ひざまずけ、礼
第1章98話 一悶着の理由と原因
比影「何それ!?いつ決まったのさ!?てかうちの両親は知ってんのかよ!?」
アス「あ、あの、私に聞かれても困りますです、はい・・・」
比影「あ、ごめん・・・。えっと、おいだm・・・イザレア!聞こえてんだろ答えろよおい!」
そういうと、電話が鳴った。スマホの画面にはイザレアの名が。こいつ、ここに来ないつもりか。土下座させようと思ったのに。
比影「もしもしおい、これは一体なんの冗談なんだ?」
レア「あー・・・えっとそのなぁ、うちも忙しくてなぁ、なかなか言い出すことが・・・」
佐和「本 当 は ?」ゴゴゴゴ
レア「言ったら断られると思って言いませんでした。」
佐和さんは軽く・・・いや結構キレていた。佐和さんが変わりにキレていたため、僕自身はある程度冷静になれた。
比影「・・・で、うちの家族はこのこと知ってるわけ?」
レア「あぁ、知っとるで。あんたの先公から今日の昼くらいに連絡しとるで。そう仕向けたのはあたしやけど。」
比影「じゃあ全部お前のせいじゃん」
レア「て へ ぺ ろ」
うぜぇこいつ。
佐和「というか、わざわざ比影くんの家に泊まらなくても、ホテル一室を貸切にするとか、いっそアパート契約するとかすればいいじゃないですか。」
そういう佐和さんに、イザレアはため息をついて言った。
レア「あんな佐和、ナーテアは下っ端、修行の身やで?今回はそんなナーテアの、言わば外部研修や。」
佐和「・・・それが何か?」
レア「予算なんか一銭も降りるわけないやろ。ぜーんぶ自腹や。せやから、できるだけ費用は抑えたいっちゅうわけやな。」
佐和「ブラックすぎでしょ天界!?」
比影「なんか・・・天界も現世も同じなんだな。」
アス「それは言わないお約束です、はい。」
秘密基地内に一瞬沈黙が走った。が、すぐにイザレアが破る。
レア「そんなわけやから、頼むで比影!可愛いからってエッ○なことしたらあかんで~?」
比影「しねぇよ!」
レア「ひっひっひ!じゃあに~」プツッ
そういってイザレアは電話を切った。いつかあいつはとっちめる。マジで。
比影「はぁ・・・とりあえず状況はわかったよ。もう連絡ついてるみたいだし・・・ナーテアさんがいいなら、僕は大丈夫だよ。」
アス「私は大丈夫です。着替えの準備もバッチリです、はい。・・・それで、あの。」
比影「ん、なに?」
アス「・・・するんですか?エッ○なこと。」
比影「しねぇっつってんだろ!おまえもなのかよ!」
アス「そうですか・・・」
とりあえずナーテアさん側は何とかなった・・・かな。・・・で、気にしないようにしてたけど、約1名、ちょーふくれっ面な方が。
佐和「・・・」
比影「えっと・・・佐和さん?」
佐和「・・・なによ」ムスッ
比影「と、とりあえずさ、そんな怒んないでよ。」
佐和「べっつにー?怒ってなんかないしー!比影くんはさっさと可愛い可愛いナーテアさんをお持ち帰りしたら?」
うーん、めっちゃ怒ってる。こういう時は、母さん直伝の、怒ってる女子を宥める魔法の言葉で・・・。
比影「そんな顔しないでよ、可愛い顔が台無しだよ?佐和さんは笑ってる顔が1番似合ってて可愛いんだから、ね?」
佐和「・・・!」
ど、どうだろうか。母さんによれば「これを意中の男性に言われて落ちない女子はいないわ。ソースは私。」とのことだが・・・本当に効くのだろうか。
佐和「・・・ふ、ふんだ!2人とも、途中までは一緒なんだから、早く帰るよ!」
比影「う、うん。」
アス「はい。」
うーん・・・これは効いてないような。母さんめ、嘘ついたか?
佐和「・・・比影くん」
比影「うん?」
佐和「・・・ありがとっ♪」
そう、佐和さんは言った。とびっきりのいい笑顔で。どうやら効いたようだ。
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