ひざまずけ、礼

ko-suke

第2章18話 お堅い子は同類なりや?




澤井「で、問題なのがここからなんですよ。都市伝説とはいえ、今まで騒がれてきたものよりもだいぶ信憑性のある話なんですが、如何せん目撃情報がひとつたりとも無いんです。」

話は続くよどこまでも、というように話が止まらない澤井さん。この子、真面目さんなんだろうけど、結構オタクっぽいぞ。僕が言えたことではないけれど。

にしても、目撃情報がない、ね・・・多分、いや絶対イザレアの仕業だろう。関わったヤツらの記憶を消して、実質無かったことにする・・・そんなことが許されるのか、って感じはするけど、確かに今の状況なら、パニックは必至だろうね。

そしてここで、ひとつの疑問が生まれる。僕は率直に気になったことを聞いてみた。

比影「あの・・・目撃情報がないのに、何故澤井さんはこの話を、現実で起こってるとか、信憑性があると感じているんですか?」

澤井「それは・・・ほら、こういうオカルト本とかにも載ってますし。それに、異世界ならちょっと行ってみたいなぁ、って・・・」

その発言に、僕達は苦笑いをする。あの世界を知っているものが、目の前でこう言われたら、誰もがこの顔をするだろう。

あの世界に行ってみたい、そう思えるのは行ったことのないヤツらだけだ。あの世界の不気味さを、恐ろしさを、僕達は知ってる。知って、しまっている。

だから出来ることなら、そんな馬鹿げた興味や自身の欲求のために、あの世界に関わろうとするなと言ってやりたいのだが・・・それも難しいだろう。だからこそ、苦笑いしか出来ないのだ。

と、ここでナーテアさんが口を開いた。

アス「意外ですね、はい。あなたのような人が、オカルトに興味をお持ちとは。」

澤井「警察の関係者は、全員現実主義だと思いました?私はこういうオカルト、結構好きなんです。無論、父もですが。というより、私のこの探究心は、父譲りなんです。」

佐和「お父さんが警察官なんですね。」

澤井「あぁいえ、父は考古学者です。警察官なのは母でして。昔、母が担当した案件を父と共に解決したのがきっかけのようで。混乱させてしまってすみません。」

比影「考古学・・・なるほど。たしかにオカルトと通ずる部分もありますね。」

澤井「えぇ、そうなんです。父の部屋にあった考古学の本やらオカルトの本やらを見てるうちに、自然と私も。まぁ、母のとことん突き詰める思考と父の探究心が合わさった結果が、私ってことですね。」

なるほど、調べないと気がすまない性格なのも頷ける。

比影「ですが、具体的に僕達は何を調べれば・・・」

そう聞くと、こう返事が返ってきた。

澤井「私の調査協力を依頼したいんです。力を合わせて事件解決へと繋げたいんです!言うなれば、探偵団のような感じですね!」

アス「た、探偵団?」

澤井「はいっ!!」キラキラ

そういう澤井さんの目はギラギラとしていた。そして、冒頭に戻るのである。


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