ひざまずけ、礼
第2章49話 ナンパ師の過去と親近感
佐賀美「元気にしてたかぁ?世脇くんよぉ。中学卒業してから全然会えなくて、寂しかったんだぞぉ?」カタクミ
箕浦「中学のときずっとナヨナヨしてて、弱々しかった世脇がナンパとはなぁ。変わったなぁお前。」
世脇「い、いや・・・変わってないよ・・・」
佐賀美「いやいや、変わったって。なんたって、俺らのことを呼び捨てできるようになってるんだからな!」
箕浦「昔はいくら呼び捨てでいいっていっても、絶対しなかったのにな。」
世脇「あぁ・・・うん・・・」
・・・なんだろう、すごく親近感を感じる。僕とこの人、実は似た者同士なんじゃないか?
佐和「なに、あんた達の同級生?」
佐賀美「そそ、中学時代のな。仲良くしてたんだよ、こいついっつもナヨナヨオドオドしててさ、いじりがいがあってよ。」
箕浦「オタクだったからかは知らんが、こいつクラスの女子に虐められててな。助けてやったのが俺らって訳よ。」
世脇「は、はは・・・その時はどうも・・・」
佐賀美「いいってことよ、俺らの仲だろ?」
箕浦「わざわざ俺らの高校にまで足を運んでくれてありがとうな。こうして話せて嬉しいぜ。」
世脇「いや、それはたまたま・・・」
佐賀美「たまたま来たのが俺らの学校だったって訳か!すごい偶然だな!」
箕浦「切っても切れない縁ってのは、この事なんだな。」
世脇「はは・・・そう、だね・・・」
・・・うぅむ、やっぱり似たもの同士だ。なんか自分を見てるみたいで嫌だな・・・顔は全然違うから、ドッペルゲンガーって訳じゃないんだろうけど。
オタク「むむ・・・話について行けませぬな。世脇氏、次の女子を探しに行きましょうぞ。」
世脇「え?あ、あぁ・・・そうだな。悪い、そういうことだから・・・。」
佐賀美「おう、元気でな。」
箕浦「ナンパ、上手くいくといいな。」
世脇「・・・う、うん。」
オタク「ささ、行きますぞ!」
オタクとナンパ師・・・もとい世脇さんは僕達から離れていった。突然声をかけてきたと思ったら、嵐のように去っていきやがったよ。
佐賀美「比影、大丈夫か?変なのに巻き込まれちまったな。」
比影「うんまぁ、何もされなかったし別になんとも。声かけられた時はびっくりしたけど。」
佐和「だから看板男の娘にしようって言ったのよ!絶対狙われるから!」
箕浦「まぁまぁ・・・とりあえず比影、あんなことがあったあとで悪いが、ウェイターに入ってもらっていいか?今アスティさんともう1人で回してる状態なんだ。」
比影「マジか、わかった。」
佐和「2人とも、あんまりこき使っちゃダメだよ!」
箕浦「わーってるよ。」
佐賀美「へいへい、口うるさいこって」
佐和「・・・なんですって?」ゴゴゴゴゴ
佐賀美「あ、やべ。サラダバーッ!!」ダッ
佐和「待てコラー!!」
箕浦「・・・相変わらずだな、アイツら。」
こうして、ひとまずの危機(?)は去ったのだった。
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