【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
第26話 指名依頼
「それはマジック・バッグでしょうか!!」
か、顔がとても近い。
「そうですが、すみません。もう少し離れて頂くと」
「これは申し訳ありませんでした。つい、興奮してしまって」
「マジック・バッグは、珍しいものではないはずですけど?」
「はい、高価ですが珍しいものではありません。商人なら誰でも欲しがるものです」
良かった、認識が合ってて。
「つかぬことを伺いますが、どのくらいの量が入りますか?」
あれ?普通はどのくらい入るんだろう?
少なかったらマジック・バッグの意味がないよね。
このお店の中の広さが12畳くらいだから、そのくらいに言っておこうかな。
「そうですね、このお店の中くらいの量しか入りませんね」
「な、なんですと!!」
近い、近い、近いよ~!
「何をやっているんだ!」
オルガさんが店員さんとの間に入り、両手を広げ俺を定員さんから離してくれた。
「す、すいません。つい興奮してしまって」
「な、なんだと!」
オルガさんは俺を、かばうように背中に隠した。
「い、いえ。そう言う意味ではなく。た、確かにお客様は美少年ですが、私にはその趣味は…」
「では、どう言うことなんだ?」
「マジック・バッグの容量が、この店くらいあると伺いまして」
「な、なんだエリアス君。そんなことを言ったら、誰でも驚くだろう」
俺が不思議そうな顔をしていると、定員さんが説明してくれた。
マジック・バッグは古代遺跡から発掘されるものだ。
出回っているマジック・バッグは40cm四方の容量が多く、貴重品やお金を入れておくのに使われる。
1m四方の容量になると発掘が少なくあり高額になる。
そして馬車1台分くらいになると、更に少なくなりオークションに掛ければ一生遊んでもまだ余るほどの金額になると言う。
まして店舗規模の容量など聞いたことがないと。
良かった。
定員さんがBLじゃなくて。
そしたらこの店に、もう来れなかったよ。
「エリアスは世間知らずだからな。このオルガ様が、側に付いていないと駄目だな」
オルガさん、いつの間にか俺の事を呼捨てですよ。
「間違っていたらすみません。もしかしたら獅星龍のオルガ様でしょうか?」
「あぁ、私はオルガだ。よく知っているな」
「もちろんです。このアレン領では数少ない、Aランク冒険者様ですからな」
「そんなに少ないのですか」
「エリアス君、冒険者はSから始まりA、B、Cとあるけど、Sランクは今は誰もいないのよ」
「いないんですか」
「そうよ。Sランクは勇者の様な転生者レベルだし。そして王都にいけば別だけど、片田舎のアレン領ではCランクが大半なのよ」
「オルガさんて、凄いんですね」
「そうよ。もっと褒めて良いよの」
オルガさんはとても自慢げだ。
「オルガ様、この方も冒険者なのでしょうか?」
定員さんが聞いてくる。
「そうよ、エリアス様は私とパーティーを組んでいるの」
「パーティーをですか!」
「あ、いいえ、でもランクはDですから」
俺は慌てて言い訳をした。
「えっ、ではAとDランクでは…」
「バランスが悪いと言うのね、分かっているわ。でもエリアス君には恩があるし、一緒に居れば冒険者なんてしなくても生活できそうだし。それにこう見えても彼は、生活力があるのよ」
いや~、果物採取と『味元』の事だと思うけど。
「分かりました。ではお2人に冒険者として依頼がございます。いかがでしょうか」
「依頼?」
「はい、申し遅れました。私はこのアバンス商会の会長をしております、アイザックと申します」
「はい?会長さんですか。俺達にどんな依頼を」
「はい、護衛と運送です」
「護衛と運送?」
「毎年、アレン領から王都に仕入れに行くのです。その際に途中の村や町に寄り、アレン領から持参したものを売っていました」
「はあ」
俺は気の無い返事で答える。
「ですがエリアス様のマジック・バッグがあれば、馬車3台分が収納できます。さすがに私も、歩きという訳にはいきませんので馬車は1台になりますが。ですが今までは馬車3台に対して護衛14人は雇っておりました。1台なら5~6人いれば十分でしょう。それにオルガ様がいれば護衛の面でも安心です」
「では経費が今までより安く済む、と言う事ですね」
「そうなります。丁度、冒険者ギルドに依頼を出そうと思っておりまして」
「エリアス君、どうする?金額によるけど、私はかまわないわ」
「俺も受けようと思います。今のうちにお金を貯めて、老後に備えないと」
「時々、オジサンみたいなことを言うのね、エリアス君て」
「あはは。ところで王都までは、どのくらいかかるのでしょうか?」
「そうですね、順調にいけば6日くらいです。途中で売買したり仕入れもあるので、往復で14日見て頂ければ」
「14日ですか、長いですね。それではできれば、俺の知り合いの冒険者パートナーを連れて行ってほしいのですが」
「冒険者パートナーですか」
「えぇ、Dランクパーティーの『赤い翼』と言う3人組です」
「あいつらなら知っている。人間的にも良い奴らだ」
オルガさんも勧めてくれる。
「後はコンラードさんもAランクだと聞きました。一緒だと頼もしいのですが」
「エリアス様、さすがにAランク2人は予算オーバーです。その『赤い翼』と言うパートナーで、冒険者の方は5人になるので十分でしょう」
「分かりました。出発はいつでしょうか」
「1週間後です」
「じゃあ、早めに指名依頼を出しておいてね。あまり安いと受けないわよ」
「もちろんです、オルガ様。報酬は弾みますから」
「じゃあ、待っているわ」
話も済み俺達はアバンス商会を後にした。
か、顔がとても近い。
「そうですが、すみません。もう少し離れて頂くと」
「これは申し訳ありませんでした。つい、興奮してしまって」
「マジック・バッグは、珍しいものではないはずですけど?」
「はい、高価ですが珍しいものではありません。商人なら誰でも欲しがるものです」
良かった、認識が合ってて。
「つかぬことを伺いますが、どのくらいの量が入りますか?」
あれ?普通はどのくらい入るんだろう?
