【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
第20話 ダシ汁
朝、宿屋で朝食を食べているが相変わらず味気無い。
小さい肉と野菜が入った、味の薄いスープとやや硬いパン。
この世界ではお金のある人は肉を食べ、無い人は野菜を食べる。
肉は高価で富裕層ほど食生活が極端に偏り、病気になる人が多いと言う。
そして調味料は高価で手が届かず、庶民は味気の無い茹で野菜を食べている。
ダシを取るという考えが無いのか?
食を楽しむというより、『食べられれば良い』という食事だ。
調味料の『さしすせそ』といえば、「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」酢、
「せ」醤油、「そ」は味噌。
砂糖、塩、胡椒・香辛料は高いが手に入る。
味噌や酢のことを宿屋のビルさんに聞いてみたが知らないとのこと。
もしかしたら他の国に行けば、あるのかもしれないか。
あと欲しいのはソースかな。
調味料がないと食の革命は起きないからな。
う~ん。何かないかな?
そうだ【スキル・予備知識】発動。
調味料について知らべてみる……?!
ほほぅ~。これは良いかも?
ただ材料があるかだよね。
探してみるか。
「ここら辺て大手の商会て、どこだろう?」
「それはアバンス商会だな」
「アバンス商会ですか」
て、いつのまにかオルガさんが、俺の部屋にいる。
なぜ?
気にしたらいかん。
気にしたら負けだ。
行ってみようかな。
「それなら私も一緒に行こう」
なぜか心の声にオルガさんが答える。
もしかしたらオルガさんは、相手の思考が読める超能力があるのか?
宿屋のビルさんにアバンス商会の場所を聞き、しばらく歩くと店が見えてきた。
アバンス商会はここらで最大手の商会だけあって大きな店だっだ。
従業員らしい人が忙しそうに、荷運びをしており活気を感じる。
店内に入り声をかけた。
「すみませ~ん」
「は~い」と返事がして奥から40代くらいの女性が出てきた。
「小麦粉はありますか?」
「えぇ、ございます。何キロくらいお求めでしょうか?10kg単位での販売となります」
「とりあえず10kgでお願いします」
「他に何かございますか?」
「鰹節はありますか?」と聞き、具体的な詳細を説明した。
「鰹という魚は存じませんが、魚の肉を煮熟し乾燥させた物なら保存食としてございます」
異世界言語が翻訳してくれて助かるよ。
「魚の保存食(鰹節もどき)を5本ください。他にはありません」
「では、すぐにご用意いたしますので」
女性の店員さんはそう言うと奥にいる人に声をかけ、用意をお願いしていた。
その間、店員さんと色々話をした。
俺が欲しい調味料(醤油、味噌)や、米があるか聞いたがやはり無いそうだ。
がっかり、そろそろ米が食べたい。
昆布も聞いてみた。
海の中に生える草のようなもので、海岸に打ち上げられることもあると言ったが、そんな草の様なものを食べる習慣は聞いたことが無いと言われた。
小麦粉10kg、鰹節もどき5本を購入し、支払い済ませ店を後にした。
「エリアス君、そんなもの買ってなにするの?」
オルガさんに聞かれた。
飛び切り美味しいものですよ、と笑ってごまかした。
できれば椎茸も欲しいので、その足で市場に行き干し椎茸を6本購入した。
これで食材が揃った。
オルガさんと一緒に宿に帰えると、アンナちゃんが店番をしていた。
「エリアスお兄ちゃんと、お姉ちゃんお帰り~!」
その時、ふと俺は思うことがあった。
「お父さんを呼んでもらえるかな?」
「ちょっと待ってて。呼んでくる」
しばらくしてビルさんが顔を出した。
「なにかな、エリアス君。呼んでる、て聞いたけど」
俺は少しの間、料理が美味しくなる方法があるので厨房を貸してほしいとお願いした。
丁度、午前のお客が出払った時間だから構わないと言ってくれた。
ビルさんに鍋を用意してもらい生活魔法で水を入れ、沸騰したらナイフを借り鰹節もどきを削り入れる。
ビルさんとオルガさんは『魚の保存食を削って何をしているんだ?』という顔をして見ている。
30秒くらい煮出したら火から下ろし、ザルでダシをこす。
まず俺が味見をしたが美味しい!
