ひざまずけ、礼
第2章33話 その者、怒り収まらず
アス「これが1つ目。2つ目は、2人ともに怒ってます、ハイ!」
比影「え、どっちも?今回なんかやらかしたっけ?」
佐和「いやぁ・・・あ、前からのこととか?」
アス「とぼけるんじゃないよ2人とも、今回のことに決まってるでしょ。めっちゃ重要なことだよ、ハイ!」
忘れたように口癖(相変わらず尖ってるけど)を最後につけながら、そういうナーテアさん。けど、マジで身に覚えがないぞ・・・?
2人して悩んでいると、痺れを切らしたのか、ナーテアさんのほうから話し出した。
アス「マジでわからないって言うの?最初にあったでしょ、あの馬!馬のことですよ!ハイ!」
比影「あぁ、敵が乗ってたあの馬か。」
佐和「それがどうしたっていう・・・」
アス「なんで馬ごと消し去ってくれちゃってんのさ!?動物には優しくしなきゃダメでしょうが!可愛かったでしょ!?」
そう叫ぶナーテアさん。わけがわからないよ・・・。
比影「いや、可愛かったですけど、あれも敵の1部で・・・」
佐和「思いっきり襲いかかってきてたし・・・」
アス「上の化け物に操られてるに決まってるでしょう!あの子だけでも助けて、連れ帰ってくるのが普通じゃない!?」
比影「はぁ・・・で、連れ帰ってきてどうするんです?家じゃとても飼えないよ。」
アス「天界で飼うんですー!そしてゆくゆくは天界レース上に出馬させたかったのにー!」
佐和「競技馬に育てようとしてたんですか!?紅き街産の馬を!?」
アス「悪いか!天使が羽をもがれて堕天使になるなら、魔の馬を立派に育てれば、天の馬になるかもしれないでしょ!」
比影「めちゃくちゃだ、この人・・・」
佐和「同感・・・」
1つ目のやつはまだ分かるが、これについては全くわからなかった。
比影「あー・・・それで、他にもあるんですか?怒りポイント。」
アス「あるよ!最後の3つ目!」
佐和「あ、最後なの。じゃあ早めに消化してもろて・・・」
佐和さんが呆れたようにそう言うと、周りの空気が一変した。それはまるで、紅き街に入ったかのように。ナーテアさんから、どす黒いオーラが見えた気がした。
アス「・・・よくそんなことが言えるね?佐和さん。最後はあなたのこと、しかもこれに1番怒っているというのに。」
佐和「え・・・私?」
アス「ひとつ、いいことを教えてあげましょうか。さっき、あなた達の無線にカメラつけた話をしたじゃない?実は、それだけじゃないんですよ、強化した点は。」
比影「はぇ~そうなんですか?知らなかった。」
佐和「一体どう強化したの?それに、さっきの話にどう関係が・・・」
すると、ナーテアさんはドスの効いた声でこう言った。
アス「紅き街だけでなく、現実世界でも通信できるようにしてやりました。」
と。
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