ひざまずけ、礼

ko-suke

第3章8話 無自覚は罪なのか?




アス「虫の大群、ですか。なかなかにグロテスクな光景ですね、はい。」

レア「そりゃ災難やったなぁ。」

佐和「災難どころの話じゃないです。トラウマものですよあれは・・・もう見たくない。」

比影「はは・・・このとおりでさ。紅き街をどうにかしなきゃいけないし、けど佐和さんに無理はさせたくないし・・・どうにかならないかな。」

秘密基地へと戻ってきた僕達は、イザレアを加えた4人で作戦会議をしていた。

アス「うーん・・・対策としては何通りかあります。ただ、どれをとっても佐和さんの力は必要になりますし・・・」

佐和「私嫌だからね!もうあんなの見たくないから!」プイッ

アス「そうはいっても、化け物を倒すには佐和さんの力がないと出来ないんです。」

レア「ま、腹くくるっきゃないな。目を瞑るとかすればなんとかなるやろ。」

佐和「うぅ・・・みんな鬼ね・・・」

比影「これでもみんな心配してるんだよ。でも、倒すには君が必要だからね。それでナーテアさん、具体的な対策方法は?」

アス「はい。まずそもそも、虫が見えなければトラウマもなにもないので、虫が別のものに見えるような装置か、無理なら視界を遮る何かを作ります。」

佐和「あとあの羽音もどうにかしてほしいんだけど・・・」

アス「ならイヤホンに耳栓機能をつけます。それと、倒す時には見えてないといけないですが、虫のままでは倒せないと思いますので・・・これが有効かと。」

そういってナーテアさんか取りだしたのは、白い棒状のもの。いわゆる、ロウソクだ。

比影「ロウソク?それでなんとかなるの?」

アス「いえ、ロウソク本体は使いません。使うのはここ、ロウソクの“ロウ”の部分です。」

佐和「それでどうにかなるの?それを使えば、虫は見えなくなる?」
 
アス「上手く行けば、虫は一切見えなくなるでしょう。こればっかりは運とコントロール次第です。」

佐和「で、でも・・・やっぱり虫は・・・」

比影「大丈夫、その役目は僕が担うよ。佐和さんは然るべきタイミングで目を開けて、あの技でやつらを消し去ってくれればいい。」

佐和「比影くん・・・」

比影「僕を信じて、ね?」

佐和「・・・うん。わかった。」

佐和さんは下を向いて、こくりと頷いた。

レア「ケッ、甘ったるくてかなわんわ。比影、いつの間にそんなキザっぽいことが言えるようになったんや。」

アス「・・・いいなぁ、私もあんなこと言われたい・・・。」

イザレアとナーテアさんが何か呟いたが、よく聞こえなかった。まぁともかく、何とかなりそうだ。

こうして僕たちは、紅き街攻略に対する準備を進めるのだった。


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