ひざまずけ、礼

ko-suke

第2章89話 夢の中の街




レア「は~ん、なるほどなぁ。夢の中で出現する紅き街・・・か。また珍しいタイプに出くわしたなぁ。」

イザレアはソファにもたれ掛かりながら、そういった。この感じ、何か知っているようだ。

比影「珍しいタイプ?まぁ、今まであったことの無いタイプではあるけど・・・」

レア「レア中のレアケースや。自分らに分かりやすく説明するなら・・・せやな、カードゲームのパックをワンカートン剥いて、1枚出たらラッキーくらいのの激レアカードを、2枚引いたくらいのレア度やな。」

佐和「ごめん、よくわかんないんだけど。」

レア「なんや、カードゲームとかやらん口か?まぁそやな、ほとんど見ることの無いレアケースって思ってもらえりゃえぇよ。」

アス「そんなレアケースが、なぜ今回?」

レア「さぁな。そんな狡猾なタイプの化け物がいたってこと自体が驚きやから、それがなぜ出てきたのかって言われても、あたしにも分からんよ。」

比影「その言いぶり・・・紅き街の化け物は、アホバカだらけってことか?」

レア「口悪いなぁ自分、もっと優しい言葉遣いにせぇ。アホバカだらけというか、考えるよりまず実行のタイプが多いって印象やな。つまり、今回みたいに作戦を考えて実行するタイプやないってこと。」

佐和「ふーん・・・なるほどねぇ」

イザレアの話を聞いて、今までのことを思い出す。確かに今までの敵では、策をめぐらせて罠にはめるってタイプはいなかった。多少やり口が巧妙だったやつはいたが、こっちを見つけ次第突進してくるようなタイプが多かったのも確かだ。

箕浦「・・・難しい話でさっぱりついていけてないんだがよ。要するに、夢に出てきたヤツらは、あの文化祭の時に出てきた化け物の仲間ってことでいいのか?」

比影「そうだね、それで合ってるよ。」

箕浦「くっそ、人様がゆったりと寝ているところを邪魔しやがって・・・次会ったらタダじゃおかねぇからな!」

レア「あ、そういう考えはやめとき。」

箕浦「へっ?」

握りこぶしを作ってメラメラと燃える箕浦くんを見て、そういうイザレア。テンプレのようにコケた箕浦くんは、イザレアに聞き返した。

箕浦「な、なんでダメなんです?」

レア「当たり前やろ?そんなことしたら、すぐさま命を取りに来るかもしれないんやで。今は直接命を取るようなことはないかもやけど、いつ直接的な方法に切り替えてくるか分からんしな・・・」

箕浦「は、はぁ・・・」

レア「せやから、また夢に出てきても大人しくしとき。何もしなければ、少なくとも直接的には害は無いはずやから。」

箕浦「いやでも、男として負けっぱなしってのも・・・」

レア「・・・あたしの言うこと、聞いてくれへんの?」

箕浦「ごめんなさい大人しくしてますっ!!」

レア「えへ、ならよかった。」

傍から見れば、近所のお姉さんと子供のような感じにも見える光景。僕ら3人はそのやり取りを、冷ややかな目で2人を見ているのだった。


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