【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

第47話 お披露目会Ⅱ

 私はアリッサ。
 冒険者ギルドの仕事が終わり、みんなを連れてエリアス君の家に向かっている。
 歩いているのは私の他に同じ受付のコルネール。
 そしてDランクパーティ『餓狼猫のミーニャ』の3人組。

「エリアス君の家に、こんなに押しかけて良いのかな?」
「えぇ、そうね。私達だけでも5人も居るものね」
「きっと、家の中でギュウギュウよ」
「それ、いいかも?」
「何言ってるのよ、エメリナは?!」
『餓狼猫のミーニャ』の3人組はのんきに話している。
 彼女達のように思うのが普通だ。

 城門の中は面積に限りがあり土地が高い。
 まして家付きとなれば、夢のまた夢だ。

 安く済ますには老朽化した家を、時間をかけ修繕しながら住むことだ。 
 古い家は取り壊しにお金が掛かり、立て替えて売ると売値も高くなる。
 だから誰も買わない様な、古い建物なら安く買える。
 しかも何年も手入れがされていない土地は、雑草に覆われ草刈りから始まる。
 そんな家は誰も欲しがらないので、相場より安く買える。

  物件は主に商業ギルドが斡旋している。
 今はお金が無い、しかし分割なら返済できる。
 そんな人を見つけ荒れ果てた物件を売る。
 改築も仲介しており、分割で家を改築させる。
 万が一支払いが出来なくなれば、安く叩き誰かにまた売る。
 そうして古い物件を転がしていくのが城内の常だ。

『なごみ亭』を通り過ぎ、更に奥の道を進む。
 すると3mはある高い塀が見えて来た。 
 立派な大きな宮殿の様な豪邸が塀越しに見える。
 

「すっごい?!なにここ!!」
「きっと公爵様かなにかの別邸よ」
「こんな家に住んでいる人とは、一生縁はないよね」
「ほんと、住んでいる世界が違うわよ」
『餓狼猫のミーニャ』の3人が、また騒いでいる。

 トンッ!!トンッ!!
 私は門に付いているドアノッカーを叩く!!

「何をしているのよアリッサ?!」
 コルネールが驚いて変な声を上げている。

 ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
  ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!

 石畳を誰かがこちらにい向って歩いてくる音がする。
 門から家の間は砂利よりも大粒で、わざと大きな足音が出るように加工された『防犯砂利』が敷いている。
 人が歩くと大きな音がするので、誰かが来たら石を踏む音がして必ず分かる。
 良い防犯防犯対策になっていると私は思った。

 ギィ~~!!
 2mはある、片側の門が開いた。
「いらっしゃい、みなさん!!」
「早かったかしら?」
「いいえ、そんなことありませんよ。さぁ、中へどうぞ!!」
「「「「 エ、エリアス君?!! 」」」」
 何も知らない4人が驚いた顔をしている。
 
 私も事前に知らなければ驚いたろう。
 まるで公爵が暮らすレベルの建物。
 そして屋敷の中に入れば更にわかるわ。
 これは贅を尽くした屋敷だと言う事を。

 エリアス君に案内され、入り口から屋敷に向かう。
 みんな呆然としている。
 いつもは落ち着ているコルネールでさえそうだ。 

 見たことも無いような作りの3階建ての建物。
 こんなデザインの建物は、今まで見たことが無い。
 しかもお屋敷レベルではなく、もう宮殿と呼んでもいいだろう。


 外から見ると各部屋の窓は、1階から3階までガラスになっている。
 
 そして屋敷の中に入る。
 正面は大きな階段があり、左右はホールになっている。
 舞踏会を開くことができるほどの広さだ。

「いらっしゃい。よく来たな」
 家の中で待っていた、オルガさんと挨拶をする。

「さあ、どうぞみなさん」
 エリアス君に促され、私達は広いホールに向かう。
 


 そこには20人は座れる長テーブルがあった。
「どうぞお座りください」
 エリアス君に席を勧められる。
 そのテーブルは明るい色をしており、所々ある木の木目がとても綺麗だった。

「あのエリアス君、このテーブルは素敵ね」
「ありがとうございます。このテーブルはオーク材を使っていて、木目は虎の毛並みに似た虎斑とらふが出ているのを選びました」
「わざわざエリアスが、私に合わせて作ってくれたんだ」
「まあ、オルガ姐さんは虎猫トラ族。体の虎模様に合わせて、家具を作ってもらえて。なんて素敵なことでしょう」
『餓狼猫のミーニャ』のシュゼットさんが、羨ましそうに目を光らせる。

「愛されているんですね。オルガ姐さんは」
 更にマルガさんが、追い打ちをかける。

「あ、あい、あい、」
 お猿さんだよ?
 どうしてこの世界の人が『アイアイ』を知っているんだ?
 オルガさんは両手を頬に当てながら、顔を赤くしている。

「あ、愛されているなんて、そんな~」
 なんだ、違った。

「みなさん、これからアバンス商会のアイザックさんと、商業ギルドの方も来てくれます。余り遅くなるようなら先に始めたいと思います」

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