ひざまずけ、礼
第2章69話 一悶着のその後
それから1週間、紅き街は音沙汰なく、平和な日々が続いた。あの日以来、露骨に2人からのアピールが増えた。
ナーテアさんはなんというか、よくくっついてくるようになった。あきらか故意のコケて抱きついてくるだの、話すだけなのに腕を組んでこようとしたり・・・積極的になった、と言えば聞こえはいいが。
あと、新兵器について相談したいだの、紅き街について話し合いたいだの、何かと口実を作って2人きりになろうとしてきた。こちらは佐和さんにバレ、結局2人きりになる瞬間は訪れなかった。
そして、それより何倍も更にめんどくさいのがもう1人。無論、イザレアである。
紅き街以外の連絡が増えたってのもあるが、寝ようとしたら、突然天から話しかけてきたり・・・それが出来るならなぜ電話してくる?と思ったが、野暮なことには突っ込まない方がいいのだろう。
それがココ最近、というかあれから毎日続いている。何事かと思えば他愛もない話だし、無視して寝ようとしたら電話の着信音で起こしてくるし・・・それを無視しようものなら、耳元で囁かれるというね。何なのあいつマジでさぁ。
それだけなら、100歩・・・いや1000歩譲って許せるとしても、もう一つ問題がある。夜話しかけてくる時に、昼間と様子が違うのだ。言ってしまえば、お酒を飲んで酔っ払っていやがるのだ。
そのせいで話も微妙に長いし、だる絡みされるしで睡眠時間が削られる一方。もうね、いい事なしだよ。好感度プラスにしようと頑張ってるんだろうけど、逆にマイナスへ動いてますよ。
ここまで来ると、下世話な話がないことにありがたさを覚える。もう色々とおかしいのだ。
そんなのが毎日、学校から疲れて帰ってきたところに来るもんだから・・・ねぇ?
比影「はぁ・・・」
思わずため息を着く。最初から適当にあしらっておいて、ひたすら無視しとけばよかったのかもしれないな。と後悔した。
イザレアが話しかけてくることは、まだ2人には内緒にしている。そうしないと、さらにエスカレートしそうだからだ。佐和さんは別として、ナーテアさんにこれ以上、エスカレートして欲しくないというのが本音だ。
実被害が出ているため、やんわりとやめて欲しいと伝えたのだが、「やだ」の一点張りで、一切ひこうとしなかった。こいつ、マジでヤバいやつだよ。
自分から切る事も出来ないし、話しかけられたら最後、1時間は捕まったままだし・・・本格的に対策に乗り切らねば。
そんなことを思いつつ、テキトーに学校の授業を受ける僕なのであった。
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