幼馴染依存

kisaragi

5. 勉強会

「2人とも行ってらっしゃーい!」

『いってきます』

今日は勉強会の日。みんなともっと仲良くなれたらいいな。

「美蘭ちゃんおはよー!」

「理沙ちゃんおはよー!今日勉強会よろしくね。」

「うん、がんばろうね!あ、そうだ!どこで勉強する?」

「確かに。後でみんなで相談して決めよ!」

「そうだね!」

勉強頑張ろう。どこで勉強しよう?図書館だと喋れないし、ファミレスだと7人も座れないし…。

「はい、じゃあ、今日はこれで終わり。気をつけて帰れよー。」

ホームルームが終わった後、みんなで相談をする。

「どこで勉強する?」

「人数ちょっと多いから、誰かの家でやった方がいいんじゃね?」

「確かに。誰か家行っていい人?」

「北斗の家は?いいんじゃね??」

「おい、寛太…。」

「え!いいの!!ありがとう!」

「いや、俺何も言ってない…。」

勉強会の場所で迷ってたけど、ほくの家でやることに。ほくは嫌そうだけど、麻美ちゃんに勉強会していいか聞いたら大歓迎だって。笑

「いらっしゃーい!!!」

『お邪魔します』

「美蘭もいらっしゃい。笑」

「お邪魔しまーす。笑」

ほくの家にみんながいるなんて不思議な感覚。

「北斗の部屋久しぶり!」

「結衣と寛太は先月来ただろ。」

ほくの部屋で勉強をすることに。

「じゃあ、やろっか。結衣ちゃん、亮太くん、駿くんは私が教えて、美蘭ちゃんと寛太くんは北斗くんね。」

『はーい』

私はほくに教えてもらうことに。ほくの隣に座る。

「北斗、俺数学全く分かんない。」

「まず、寛太は解き直しして。どこが分かんないのかもう一回確認して。美蘭は、昨日解き直しして、解けるようになったから、それを復習して。」

「はぁーい。」

昨日の復習をする。昨日やったところはちゃっと解けるようになってる!

「ほく、できた!」

「お、できたじゃん。」

ほくが頭を撫でてくれる。嬉しい。

「じゃあ次の問題解説するよ。」

「うん。」

「これは、公式が使えるから、公式を当てはめた後に代入する。」

「…うん。」

「…みぃ、聞いてる?」

ほくの解説を聞いてるんだけど、どんどん眠くなってくる…。寝そう…。

「おい。起きろ。」

「…はい。」

寝るか寝ないかのところでほくに起こされた。眠すぎてぼーっとする。

「っう。」

カシャッ。

「ほくやめて。」

ぼーっとしているとほくに肩を組まれた。何かと思ったら、ほくが手を私の顔に近づけ、ほっぺをムギュっとされた…。そのまま、内カメで写真を撮られた。

「みぃぶっさいく。笑」

「ほく、消して。」

へんな顔で写真を撮られた…。ほくはそれ見て爆笑してる。全然消してくれない。


「北斗くん、俺らも教えてもらっていい?理沙ちゃんが結衣ちゃんに付きっきりで…。」

「あ、いいよ。」

ほくと言い合いをしてると、亮太くんと駿くんが。理沙ちゃんが結衣に付きっきりで教えてるみたい。結衣も私と同じで数学が苦手。ほくが結衣以外の子に数学を教えることに。

「美蘭ちゃん、美蘭ちゃんと北斗くんって付き合ってるの?」

「付き合ってないよ!」

「そうなんだ。めちゃくちゃ仲良いじゃん。」

「そうかな?」

亮太くんにも聞かれた。本当に付き合ってないんだよね。

「じゃあ美蘭ちゃん彼氏は?」

「いないよ。いたことない。」

「え!?まじで!?なんで!?」

「好きな人できたことないの…。」

「えぇ!そうなの??告られたことはあるでしょ?」

「…うん。」

「もったいないーー!俺立候補しようかな。笑」

「なにそれー笑」

彼氏いたことないっていったらめちゃくちゃ驚かれてる。高校生はみんなやっぱ彼氏とか彼女いたことあるのかな?

