ひざまずけ、礼
第3章7話 逃げた先の一幕
佐和「はぁっ、はぁっ・・・お、追ってきてないわよね!?」
比影「はぁ、はぁ、はぁ・・・大丈夫、追ってきてないよ。というか紅き街のやつらはあそこから出て来れないでしょ。」
佐和「わからないわよ?進化して出てこれるようになってたりして・・・」
比影「いやだなぁ、そんな進化。今回のやつとかは特に。あぁでも、そういえば前に紅き街からこっちにきて、ホットスナック貪ってたヤツいたな。」
佐和「あー・・・いた気がするわね、そんなやつ。」
紅き街から逃げ出した僕達は、地べたで休んでいた。久々に全力疾走したよ・・・マジで疲れた。
紅き街から出てくるようなことは無かったが、どの道あれを倒さなければ不味いことになる。
比影「それより、あれをどうやって倒すかだね。いかんせん数が多いから、1匹ずつ倒すのは割に合わないよな・・・。」
佐和「へっ!?またあのバッタと戦うの!?嫌よそんなのぉ!」
比影「嫌って言われても、あれが紅き街の化け物なんだから、仕方ないでしょ。僕らしか何とかできないしさ。」
佐和「う、うぐぐぐ・・・」
比影「それと、あれはイナゴね。バッタに似てるし同じ仲間だけど、食用として売られてたりするんだよ?」
佐和「し、食用!?食べるのあれを!?」
比影「どうもそうらしいよ、といっても僕は食べた事ないけど。昔から食べられてるんだって。今でも食べてるところはあるんじゃない?」
佐和「な、なんですって・・・」
比影「まぁ、さすがにこの辺じゃ、今は食べられてないかもだけどね。でも、今昆虫食がアツいって記事見たことあるし、一般的になるかもよ?」
佐和「それだけは絶対ない!あれを食べるとか、信じられない!想像しただけで・・・吐き気が・・・うぷっ。」
比影「わわ、大丈夫?ごめんね、変な話して。」
佐和さんを介抱しつつ、考える。今回イナゴの大群が出てきたのは、おそらくさっき言った通り、この辺では忘れられた生き物だからだろう。
それに、前に社会科の先生が、この辺で蝗害があったらしいって言ってた。昔のことで忘れられてきてるらしいし、それも影響してるのかもしれない。
とにかく、体制を立て直そう。倒すにしたって、今のままじゃ歯が立たない。
それに、佐和さんに関してもどうにかしないとな。彼女の奥義も、あの様子じゃとても使えそうにないし。
佐和「比影くん、あなた催眠術とか使えないの?あのバッタが別のカワイイ系の何かに錯覚するような感じの術をかけてよ。」
比影「無茶言わないでよ、催眠術なんか使えないって。それとバッタじゃなくてイナゴ。」
佐和「一緒よ一緒!」
僕らは秘密基地へと戻り、作戦を立てるのだった。
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