ひざまずけ、礼

ko-suke

第3章1話 目覚めは白き天井で




ある朝、起きたら見知らぬ場所にい・・・なかった。いつも見る自分の部屋の天井ではないにしろ、見知ってる場所にいた。

過去一度だけ来たことのある、神聖な場所・・・らしいところ。そう、天界だ。

こんなところで目を覚ますなんて、今日は悪いことが起こりそうだ。というか今がその悪いことなのかもしれない。

「酷い言われようやなぁ、全く・・・」

そんな声が聞こえる。声のほうを見ずに、ぶっきらぼうに返す。

比影「だってお前と話すことになるじゃん?なら悪いことじゃないか。絶対話長いし。」

レア「そんなこと言わんといてやぁ。せっかく呼んだんやし、ゆっくりしてき~」フリフリ

比影「やなこった、早く要件を言え。何もなしにここに連れてくるようなやつじゃないだろ?お前は。」

レア「まぁね、よく分かってるじゃん。それだけ愛されてるってことかなぁ?」ニタァ

比影「ほざけ。要件は?ないなら帰せ。」

レア「あるって言ってるやろ。少しくらい待てへんのか。全くこいつは、あの時の可愛さはどこへやら・・・」

イザレアはブツブツ文句を垂れながら、お茶を用意した。1口飲むが、佐和さんやナーテアさんが容れてくれた方が何倍も美味しく感じる。

レア「最近、少しずつ表が動いとるようなんや。」

比影「表?表ってなんだ?」

レア「紅き街出現のログ表・・・って言えばわかりやすいか。簡単に言えばそんな感じのやつや。」

イザレアの言葉に驚きつつ、ここ数日のことを思い出して聞く。ちなみに、ログってのは簡単に言うと、足跡みたいなものね。形跡とも言うのかな。

比影「待ってくれよ、紅き街出現の連絡は、ここ数日なかったぞ?」

レア「ほんの一瞬だったか、それとも内々的に処理されたか・・・紅き街出現のアラームに引っかからなかったようやな。」

比影「そうか・・・ん?待て、出てきたのが一瞬だと、出現アラームに引っかからないのか?」

レア「ん?あぁ・・・設定でどうにもできるけど、ほんの一瞬なら、検知したところでじゃない?わかっても対処できんやん。」

比影「まぁ、それはそうだが・・・」

レア「今回みたいに、紅き街出現アラームの範囲内だとしても、ログとして残るんやから、ええんやないの?」

比影「むむむ・・・そうか・・・でも、しかし・・・」

レア「心配性やなぁ。大丈夫やって、明らかおかしいのがあれば、その時は教えるから。」

比影「・・・わかった、頼むぞ。」

レア「ふふ、任せとき!」

イザレアは笑顔で言った。

比影「これが要件か?ならさっさと現実世界に・・・」

レア「いんや、もう1個・・・というより、こっちの方が本題でな。」

比影「まだなんかあんのかよ・・・」

レア「重大なことなんや。きちんと聞いてや。」

イザレアの言うことを聞き、大人しく聞くことにした。

そして、彼女は少しためて言い放った。

レア「・・・ナーテアが、敵の・・・紅き街のスパイかもしれへんのや。」

耳を疑う言葉だった。


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