鰹の豊かな風味と上品な香りが食をそそる。
ビルさんにも味見をしてもらったが、目を見開き驚いていた。
鰹節にこんな使い方があるなんて思わなかったのだろう。
口に合ってよかった。
オルガさんも『今までに無い味だ』とか絶賛していた。
住む世界が違えば味覚も変わるかもしれないと思っていたからだ。
その後、鰹節もどき(もう鰹節でいいや!)の他に、干し椎茸のダシの取り方も説明した。
このダシを取る作業=素材に含まれる『うま味』を引き出し、ダシのうま味が料理のおいしさを左右する事も説明した。
鰹節や干し椎茸のダシは煮物やスープに合うことを悦明。
野菜を入れた出汁を出したり、合わせて使うと美味しいことを伝えた。
『煮込む』という観念が無いようなので、食品を水の中に入れ水を熱し、中の食品を加熱する調理方法が『煮物』という言い方をする事を説明した。
ビルさんは、『レパートリーが増えた!これで今日から料理が更に旨くなる』と意気込んでいた。
「いいのかい、こんなに貴重な情報を教えてくれて。いくら払えばいいんだい?」
「別にいいですよ、お金なんて入りません。ビルさん達の頑張りを見てたら応援したくなって」
ビルさんは感動し、抱きしめられそうになった。
かわしたけど。
オルガさんに言わせると赤の他人に儲かるかもしれないレシピを、無料で教えるなんて考えられないそうだ。
その代わり鰹節と椎茸のダシを、たくさん取ってストレージに仕舞ったけど。
その晩のスープはダシが出て量もあり、とても美味しかった。
サービスらしい。
ただスープはもう飽きた。
だって毎日、スープとパンだからね。
それにここまでは練習みたいなものだ。本番はこれからさ!!
小さい肉と野菜が入った、味の薄いスープとやや硬いパン。
この世界ではお金のある人は肉を食べ、無い人は野菜を食べる。
肉は高価で富裕層ほど食生活が極端に偏り、病気になる人が多いと言う。
そして調味料は高価で手が届かず、庶民は味気の無い茹で野菜を食べている。
ダシを取るという考えが無いのか?
食を楽しむというより、『食べられれば良い』という食事だ。
調味料の『さしすせそ』といえば、「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」酢、
「せ」醤油、「そ」は味噌。
砂糖、塩、胡椒・香辛料は高いが手に入る。
味噌や酢のことを宿屋のビルさんに聞いてみたが知らないとのこと。
もしかしたら他の国に行けば、あるのかもしれないか。
あと欲しいのはソースかな。
調味料がないと食の革命は起きないからな。
う~ん。何かないかな?
そうだ【スキル・予備知識】発動。
調味料について知らべてみる……?!
ほほぅ~。これは良いかも?
ただ材料があるかだよね。
探してみるか。
「ここら辺て大手の商会て、どこだろう?」
「それはアバンス商会だな」
「アバンス商会ですか」
て、いつのまにかオルガさんが、俺の部屋にいる。
なぜ?
気にしたらいかん。
気にしたら負けだ。
行ってみようかな。
「それなら私も一緒に行こう」
なぜか心の声にオルガさんが答える。
もしかしたらオルガさんは、相手の思考が読める超能力があるのか?
