ひざまずけ、礼

ko-suke

第2章43話 どこまでもテンプレ




文化祭まであと3日。今日からはクラス全体で準備を始める期間だ。

クラスの出し物としては、教室でのカフェと外でのたこ焼き。僕と佐和さん、ナーテアさん、そして佐賀美くんはカフェ担当、箕浦くんは外担当になっている。

外の店舗、たこ焼きに関しては、親がたこ焼き屋に勤めているという人がいたため、その人を軸に動いているようだ。強力なカードだが、同時にプレッシャーも相当だろう。是非頑張っていただきたい。

そして、内のカフェについて。内装はバッチリ決まり、良い雰囲気なものとなった。だが・・・

比影「飾り付けはこれでいいとして・・・メニューどうしようか。」

佐和「事前にある程度は決めてたけど、どれもド定番のものでイマイチこれってのがないのよねぇ・・・」

佐賀美「そこなんだよなぁ、問題は。カフェってうち以外もやってるし、何かうちのクラスならではの物がないとキツイよなぁ。」

アス「なかなか手厳しい世界です、はい。ここはいっそ、ダークマター的なものでも・・・」

佐賀美「おいおい、口にできるものじゃなきゃダメだぞ。見た目にインパクトがあるだけじゃ、客は満足しねぇよ。」

佐和「あ、あの佐賀美くんが真面目なことを言ってる、だと・・・!?」

佐賀美「うっせ、ぶっ飛ばされてぇのか。」

問題は差別化とメニュー。特にメニューは決まった当初から難航していた。定番も大事だが、1つ味のあるものが無いと、人が寄り付かないからね。

佐賀美くんが真面目なことを言ってツッコまれたが、まさにその通り。見た目がよくて尚且つ美味しいものでないといけない。そこが難しいのだ。

クラスの皆で悩むこと1時間。ついに素晴らしいアイデアが閃く時が・・・

比影「・・・なんか、思いついた?」

クラス「・・・」

比影「ダメかぁ・・・」

来なかった。ぜーんぜん来なかった。なんでかなぁ、なんでこんな難しいのか。せめて誰か一人でも、カフェ通いの人がいれば・・・

比影「見た目にインパクトがあるやつは思いついても、味もいいものをってのはなかなか厳しいね。しかも、思いついても材料費がね・・・」

佐賀美「それもあんだよなぁ、実はあんまり予算かけられねぇんだ、これが。」

お金の話にはなってしまうが、実際予算が潤沢にある訳でもないから、なかなか厳しい面もある。今回の売上が、クラス全体で使えるお金に直結するからなぁ。

そもそも、予算だって6.5割くらい外の方に取られているのだ。現在かかる材料費と内装費だけでも、1.5割くらいは消えちゃうから、在庫の追加投入も考えるとあまり使わないようにしたい。

佐賀美「インパクト、ねぇ・・・」

僕らはまた悩むことになった。・・・が、その時だった。

佐賀美「・・・あっ!!ある、ひとつだけ!しかもインパクト全振りで儲けが出せる方法!」

佐賀美くんが、あることを思いついた。


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