ひざまずけ、礼
第2章52話 悪夢の先の悪夢
その日の放課後。
比影「ぐへぇ・・・」
佐和「いやー楽しかった!文化祭はいいねー!」
アス「以前から気になっていましたが、いいものですね文化祭は。直接携われてよかったです、はい。」
比影「僕は死にかけだけどね・・・」
佐和「ナーテアさん、気持ちはわかるけど、あんまり比影くんを連れ回しちゃダメだよ。」
アス「ごめんなさい比影さん、つい・・・」
比影「いや・・・別にそれはいいんだけどさ、着替えさせて欲しかったな・・・」
結局1日中メイド服でいた僕。俺の体はボドボドだぁ!!
と、その時。スマホから、着信音が流れた。まさかと思い、宛先を見てみると・・・そこには佐賀美くんの名前があった。イザレアからではなかったことに安堵を覚える・・・が。
佐和「げ、イザレア様だ・・・」
アス「ほんとですね、ということは・・・」
比影「え、イザレアから?僕は佐賀美くんから来てるんだけど・・・」
佐和「えぇ?・・・まぁ、全員出てみましょ。」
どうやら2人には、イザレアから着信が来ているようだ。おそらく、イザレアから来るより前に佐賀美くんから来ていたのだろう。ひとまず電話に出ることにした。
比影「もしもし」
佐賀美「比影!!今どこにいる!?助けてくれ!!」
比影「うわっ!?どうしたの佐賀美くん!?」
佐和「はい、佐和です。」
アス「・・・ナーテアですが、如何しましたか?」
レア「よ、2人とも。比影くんには繋がらんが、別用か?」
佐和「ちょうど別の人から電話が・・・」
レア「そか、まぁえぇわ。実はな・・・」
佐賀美「変な場所で変な化け物に襲われてんだ!!一面真っ赤でさぁ!!」
レア「近くで紅き街発生や。場所は・・・いまいるところの隣の道やな。」
スピーカーモードにしたスマホから、それぞれの声が聞こえた。
佐和「隣の道路!?なんでまた・・・」
アス「偶然ですね・・・」
レア「そういうわけだから、頼んだで~」
イザレアは相変わらずのノリだが、こっちはそうもいかない。
比影「なんだって!?佐賀美くんの他には!?」
佐賀美「箕浦と世脇も一緒だ!!今逃げ、てるとこ、たす・・・」ツーツー
最後の方は途切れ途切れになり、最後まで聞こえなかった。だが、情報としては十分。そして何より、3人が紅き街に巻き込まれていることも確かだ。
比影「2人とも、急ごう!佐賀美くん達が危ない!!」ダッ
佐和「全く仕方ないわね!」ダッ
アス「了解です」ダッ
僕らは全速力で、紅き街発生場所へ向かった。
薄暗く、真っ赤な世界。僕達は慣れた足取りで奥へと進む。・・・いや、全くもって慣れてなどいないが。
比影「佐賀美くん!聞こえたら返事をして!」
佐和「箕浦も返事しなさーい!」
アス「あと・・・誰かさんもー!」
ナーテアさんはその場にいなかったため、世脇さんのことを知らない。仕方ないが、少し可哀想だった。
佐賀美「おーい!俺たちはこっちだー!」
箕浦「早めに来てくれ、こいつ結構やばい!」
佐賀美くんと箕浦くんの声が聞こえた。その方向に進むと、息を切らした2人と、佐賀美くんに抱えられた世脇さんの姿があった。
比影「世脇さん!?」
佐賀美「大丈夫、気絶してるだけだ!見たところ外傷もない!」
箕浦「とにかく逃げよう、脱出するんだ!」
2人はそういうが、僕達は知っている。その化け物を排除しなければ、それかそいつ自信が逃げなければ、紅き街からは出られない。今回は急で、ロープを持ってくる余裕がなかった。
佐賀美「お・・・おい!何渋ってんだよ!!」
箕浦「この状況わかってんのか!!」
返しを渋っていると、耳元のイヤホンからナーテアさんの声が聞こえた。
アス『2人の言う通り、ひとまずその場からは離れて下さい!化け物から距離をとって!』
比影「わ、わかった!行こう皆!」
佐和「仕方ないわね・・・行くよ!」
佐賀美「お!?お、おう!」
箕浦「・・・わかった!」
僕達はダッシュでその場を離れた。
「学園」の人気作品
書籍化作品
-
-
52
-
-
238
-
-
17
-
-
2265
-
-
1
-
-
440
-
-
37
-
-
1359
-
-
93
コメント