少なかったらマジック・バッグの意味がないよね。
このお店の中の広さが12畳くらいだから、そのくらいに言っておこうかな。
「そうですね、このお店の中くらいの量しか入りませんね」
「な、なんですと!!」
近い、近い、近いよ~!
「何をやっているんだ!」
オルガさんが店員さんとの間に入り、両手を広げ俺を定員さんから離してくれた。
「す、すいません。つい興奮してしまって」
「な、なんだと!」
オルガさんは俺を、かばうように背中に隠した。
「い、いえ。そう言う意味ではなく。た、確かにお客様は美少年ですが、私にはその趣味は…」
「では、どう言うことなんだ?」
「マジック・バッグの容量が、この店くらいあると伺いまして」
「な、なんだエリアス君。そんなことを言ったら、誰でも驚くだろう」
俺が不思議そうな顔をしていると、定員さんが説明してくれた。
マジック・バッグは古代遺跡から発掘されるものだ。
出回っているマジック・バッグは40cm四方の容量が多く、貴重品やお金を入れておくのに使われる。
1m四方の容量になると発掘が少なくあり高額になる。
そして馬車1台分くらいになると、更に少なくなりオークションに掛ければ一生遊んでもまだ余るほどの金額になると言う。
まして店舗規模の容量など聞いたことがないと。
良かった。
定員さんがBLじゃなくて。
そしたらこの店に、もう来れなかったよ。
「エリアスは世間知らずだからな。このオルガ様が、側に付いていないと駄目だな」
オルガさん、いつの間にか俺の事を呼捨てですよ。
「間違っていたらすみません。もしかしたら獅星龍のオルガ様でしょうか?」
「あぁ、私はオルガだ。よく知っているな」
「もちろんです。このアレン領では数少ない、Aランク冒険者様ですからな」
「そんなに少ないのですか」
「エリアス君、冒険者はSから始まりA、B、Cとあるけど、Sランクは今は誰もいないのよ」
「いないんですか」
「そうよ。Sランクは勇者の様な転生者レベルだし。そして王都にいけば別だけど、片田舎のアレン領ではCランクが大半なのよ」
「オルガさんて、凄いんですね」
「そうよ。もっと褒めて良いよの」
オルガさんはとても自慢げだ。
「オルガ様、この方も冒険者なのでしょうか?」
定員さんが聞いてくる。
「そうよ、エリアス様は私とパーティーを組んでいるの」
「パーティーをですか!」
「あ、いいえ、でもランクはDですから」
俺は慌てて言い訳をした。
「えっ、ではAとDランクでは…」
「バランスが悪いと言うのね、分かっているわ。でもエリアス君には恩があるし、一緒に居れば冒険者なんてしなくても生活できそうだし。それにこう見えても彼は、生活力があるのよ」
いや~、果物採取と『味元』の事だと思うけど。
「分かりました。ではお2人に冒険者として依頼がございます。いかがでしょうか」
「依頼?」
「はい、申し遅れました。私はこのアバンス商会の会長をしております、アイザックと申します」
「はい?会長さんですか。俺達にどんな依頼を」
「はい、護衛と運送です」
「護衛と運送?」
「毎年、アレン領から王都に仕入れに行くのです。その際に途中の村や町に寄り、アレン領から持参したものを売っていました」
「はあ」
俺は気の無い返事で答える。
「ですがエリアス様のマジック・バッグがあれば、馬車3台分が収納できます。さすがに私も、歩きという訳にはいきませんので馬車は1台になりますが。ですが今までは馬車3台に対して護衛14人は雇っておりました。1台なら5~6人いれば十分でしょう。それにオルガ様がいれば護衛の面でも安心です」
「では経費が今までより安く済む、と言う事ですね」
「そうなります。丁度、冒険者ギルドに依頼を出そうと思っておりまして」
「エリアス君、どうする?金額によるけど、私はかまわないわ」
「俺も受けようと思います。今のうちにお金を貯めて、老後に備えないと」
「時々、オジサンみたいなことを言うのね、エリアス君て」
「あはは。ところで王都までは、どのくらいかかるのでしょうか?」
「そうですね、順調にいけば6日くらいです。途中で売買したり仕入れもあるので、往復で14日見て頂ければ」
「14日ですか、長いですね。それではできれば、俺の知り合いの冒険者パートナーを連れて行ってほしいのですが」
「冒険者パートナーですか」
「えぇ、Dランクパーティーの『赤い翼』と言う3人組です」
「あいつらなら知っている。人間的にも良い奴らだ」
オルガさんも勧めてくれる。
「後はコンラードさんもAランクだと聞きました。一緒だと頼もしいのですが」
「エリアス様、さすがにAランク2人は予算オーバーです。その『赤い翼』と言うパートナーで、冒険者の方は5人になるので十分でしょう」
「分かりました。出発はいつでしょうか」
「1週間後です」
「じゃあ、早めに指名依頼を出しておいてね。あまり安いと受けないわよ」
「もちろんです、オルガ様。報酬は弾みますから」
「じゃあ、待っているわ」
話も済み俺達はアバンス商会を後にした。
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