ひざまずけ、礼
第2章86話 意外な来訪者
ある日の放課後。イザレアが僕の家に来た数日後。
僕らはいつものように秘密基地でくつろいでいた。すると突然、ドアがノックされる。ドアを開けた先にいたのは、思わぬ来客だった。
箕浦「・・・よ、比影。」
比影「箕浦くん!どうしたの突然?」
箕浦「いんや・・・ちょっと気になった事があってな。」
佐和「比影くん?どうし・・・ってあら、珍しい客人ね。」
アス「いらっしゃいです。」
箕浦「やぁ、ナーテアさん・・・と委員長。」
佐和「ほーん?私はオマケか?」
箕浦「今の間に深い意味は無ぇよ、上がらせてもらうな。」
箕浦くんを客人用のソファに座らせ、紅茶を淹れる。箕浦くんはコーヒーが飲めないらしい。
一口飲んで、驚いた様子を見せた。
箕浦「結構上手いなこれ、なかなかいいの使ってんのな。・・・いやどこに部費かけてんだか。」
佐和「おもてなしの心は大切でしょう?来てもらった客人にいいものをお出しする、それがマナーよ。」
箕浦「はいはい、ありがたいよ。・・・なぁ、客人って結構来るのか?」
アス「いや・・・そんなには。紅茶もコーヒーも、大体私たちが飲んでますね。」
箕浦「・・・おい」
佐和「私たちが飲まないとは言ってない」
比影「はは・・・」
そんな話をしながら、本題へと入った。彼がここに来た理由。それを話し始めた。
箕浦「2つあるから1つずつ言うわ。まず1個目なんだが・・・これは俺じゃなくて佐賀美のやつに対してな。」
比影「佐賀美くん?佐賀美くんがどうかしたの?」
箕浦「いやさ、最近アイツおかしいんだ。どう考えても印象深い出来事のはずなのに、まるでそんなものは無かったかのように、ぜーんぜん覚えてないやしねぇの。」
佐和「あら怖い、記憶障害ってやつ?」
箕浦「かもなぁ。どっか頭打ったかって聞いても、とぼけた顔しやがるのよ。忘れるはずねぇのに、なんなんだかあいつはって思ってな。んで、お前らならなんか知ってんじゃないかって思ってよ。」
比影「なるほどねぇ・・・見た感じそんな風には見えなかったけど、何かの病気なのかもね。」
箕浦「やっぱそう思うよなぁ?」
比影「そうだねぇ。」
僕はこの時点で、ある予感がしていた。それも、いやなほうの予感が。あたらなければいとのだが、念の為聞いてみた。
比影「ちなみに、その佐賀美くんが忘れてるってのは何の話?」
箕浦「ん?あぁ、ちゃんと言ってなかったか。」
そして箕浦くんは、当たり前のことのように言った。
箕浦「文化祭の日の・・・あの変な世界のことだよ。お前らに助けて貰ったよな。」
・・・嫌な予感が的中してしまった。
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