ひざまずけ、礼

ko-suke

第2章95話 これにて円満解決?




頭に?を浮かべながら、箕浦くんがこう聞いた。

箕浦「えっと・・・いまいち話が見えてこないんですが、つまり今のままじゃ、またあの世界で狙われるってことですか?」

レア「そういうことや、物分りえぇな。せやから、今から君の記憶を消すんや。これで君は、少なくとも精神的には、狙われなくなるよ。」

箕浦「・・・あの、それって裏を返せば、比影や委員長は、ずーっと狙われ続けてるってことじゃ・・・」

レア「ん?あぁいや、こいつらはもうs」

比影「あぁそうなんだよー!これがなかなか大変なんだよ?毎回毎回狙われてさー!」

箕浦「だよなぁ。でもそれなら、俺も手伝いてぇよ。お前らだけに辛い思いをさせんのは・・・だから記憶は・・・」

佐和「気持ちは嬉しいけど、それはダメよ。あなたの命はひとつだけだもの、大事にしなさいな。」

箕浦「いやそれはお前らも・・・」

2人「ほんとうに、大丈夫、だから」

箕浦「・・・そうか、ならいいんだが・・・」

・・・これでいい。記憶を消されるとはいえ、本当のことを知られたくはない。僕や佐和さんは1度死んでいるなんてこと・・・言えっこない。

レア「・・・まぁ、なんや。とりあえず記憶を消そうか。さっさとしないと、また取り憑かれるかもしれないし。」

比影「うん、お願い。」

箕浦「・・・」

イザレアは、箕浦くんに向け手をかざす。一瞬手のひらが光ったように見えた。その瞬間、崩れ去る箕浦くん。間一髪、倒れる前に支えることが出来た。

レア「・・・よし、これで大丈夫。ほな、あとは頼んだで~」フリフリ

イザレアは手を振りながら、天界へと消えた。

数分後、箕浦くんはソファにて目を覚ました。

箕浦「・・・?あれ?」

比影「箕浦くん、起きたんだね。」

箕浦「あ、あぁ・・・その、だな・・・」

どこか歯切れが悪い箕浦くん。記憶が消え、数日の記憶に空白ができた影響だろうか。僕達は箕浦くんに、でっち上げた法螺話ほらばなしをする。無論、せっかく消した記憶を呼び起こさないように。

比影「びっくりしたよ、廊下で倒れてるんだからさ。こっちの方が近かったから、保健室じゃなくて部室に連れてきたんだけど・・・」

佐和「やっぱ保健室のほうがいいんじゃない?なんかの病気かもしれないし。急に倒れるなんて変よ。」

アス「佐和さんの言う通り、普通じゃないかもですね。箕浦さん、どこか痛いところとかありますか?」

箕浦「・・・」

箕浦くんはポカーンとした表情を浮かべる。むむ、胡散臭かっただろうか・・・いや、まだボーッとしてるだけとかかもしれないし、もう少しでたらめ話を・・・

そう思った矢先、箕浦くんは衝撃の言葉を告げた。

箕浦「・・・何の話だ?俺は倒れてなんかないぞ。それより、イザレアさんはどこへ?」


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