いながら、メグミに対してどう探りを入れるか考える。

 下手にこっちから喋ると、むしろ情報を与える事になるからなー。

 無理矢理聞き出すのは、出来る限り避けるべきだし。

 安全に探りを入れるなら、あの手が一番かな。

 コセマスターとくっ付ける!


●●●


 コセ達を援護するため、私達四人は村の中心部に向かっていた。

 戦闘が繰り広げられていると思われる場所は、爆発地点からして二カ所。

 そのため、ユイとシレイアには私達が向かっているのとは別の方に行ってもらった。

『アハハハハハ、見ーつけた~~!!』

 粘つくような女の声が獣の唸り声のごとく響くと、木造の建物を破壊し、恐竜に似たモンスターが現れる。

『女ばっかじゃ~~ん。男を痛ぶるのが好きなのに~』

 さっきの空飛ぶドラゴン程じゃないけれど、コイツも大きい。

 ユイ達と別れたのはまずかったかもしれない。
 二人とも戦士だから、巨体のモンスター相手じゃ戦いづらいだろうし。

「ジュリー様、さっさと片付けましょう!」
「ええ!」

 タマの勇ましい言葉に、大いに賛成する。

『さっさと死にな、ノルディック! ガアッ!?』

 女恐竜が尻尾による薙ぎ払いを繰り出そうととした瞬間、いきなり現れた巨大な顎に頭を食い千切られた!?

 ムチャムチャという咀嚼音と翼の羽音を響かせ、目の前に巨大なドラゴンが降り立つ。

 コイツ、自分の仲間を……人間を食ってるのか!?

「わわわわわわわわわ!! マスター、逃げようよ~!」

 サキがうるさい!

『さっきの礼をさせてもらおうか、ノルディックの雌共!』

「お前、さっきのドラゴンか!」

 大きくなっただけでなく、体表が黄土色から赤黒くなり、石のような突起物が身体のあちこちから生えている。

 体長十メートルはありそう。

『死ね!』
「フライ!」

 前脚を振り下ろしてきたため、サキを抱えて滑空飛行!

『小癪な!』

 大きくなったからか、反応が鈍い気がする。

「”逢魔槍術”、オミナススピアー!」
『なに!?』

 タマの”魔術師殺しの槍”が、右太股に深々と刺さった!

「”紅蓮円輪”、クリムゾンブラスター!」

 ユリカが放った紅蓮魔法が、”紅蓮円輪”によって強化され、ドラゴンの左指二本を蒸発させる!

「噓でしょ! 全然ダメージが通らない!」

 しかも、傷口が泡立って再生していく。

 確か、”消毒再生”のスキル。

 再生力が高いスキルじゃないけれど、殺傷による毒などの状態異常を防げる、地味に役立つスキル。

 先に進めば進むほど、モンスターが状態異常効果のある武器を使ってくるから、地味に良いスキル。

 更に、向こうがモンスターと同じ能力値になっている場合、再生力の高さはプレーヤーより遥かに高い。

『痛いだろうが!』
「お前! なぜ仲間を食い殺した!」

 同胞を殺されたことに、怒りを燃やしていたはずなのに!

『光の玉を食らえば、どこまでも強くなれる! 同胞を殺せばLvも上がるし、光の玉を取られる心配も無くなる。当然の帰結だろう!』

 それは、自分さえ良ければそれで良いという事だぞ!

「野蛮人が!!」

 同じ言語を口にしていても、コイツらの在り方は人間じゃない!

『ノルディックの分際で、俺を侮蔑するなど許されない!』

 狙いが私に向いた!

「わわわわわわわわわ! 助けて、サタちゃーん!!」

『グラアアアアアアアアアアアアアア!!』

 幼竜改め、サタンドレイクの成体? となった紫髪持つ黒竜が、レプティリアンドラゴンより一回り小さい身体で体当たり! 野蛮人ドラゴンをぶっ飛ばす!

『な、なんだ、お前は!』
『グワアアアアアアアアアアアアアア!!』

 ていうか、立派な角や翼まで生えちゃってるよ、サタちゃん。


●●●


「ハアハア、クソ! アイツら、強くなりすぎ!」
「おかげで、めっちゃLv上がった」

 アヤナが愚痴り、アオイは少々上機嫌のようだ。

 新たに遭遇したレプティリアンをなんとか倒し、私達四人は失った体力とTP、MPの回復に努めていた。

「……なんだ……アレ」


 ――遠くに巨大な竜人が現れ、翼を羽ばたかせる!!


「うっ!!」
「ここまで風が!」

 竜人が飛び上がり、爆発が起きている方向へ。
 竜人が現れた場所、レプティリアンのアジトの辺りでは?

「アレ……ヤバいんじゃないの?」

 アヤナの言葉の意味を、身体を構成する細胞一つ一つが認識していた。

「勝てるのか……あんなのに……」

 答えは、誰からも貰えない。

『あのお姿は、きっとモモカ様だわ』
「誰!」

 ナオが杖を向けるも、声の主は動かない。

 異様に巨大な爪を生やした、全長三メートル程の二足歩行の竜人が、巨大竜人に畏敬の念を向けているようだった。

「レプティリアンね!」
『お前らは”乙女騎士団”でしょう。何ヶ月もちょこまかと逃げて。どうしたらそんな泥臭い生き方が出来るのか、優雅な私には全然理解出来ないわ!』

 女レプティリアンが攻撃態勢に!

「ハイパワーウィップブレイド!」

『がッ!!?』

 女レプティリアンの首に、しなる光が入った!?

「――紫電」
『誰……だ……』

 攻撃してきた者を探そうとして間もなく、女レプティリアンの脇を何かが駆け抜け――胴を薙いだ?

『こんな……事って……』

 胴がズレると鮮血を撒き散らし、女レプティリアンは光に還った。

「無事かい?」

 褐色肌のエロい女が声を掛けてくる。

「助かったわ、ユイ、シレイア」

 ナオが気軽に返事。

 もう一人の女剣豪は、なんて事ないと言いたげな涼しい顔で歩いてくる。

「この辺……もう居ないみたい。シレイアさん、あのおっきいのの方に行こう。生ハーレムの人が居るはず」

 こともなげに、あの巨大竜人に挑もうとする女剣豪!

「ジャパニーズ侍は……女も命知らずか」

「ルイーサ、あんた本当に日本生まれ?」

 アヤナが、これまでに何度も私に向けてきた疑いの目を!?

 日本生まれの日本育ちなのに!!

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