ひざまずけ、礼
第2章68話 分かりきっていた結果
2人はじっと僕を見つめてくる。先程まで僕はそれぞれへ気持ちを伝えており、そのあとでどちらがより好みなのかを答えるとしていた。つまりは、僕待ちである。
そもそも問題、これ聞く必要あるのか?とも思ったが、そうしないと本人らが納得しないらしい。
・・・え、イザレアへの褒め言葉?んなもんカットよカット。何回も同じような場面繰り返すのは地味でしょ?
結果だけ言うのであれば・・・そこでニマニマしているイザレアを見れば、察せると思う。僕からはそれだけ。
比影「・・・どっちがいいかって話だけど、2人どっちかって言われたら、そりゃナーテアさんだよね。」
レア「なるほど、シスコンか。」
比影「違ぇよ。確かに妹みたいとは言ったが、異性として見てないって訳じゃないからな。」
アス「まぁ、当然の結果ですよねぇ・・・にへへへへへ、はい。」
レア「嬉しそうやなぁ・・・ちぇ、選ばれたかったなぁ。」
比影「そう思うなら、今のマイナスイメージを払拭することだな。」
レア「うへぇ、そいつはでっかい壁やな。はぁ・・・」
珍しく、イザレアが肩を落としていた。当然の結果なので何も思うことは無いが・・・少しくらいはフォローしてやってもいいだろう。
比影「ま、気を落とすな。顔はいいんだし、お前ほどのやつなら男は簡単に落ちんだろ。佐賀美くんとかその辺なら・・・」
レア「いや、あいつは無いやろ。顔にデカデカと『いい女といいことしたい』って書いてあるし。」
比影「そんなことないと思うよ!?というかみんなして、佐賀美くんに当たり強くない?」
思わず突っ込んでしまった。
比影「ま、まぁ、佐賀美くんどうこうはさておき、僕のことはさっさと諦めて、次の人を探すこったな。」
レア「え、絶対嫌やけど?」
比影「は?」
即答だった。一切の迷いもない、清々しいほど真っ直ぐな否定だった。
比影「嫌ってお前、なんで?ふられたとは思わないの?」
レア「思わんな。これからまだチャンスがあるんだし、あたし諦めないで?」
比影「うそーん・・・」
レア「だって、あくまで今回負けただけやし。次勝ちゃええんやろ?せやから、覚悟しときや。いつかあたしが、君のことをメロメロにしてやるさかい。」
比影「それはないな」
レア「どうかな~?案外コロッと堕ちたりして!」
ニッシシと笑うイザレア。黙っていれば美人なのだから、その容姿で男の1人くらいかっさらって来れそうだけどなぁ。色々とデカいんだし。細かく言うとキモイから、詳しくは言わんけど。
こいつはまた面倒なくじを引かされたと思った僕なのであった。
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