ひざまずけ、礼
第3章14話 いざ、リベンジマッチへ
あれから3日が経過した。
僕や佐和さんも手伝い、試行錯誤の結果、なんとか新しい玉の開発に成功した。機能としてもほぼ想定通りのものが出来た。
そして次の日、紅き街出現の連絡が入る。場所も同じだった。
アス「しかし・・・これで本当になんとかなるのでしょうか。少し不安です。」
準備を進めていると、ナーテアさんがそう呟いた。僕たちは少し手を止め、ナーテアさんに声をかける。
比影「可能性としては、なんとも言えないかな。正直なところ五分五分だと思う。でも、きっとなんとかなるさ。」
佐和「やれるだけのことはやったんだもの、あとはなるようになるわよ。ダメならまた考えましょ。」
アス「・・・そう、ですね。2人とも頑張ってください、応援してます。」
比影「任せてよ、きっと勝ってみせるさ。」
佐和「いざリベンジよ!出陣じゃあ!」
佐和さんの掛け声とともに、僕達は紅き街の出現場所へと向かうのだった。
赤い空、赤い雲・・・目の前の色が赤一色に染まる世界、紅き街。僕達は無事に出現場所へつき、内部へ入っていた。
僕は早速、新作の玉のひとつをパチンコにセットする。上手くいってくれればいいのだが・・・いや、絶対上手くいくさ。そう、信じよう。
少し先に進むと、人型の影が見えたきた。いよいよお出ましか。
比影「佐和さん、前に伝えた通りで!」
佐和「了解!」
僕はパチンコを構え、敵に近づく。敵も直ぐにこちらに気づいたようで、敵側から向かってきた。
佐和「・・・ここっ!!」
佐和さんの合図を確認し、ギリギリで横に避ける。瞬間、僕の後ろから1発の玉が飛び、敵に命中した。
その瞬間、敵は光の箱で包まれた。正確には、立方体を描く光のエネルギーフィールドだ。箱型のバリアって言ってもいいかもね。15センチ四方のバリアが敵を囲み、身動きを封じた。
敵は例の、当たったものが蝋化する玉を撃ってきたが、バリアに弾かれた。
こいつは効力が出ている間、内側からは範囲外へ決して出ることが出来ないようになっている。ただし外側からの干渉は可能。強力ではあるが、効力を発揮できるのは30秒ほどだ。
敵がフィールドに包まれたのを確認し、すぐさま僕も玉を発射する。先程のものとは別の玉、新作2つ目だ。
敵に命中すると、命中したところからニョキっと何かが生えた。生えたのは、ツタのようなもの。
比影「こいつでもくらいな!」
僕は懐から、ライターとスプレー缶を取り出す。ライターは先が長めのタイプ、スプレーはガスが、遠くまで届く長ノズルタイプだ。
知ってる人もいるかもだが、これらふたつを組み合わせることで、簡易的な火炎放射器を作れるんだ。良い子は真似しないでね!!
思惑は上手いこと噛み合い、先程伸びたツタに火がつく。瞬間、敵の体は溶けだした。作戦成功である。
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