ひざまずけ、礼

ko-suke

第3章17話 約束通りのお出かけ




数日後、休日のお昼前。電車とバスに揺られ、僕達はある場所に来ていた。

察しのいい人はなんとなく分かったかもしれないけど・・・歴史博物館です。僕が住んでいる街の過去の姿や当時の暮らしが展示され、ここに来るだけでこの街の歴史が理解できると、もっぱら噂になっている場所だ。

まぁまぁ大きい施設で、外見は昔の建物だが、中身はエスカレータやエレベータ、音声案内器なども兼ね備えている。趣がありつつも、利用者の安全と利便性を考えている点がすごいと思う。

この近辺の建物と比べても、なかなか力が入っている建築物といえよう。どうやら建設当時の市長が歴史好きのようで、細かく指示を出したらしい。その賜物たまものがこれということだ。

・・・で、ここに来ている理由は前に話していた通りなのだが、来るメンバーについては・・・結局あのあとこうなった。

比影「いつ見ても立派な施設だよな・・・」

佐和「力の入れ方が違うというか、凄いわよね・・・」

アス「こんなところがあったとは知りませんでした。なかなか綺麗ですね。」

レア「人の知恵ってのも馬鹿に出来んもんやなぁ。」

はい、全員集合です。イザレアが全然折れなかったので、結局全員来ることになりました。平日も難しかったので、今日来ることに。

個人的には、イザレアが長時間こっちに降りてくること自体が、あんまり良くないんじゃと思っていたのだが、そんなことも無いらしい。ならいいんだけどさ。

あと服装とかも心配してたんだけど、実際会ったら、ちゃんとしたファッションをしていた。いつもの神様ファッションだったら目立つから嫌だな~なんて思ってたけど、若者ファッションに身を包んでいた。まぁまぁ似合っていると思ったのはここだけの話。

比影「さ、細かく見ていこっか。どうせだし、音声案内も使う?」

佐和「んー・・・そこまではいいんじゃないかしら?多分載ってる説明を読んでくれるだけだろうし、そういうのって利用料金高そうだし・・・」

アス「あー、確かに。・・・あ、でも今だけ無料で貸してくれるみたいですよ!はい。」

佐和「なにやってるのみんな、早く借りに行くわよ。」

レア「現金なやっちゃな・・・まぁえぇが。」

佐和さんは一目散に、案内器貸出所へとかけて行った。数分後、トランシーバーのような機械を持って戻ってくる。もちろん僕らも借りに行った。無料なら、そりゃあね?

こうして僕らは、音声案内を聞きながら、歴史博物館の展示物を見て回るのだった。・・・不服ながら、イザレアを連れて。


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