「北斗、美蘭ちょっときてー!」

「はーい!」

麻美ちゃんに一階から呼ばれたからほくと一緒に下にいく。

「美蘭ちゃん?今日俺以外の男と喋るのやめれる~??」

「そんなことできるわけないでしょ。なんでよ。」

「俺が嫉妬しちゃうから。」

「はいはい。喋らないなんて無理だから。」

喋らないなんて無理に決まってる。亮太くんも駿くんもいい人なのに。

「北斗も美蘭もさっそく友達できたみたいで、私嬉しい~。」

「麻美ちゃんありがとうね。みんな連れてきていいって言ってくれて。」

「いつでも大歓迎よ。男女で勉強会なんて青春だわぁ。北斗は嫉妬してるみたいだけどねー笑」

「ねー笑」




その頃北斗の部屋では。

「ねえ、美蘭ちゃんと北斗くんってマジでどういう関係?笑 俺北斗くんが笑ってるの初めて見たんだけど…。」

「それね、俺も初めて見た。笑った姿もイケメンすぎんか…。笑ったら、全校の女子持ってかれるぞ…。」

「北斗は美蘭の前でしか笑ったとこ見たことないな。」

「私も。」

「だよな。あいつらの関係なんて言うだろう…。恋愛感情は全くないんだよ。」

「うん。中学から一緒だけど不思議な関係。とにかく北斗は美蘭のこと溺愛してる。笑」

「それは言えてる。」

「え!?そうなの?北斗くんまじで謎だな…。溺愛してる感ゼロなんだけど…笑」





「じゃあ、北斗と美蘭このお菓子とジュース持ってって~!」

「はーい、麻美ちゃんありがとうー!」

「美蘭ちゃん、俺美蘭ちゃんをこうやってしながら部屋戻っていい?」

「やめて。」

ほくに後ろから抱きしめられる。いわゆるバックハグ?そのまま部屋に戻ろうとしてる。ダメに決まってる。

「だってそうしたら、男達は、呆気に取られてみぃに話しかけてこなくなるだろ?」

「まじでやめて。」

ほく、馬鹿なの?

