ひざまずけ、礼
第2章14話 テンプレ展開、以上
アス「全く・・・時間は有限なんですから、ちゃっちゃとしてください、はい。」
比影「ごめん、気をつけるよ。ほら、佐和さんも。」
佐和「・・・へーへーすまそすまそ」
アス「・・・イラッ☆」
比影「あ、あはは・・・胃が痛い・・・」
僕たちは紅き街に入った。周りの空気より重い2人の会話に、胃がやられそうだ。
比影「・・・おっと、2人共。この先は真面目にね、おふざけなしだよ。」
狼の鳴き声が聞こえたため、そう言う。
佐和「はぁ!?ふざけてなんかないんですけど!?元はといえばこいつが・・・!」
アス「聞き捨てなりませんね、そっちからふっかけてきたんじゃないですか、はい。」
比影「はいはい、ケンカも後でね。」
2人を何とかなだめ、先へと進む。曲がり角の先、ヤツらはいた。
比影「・・・よし、シュミレーション通りにね。」
佐和「うん、こっちは任せて。」
比影「・・・よし、今だ!」ダッ
僕はナーテアさんから渡された装備を、佐和さんは僕のパチンコを持って、それぞれ飛び出す。狼共はすぐさま気づき、2匹とも僕に向かって走ってきた。
佐和「・・・そぉい!」
そのうちの1匹は、僕の後ろでスタンバイしていた佐和さんの玉がもろに鼻先に当たり、怯んだ。
比影「不注意、ダメ、ゼッタイ!」
もう1匹、僕に向かって飛び出したヤツは、ナーテアさん作の装備によって無事痺れさせることに成功し、その場に倒れる。
・・・にしても、ナーテアさん作の装備って長いな。・・・うーん、よし!こいつのことは「電気棒マキシマム」と呼ぶことにしよう。耳元から「うわダサ」とか聞こえた気がするが、知らん。
比影「よし、佐和さんチェンジ!」
佐和「よしきた!」
佐和さんは倒れた狼に、僕は佐和さんが怯ませた狼に標的を変更する。あの一撃で結構怯んでいたような気がするが、まだ突撃してくる元気はあるようで、また不注意に突っ込んできた。
比影「お前ら突っ込むしか能がないのか!?馬鹿めと言って・・・いややめとこう。くたばれぃ。」
またもや突っ込んできた狼は、あっけなく電気棒マキシマムの餌食となった。強いなこれ。
佐和さんの方を見ると、足元で光の粒子が舞っていた。どうやら1匹目の処理が済んだようだ。
比影「佐和さん!こっちもOK!」
佐和「あいよー!」
ラーメン屋の店主バリのいい返事をした佐和さんは、すぐに狼の元へと走り、いつものやつを唱えた。
佐和「本日2度目の・・・ひざまずけ、礼っ!」
狼は光の粒子となり、跡形もなく消え去った。あっけない最期である。というか武器が強すぎだな。ほぼ無双ゲーやんけ。
・・・まぁ、それはそれとして。紅き街がまたひとつ、消え去ったのだった。
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