ひざまずけ、礼

ko-suke

第2章77話 ブチ切れは真相を呼ぶ




無事に紅き街の脅威から街を守った僕達なのだが、その顔に笑顔はなかった。無論、先ほどの猫又退治のせいではあるが。

佐和「・・・帰ろっか。」

比影「うん・・・あの、佐和さん・・・無理しないでね。」

佐和「・・・うん。」

辛くないはずがないから、大丈夫かなんて無責任なことは言わない。僕らはゆっくりと、秘密基地へと戻るのだった。



秘密基地の扉を開けると、ナーテアさんと何故かイザレアがいた。

レア「お、おかえり2人とも~」

アス「お疲れ様です。」

比影「うん、ただいま。」

佐和「・・・ただいま。」

明らかに沈んでいる佐和さんの声。ここはあえてなにも言わないほうが、いいのではn

レア「あれま、佐和どうしたんや。やけに沈んどるやないか。」

聞きやがった!こいつ聞きやがったよ!やっぱり空気読めねぇなこいつ!

佐和「・・・」

静かにイザレアを見る佐和さん。その目には、光がなかった。

レア「佐和?どうしたんや、いつもの佐和らしくないで?もっとシャキッとせぇや。」

佐和「・・・っ」ギリッ

比影「おいイザレア、その辺に・・・」

レア「比影、佐和どうしたんや?まさか、紅き街の化け物猫を気にしとるんか?」

比影「おい、いい加減に・・・!」

その時。佐和さんはイザレアに向かって歩き出し、イザレアの両肩を掴んだ。その手は震えていた。

佐和「イザレア!!答えろ!!」

レア「んひゃ!?さ、佐和?」

佐和「ずっと思ってた!なにあの街は!!ゾンビとか猫とか、変な化け物とか!アイツらなんなのよ!!あんたなんか知ってるんでしょ!?」ガクガク

レア「痛い痛い!ちょ、揺らさんといてや!?」

佐和「神様なんでしょ!?答えろよ!」

レア「わ、わかったわかった!わかったから離してぇ!」

佐和さんはゆっくりと肩から手を離す。少しひやっとしたが、イザレアが全然言おうとしなかった、紅き街の詳細を知ることが出来ることになったのは、有難いことだ。イザレアめ、ざまぁみろ。

いやまぁ、そもそも体張ってるこっちが、紅き街のことを教えてもらってないってのがおかしいことなんだと思うけどな。

レア「はぁ・・・まいったな。紅き街のことって言ってもな、何が知りたいんや?」

佐和「そりゃ色々よ。まず、そもそも紅き街ってなんなのよ。」

レア「何って言ってもなぁ・・・最初教えたやろ?紅き街はこっちとは別の世界で、そのまま放っておけば世界が逆転するかもしれないって。」

比影「それは聞いたけど、そもそもの話さ。こっちとは別の世界って言ったよな、お前。別の世界ってどんな世界なんだよ。なんのためにこっちの世界に出てきてんだ?」

レア「あー・・・そういう・・・」

イザレアは溜息をつきながら、言った。

レア「あの世界はな、簡単に言ってしまえば・・・死後の世界や。」

いつになく真面目に、彼女はそう言った。


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