「みんなお待たせ。ほくのママからお菓子とジュース!」

「やったー!後でお礼言わなきゃ!」

「ありがとうございます!」

ほくはさっきあんなにおちゃらけてたのに、今は普通に。もちろんバックハグもしてない。

「北斗くん、ここ教えて。」

「うん、これは…」

「あ!なるほど!分かった。ありがとう。そういえば、初めて喋ったよね?俺、亮太。よろしくな!」

「亮太よろしく。」

「よろしく、俺も北斗って呼んでいい?」

「もちろん。」

「ありがとう、北斗!」

「俺、駿。北斗よろしくな!」

「駿、よろしく。」

ほくが、寛太以外の男の子と仲良くなってる…!よかった。

「北斗、なんであんな美蘭ちゃんと仲良いの?」

「なんでだろう?小さい頃から一緒だから?」

「うん。私の家とほくの家、隣なの。」

なんで仲良いって聞かれたけど、なんでだろう?笑

「そうなんだ!美蘭ちゃん、他の学科の人からもめっちゃ人気だよ。可愛いって。」

「え、私?そんなわけないよ笑」

「北斗、美蘭ちゃんとられちゃうぞ笑 嫉妬しないの?」

「全くしない。」

さっきは、嫉妬するから他の男の子と喋んないでって言ってたのに。笑

「美蘭、何笑ってるの?」

「笑ってないよ…笑」

さっきとは言ってることが真逆で面白い笑

「美蘭…?」

「すみません、笑ってないれす…。」

ほくが怒ってる笑 ほっぺをむぎゅっとされる。
謝ったら手を離してくれた…。

「ホント2人仲良いね。笑」

「そうかなぁ?」

仲良いって素直に嬉しい。きっと仲良いのはほくが優しいからだな。

「そういえば、北斗ってもう何人かに告られたんだろ?噂で聞いたぞ。」

「まぁ。」

「何人?」

「忘れた。」

「数えきれないほどってこと?」

「いや、5人くらい?」

「まだ入学して5日目だぞ…。化け物かよ…。」

ほくが告られたのは知ってたけど、5人も?ほく、めちゃくちゃモテてる。びっくり。

「北斗これなにー?見ていい?」

「アルバム。」

「え!見せて!」

結衣が本棚からアルバムを取り出している。久しぶりに私もアルバム見たい。

「北斗変わってないー!」

「ホントだー!」

「まって、この女の子めっちゃ可愛い!誰?」

「それ、美蘭。」

「えぇ!昔からめっちゃ可愛いんだけど!」

「ほとんど美蘭との写真じゃん!あんたたちホントずっと一緒にいたんだね。」

懐かしい写真ばっかり。最近写真とってないな。

「そうだ!みんなで写真撮ろうよー!」

「いいね!美蘭、ナイスアイディア!」

「撮ろ撮ろ!」

「じゃあ、俺が携帯持って内カメにするからみんな入ってー!」

亮太くんが撮ってくれることに。

「あれ、俺携帯どこ置いたっけ。ここにある携帯でとっていい?誰の?」

「俺の。」

近くにあったほくの携帯で撮ろうとするけど…

「…え?なにこれ。」

「どうした?」

「これ、美蘭ちゃん?」

「え?私?何が?」

亮太くんに呼ばれてほくの携帯を見てみると、待ち受け画面に気持ちよさそうに寝ている私が。

「え!?ほくなにこれ!?いつの間に撮ったの?」

「昨日美蘭が寝てる間に撮った。」

「ねえ、恥ずかしいから変えてよ…。」

「いや、まじでどういう関係…?笑」

本当に恥ずかしい。ほく待ち受け変えてよ…。

「撮れた!」

『ありがとう』

「よし、じゃあそろそろ帰るかー!」

「そうだね。みんなお疲れ様。」

『おじゃましました』

「あれ、美蘭ちゃん帰らないの?」

「あっ。うん。えっと、また夜までほくに教えてもらう!」

「そっか!じゃあまた明日。」

「ばいばい!」

いっぱいみんなと話せてよかった。勉強はあまりできてないけど…。




(帰り道)

「俺、北斗が美蘭ちゃん溺愛してるって意味分かったわ。あれは溺愛してるな。だって、待ち受け美蘭ちゃんだぞ。」

「分かっただろ?」

「北斗の待ち受けはずっと美蘭だよ。コロコロ写真は変わってるけど。絶対北斗の写真フォルダ美蘭ばっかだよ。笑」

「まじで、付き合ってないっぽいしなぁ。」

「付き合ってないな。強いて言えば北斗が、親バカ?シスコン?って感じだな。」

「確かに、親とか兄目線みたいな?」

「不思議な関係すぎる…。」




「みぃ、こっち来て。」

「ん?どうした?」

ソファに座ってるほくに呼ばれる。ソファに行くと…

「わぁっ。」

ドサッ。
ほくに手を引っ張られ、ソファに座ってるほくに向かい合ってほくの膝の上に座る。何この体制…。

「ほくどうしたの?」

「…。」

ほくは無言のまま強くハグをされる。この体制だと私の方が目線が上にあるから、ほくが少し小さく見える。胸あたりにほくの頭が。ほく、甘えてる?

「ほく、本当にどうしたの?」

「みぃ、告られても断るよね?」

「え?」

「ねぇ、答えて。」

「う、うん。断るよ。」

何かと思ったら、告白の話?好きな人いないって言ったよね?

「なんで、そんなこと聞くの?」

「みぃが他の男にとられたら嫌だから。」

「好きな人いないから。」

ほくが困り顔で私を見上げてくる。好きな人いないと言いながら、ほくの頭を撫でると、満面の笑顔を向けてきた。
ほく、可愛い。

「ほく、離れて。」

「やだ。」

なんか、みんなが帰ってからほくがずっとくっついてくる。リビングで携帯を触ってると、後ろからハグしてきて一緒に携帯見てくるし、ベッドでうつ伏せになって寝転がりながら本を読んでるとその上に乗ってきて一緒に本を読んでくる。

「ほく、もう早く映像見て寝るよ。」

「はーい。」

今日も映像はなんともなかった。よかった。どんどん映像を見た副作用は強くなっているけど、ほくといればしばらくすると良くなる。

「ほく、おやすみ」

「うん、おやすみ」

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