宿屋のビルさんにアバンス商会の場所を聞き、しばらく歩くと店が見えてきた。
アバンス商会はここらで最大手の商会だけあって大きな店だっだ。
従業員らしい人が忙しそうに、荷運びをしており活気を感じる。
店内に入り声をかけた。
「すみませ~ん」
「は~い」と返事がして奥から40代くらいの女性が出てきた。
「小麦粉はありますか?」
「えぇ、ございます。何キロくらいお求めでしょうか?10kg単位での販売となります」
「とりあえず10kgでお願いします」
「他に何かございますか?」
「鰹節はありますか?」と聞き、具体的な詳細を説明した。
「鰹という魚は存じませんが、魚の肉を煮熟し乾燥させた物なら保存食としてございます」
異世界言語が翻訳してくれて助かるよ。
「魚の保存食(鰹節もどき)を5本ください。他にはありません」
「では、すぐにご用意いたしますので」
女性の店員さんはそう言うと奥にいる人に声をかけ、用意をお願いしていた。
その間、店員さんと色々話をした。
俺が欲しい調味料(醤油、味噌)や、米があるか聞いたがやはり無いそうだ。
がっかり、そろそろ米が食べたい。
昆布も聞いてみた。
海の中に生える草のようなもので、海岸に打ち上げられることもあると言ったが、そんな草の様なものを食べる習慣は聞いたことが無いと言われた。
小麦粉10kg、鰹節もどき5本を購入し、支払い済ませ店を後にした。
「エリアス君、そんなもの買ってなにするの?」
オルガさんに聞かれた。
飛び切り美味しいものですよ、と笑ってごまかした。
できれば椎茸も欲しいので、その足で市場に行き干し椎茸を6本購入した。
これで食材が揃った。
オルガさんと一緒に宿に帰えると、アンナちゃんが店番をしていた。
「エリアスお兄ちゃんと、お姉ちゃんお帰り~!」
その時、ふと俺は思うことがあった。
「お父さんを呼んでもらえるかな?」
「ちょっと待ってて。呼んでくる」
しばらくしてビルさんが顔を出した。
「なにかな、エリアス君。呼んでる、て聞いたけど」
俺は少しの間、料理が美味しくなる方法があるので厨房を貸してほしいとお願いした。
丁度、午前のお客が出払った時間だから構わないと言ってくれた。
ビルさんに鍋を用意してもらい生活魔法で水を入れ、沸騰したらナイフを借り鰹節もどきを削り入れる。
ビルさんとオルガさんは『魚の保存食を削って何をしているんだ?』という顔をして見ている。
30秒くらい煮出したら火から下ろし、ザルでダシをこす。
まず俺が味見をしたが美味しい!
鰹の豊かな風味と上品な香りが食をそそる。
ビルさんにも味見をしてもらったが、目を見開き驚いていた。
鰹節にこんな使い方があるなんて思わなかったのだろう。
口に合ってよかった。
オルガさんも『今までに無い味だ』とか絶賛していた。
住む世界が違えば味覚も変わるかもしれないと思っていたからだ。
その後、鰹節もどき(もう鰹節でいいや!)の他に、干し椎茸のダシの取り方も説明した。
このダシを取る作業=素材に含まれる『うま味』を引き出し、ダシのうま味が料理のおいしさを左右する事も説明した。
鰹節や干し椎茸のダシは煮物やスープに合うことを悦明。
野菜を入れた出汁を出したり、合わせて使うと美味しいことを伝えた。
『煮込む』という観念が無いようなので、食品を水の中に入れ水を熱し、中の食品を加熱する調理方法が『煮物』という言い方をする事を説明した。
ビルさんは、『レパートリーが増えた!これで今日から料理が更に旨くなる』と意気込んでいた。
「いいのかい、こんなに貴重な情報を教えてくれて。いくら払えばいいんだい?」
「別にいいですよ、お金なんて入りません。ビルさん達の頑張りを見てたら応援したくなって」
ビルさんは感動し、抱きしめられそうになった。
かわしたけど。
オルガさんに言わせると赤の他人に儲かるかもしれないレシピを、無料で教えるなんて考えられないそうだ。
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