ひざまずけ、礼

ko-suke

第2章32話 キャラ崩壊まで5秒前




暗黒騎士との一戦・・・正確には、暗黒騎士+アリジゴクの訳分からん化け物との一戦だけど、そこで勝利を収めたあと、僕は佐和さんを怒らせてしまった。

だが、怒っていた女性は彼女だけでは無かった。

アス「キシャャャャア!!」

これが、秘密基地へと戻ったあと、ナーテアさんから発せられた第一声だった。なんかよく分からなかったが、部屋の荒れようから、めちゃくちゃ怒ってることだけは伝わった。

その後、猫が威嚇する時の様なポーズで、「グルルルル・・・」と猛犬のような声を立て始めた。もう訳が分からなかった。

30分近くかけ、なんとか2人でナーテアさんを宥め、普通に(?)話せる程度まで落ち着かせることに成功したのだった。

比影「ふぅ・・・それでさ、ナーテアさんがそこまで怒ってる理由がなんなのか、教えてくれないかい?何個か心当たりはあるけれど・・・あ、お願いだから発狂しながらはやめてね?」

佐和「あと、ひとつずつゆっくり話して欲しいかな。興奮してるのは分かるけど、私たちが理解しないと始まらないからさ。」

アス「・・・わかってます、ハイ。」ギロリ

怖ぇよ!心なしか、いつもより口癖も尖ってる気がするし!

アス「まず・・・1つ目。比影さんに対してです。」

比影「はい。」

アス「よくもまぁ、私の傑作品を粗末に扱ってくれましたねぇ?相手に電気パックを攻撃させて、直接流し込むとは・・・お取り寄せ品なのに!貴重品なのにー!!」ゴゴゴゴゴ

比影「ひぃぃ!ごめんなさいごめんなさい!あの時はあれしか思いつかなくてぇ・・・!」

アス「電気棒を相手に投げつけるとか、色々やりようはあったでしょうが!!よりによってあれを直接ぶつけますか普通!!」

比影「棒はいいんだ!?」

アス「まぁ、ただのコイルをまきつけた棒ですし。だが電気パックはなぁ!アマノガワンで半月の給料使ってポチッた代物なのぉぉぉ!」

比影「すみませんでしたぁぁぁ!」ドゲザー

謝る時に使える究極奥義、「土下座」を発動する。謝ることについては慣れてるし、プライドなんてハナから無いし。

それとアマノガワンというのは、神々の間で使われている通販サイトらしい。Ama○onみたいなやつってことね。見習いとはいえ、神のお給料の半月分って、相当だろうな。やばいものを壊してしまった。・・・神々も、給料制なのね。

佐和「・・・あれ、ちょっと待って?なんでナーテアさんが壊したこと知ってるの?無線じゃ分からないでしょ?」

アス「あぁん!?・・・あぁそれは、佐和さんたちに渡してるそのイヤホンに、こそっと小型カメラを付けたからね。ぜーんぶお見通しって訳よ。どうよ、凄いでしょ。」

佐和「あぁ、そう・・・」

アス「あ、それも結構してるからね!?壊すなよ!?フリじゃないからね!!」

ナーテアさんはキャラも忘れて、怒鳴り散らしていました。知ってるか?これでまだ1個目なんだぜ・・・先が思いやられるよ。


「ひざまずけ、礼」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「学園」の人気作品

コメント

コメントを書く