ひざまずけ、礼
第2章71話 次の標的は
無事に磔状態から脱した僕は、心の中でだけイザレアに感謝しつつ、準備を始めた。
比影「それで、紅き街の出現場所は?」
レア「そう焦んなや、今回のやつは被害はでそうにないからな。」
佐和「なんで分かるんですか?」
レア「紅き街の奴らはみんな把握してるからなぁ。ここに来る前に、確認してきたし。」
アス「・・・神が紅き街に入るのは、緊急時を除いて禁忌ですよね。」
レア「え、あ・・・えっと、聞かんかったことにしてくれへん?」
アス「バッチリ記憶してますよ。あとでキッチリと上に報告しますからね。」
レア「うぐぐ・・・ナーテアにバレると事細かに報告されるから、バレないようにしてたのに。」
比影「自業自得だな。」
佐和「そうね。」
レア「お前らァ・・・他人事と思ってからに・・・」
イザレアは机に突っ伏していた。数分後、準備が終わった僕達は、秘密基地から現場へと向かった。
比影「えっと・・・この辺だったな。」
佐和「まさか広場の端っこに、紅き街が出来てるなんてね・・・いつもより狭いし、人もあんまりいないし、確かに被害は出なさそうね。」
比影「・・・じゃあ、行こっか。」
僕と佐和さんが数歩歩くと、景色がいつものものへと変わった。紅き街に入った現れだ。
そして今回の敵はすぐに見つかった。まぁ狭いし、当然だけどね。・・・ただ、見つかったのはいいけど、それからが問題だった。
比影「・・・え、こいつって」
佐和「ね、猫ちゃん!?」
そいつは紛れもない、猫。猫っぽい二足歩行の化け物ではなく、普通のただの猫。街中で塀の上を歩いてそうな猫だ。
比影「うわぁ、マジか・・・これを倒すの?」
佐和「うん・・・どうしよっか。」
色々考えたが、とりあえず捕まえないことには始まらない。倒すにも、保護するにも。そう思って、2人してジリジリと近づいていった・・・のだが。
猫「ナーン」
猫がじっとこちらを見つめてきて、ふと足を止める。猫の目を見ていると、わざわざ危険に晒すような真似をする必要があるのかと思ってきた。影響がないから、放っておいても・・・と。
だって、あんな可愛いやつ、退治なんてできないじゃん!?しかもあんなクリクリした目で見られたら尚更さぁ!
佐和さんも同じことを考えているようで、足はピタッと止まり、猫のことをじっと見つめていた。優しい顔をしていた。
そこでふと、ある疑問が湧いた。なぜあんな可愛い猫が、紅き街の化け物になったんだ?化け物チックでもない、ただの猫が。
じっと猫を見てみると・・・しっぽに目がいった。そこには、「2本」のしっぽがあった。・・・あ!!
比影「佐和さんしっかり!猫を見ちゃダメだ!」
佐和「・・・はっ!?えあ、なに?」
比影「いったん猫を見ないようにして!」
佐和「えぇ?わ、わかった・・・」
佐和さんはしぶしぶ、僕の指示に従った。
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