ひざまずけ、礼
第2章91話 いざ夢の世界へ
次の日の放課後。作戦の決行日だ。
箕浦「・・・なぁ、ほんとにこんな状態で寝んのか?もうちょっと何とかならねぇかな・・・」
比影「仕方ないじゃん、家で一緒に寝るよりかはマシでしょ?それに、そのメガネに睡眠導入効果あるから、寝れると思うよ。」
箕浦「今の説明で胡散臭さが倍増したんだが。本当に上手くいくんかよ・・・」
佐和「男なんだから、ごちゃごちゃ言わないの。それと、こっちに転がってきたら容赦なく殴るから、そのつもりで。」
箕浦「余計寝ずらいんだが・・・」
箕浦くんを秘密基地へと呼び出し、昨日のメガネを手渡す。そのまま、床へと敷いておいた布団へと誘導し、有無を言わさず横にさせたのだ。
数分は文句を垂れていたが、メガネの睡眠導入効果が効いてきたのか、だんだんとフェードアウトしていき、ついには寝息を立て始めた。
かくいう僕と佐和さんも、眠るのは時間の問題だろう。あとは、このメガネのもうひとつの効果、夢の共有が上手く作動してくれれば・・・。
箕浦くんの言う通り、めっちゃ胡散臭い代物だからなぁ、これ。イザレアから借りたヤツだし、効果も意味不明だし。だが、今回はこれに賭けるほかない。
数分後、睡魔に敗北した僕は、眠りについた。
目を開けると、1面真っ赤な景色が広がっていた。過去一最悪な目覚めである。とはいえ、夢の共有効果はきちんと作動したようだ。
佐和「んん・・・うげ、真っ赤・・・」
箕浦「ん、2人とも起きたか。」
佐和さんも目を覚まし、箕浦くんもいることから、本当に上手く行ったことがわかった。あんま信じてなかったけど、やったぜ。
まぁ、元はナーテアさんが作った機構を改造して作ったらしいし、あいつも変な改造はしてないのだろう。・・・いや、夢の共有ってのも変な改造にはいるか?まぁいいや。
箕浦「はぁ、やっぱ見ちまうみたいだな、この夢・・・」
比影「箕浦くん、やけに落ち着いてるね。前に見た時はオロオロしてたのに。」
箕浦「まぁ、少なくとも5回はここに来てるからな・・・もう慣れちまったわ。」
比影「あー・・・なるほどね。」
箕浦「というか、そういうお前も落ち着いてるな。やっぱりずっとこういうのと対峙してきたのか?」
比影「まぁ、そうだね。」
箕浦「・・・結構苦労してたんだな。この数日で身に染みたぜ。辛くは無いのか?」
比影「うーん・・・特に辛いとかは感じたことは無いかな。これが僕の使命だから。」
箕浦「・・・そっか。」
佐和「ちょっとそこー?盛り上がってとこ悪いけど、そろそろ行くよ?」
比影「うん、わかった。箕浦くん、行こっか。」
箕浦「あぁ。」
こうして僕達は、夢の中の紅き街へ歩をすすめるのだった。
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