ひざまずけ、礼

ko-suke

第2章17話 ピンチは突然に




澤井「だ、大丈夫ですか?勢いよく咳き込んでましたが・・・」

比影「だ、大丈夫です、大丈夫・・・」

佐和「えぇ、何も問題ないですはい。」

アス「・・・大丈夫」

澤井「・・・?」

僕は冷静になった。彼女は一言、「異世界について」と言っただけじゃないか。別に紅き街について、と言った訳でもないし、紅き街に関する事かどうかも現状不明だ。

だから・・・とりあえず話を聞いてみようそうしよう。べべべつに動揺なんてしてないんだからねっ!・・・男のツンデレに需要ないよね、ごめん。

比影「えっと・・・異世界について、とは?具体的にどういう事ですか?」

澤井「ごめんなさい、急に言われても困りますよね。ちゃんと説明もしないままで・・・すみません。1から説明しますね。」

佐和「お、お願いします。」

澤井「はい。異世界といっても、アニメとかラノベとかでよくある転生とかそういった類のものではないんです。現実で起こりうるものというか・・・ある意味都市伝説なんですが。」

ごくり、と唾を飲む。ここまではとても紅き街の話っぽいぞ。だが、都市伝説系の異世界は他にも色々あるだろうし、紅き街とは限らない・・・よね?

澤井「アニメとかの異世界は・・・あ、そういうのは比影さんはお詳しいですよね、よくそういった本を借りられてますし。」

比影「え!?な、なんでその事知ってるんですか!?それも独自の情報網で・・・」

澤井「ふっふっふ、実は・・・と言いたいところですが、分かりませんか?私、比影さんとは初対面ではないんですよ。」

比影「え?」

佐和「は?」ギラン

澤井「分かりませんか?私の顔を見ても。」

比影「え・・・・・・・・・あっ!?よくみたらあなたは、図書委員の!?」

澤井「えぇ、よくあなたが来る図書室で、受付をしている図書委員ですよ。いつもご利用ありがとうございます。そういった本をよく借りられる比影さんなら、何となくイメージ出来ますよね?」

比影「は、はは・・・まぁ。」

澤井「それとは全くの別物、と考えていただいて結構です。なんせ・・・」

澤井さんは、メモを片手に言った。

澤井「これは、実際に現実世界で起来ていると言われる、種類の違う異世界ですから。」

比影「じ、実際に起こったことがあるんですかぁ!?へーそーなんですか~(棒)」

ここまでくると、紅き街のこと以外であることを証明する方が難しい。これは、知らないフリで突き通さなければ。親が警察ということもあり、バレるとなると色々な意味で結構ヤバい。

そういう訳で、ある意味ピンチなのだった。


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