ひざまずけ、礼
第1章97話 一段落後の一悶着
鉄仮面を倒したあと、僕たちは秘密基地にいた。パチンコがとても役にたったことをナーテアさんに報告すると、とても嬉しそうにして、嬉し泣きをしていた。
どうやら天界では、何を作っても上手くいかなかったようで、イザレアのところに弟子として入ってからも、失敗つづきだったという。それが成功し、とても嬉しかったのだそう。
何度もありがとうと言われ、満更でもない気持ちになった。佐和さんにはつねられた。
こうして、力を得た僕たちの快進撃が始まるのであった。
・・・なんて、上手くまとめようとしたけれど、問題はここからだった。それは、気持ちよく解散しようとした時に起こった。
佐和「さて、そろそろ帰りますかぁ。」
比影「そうだね。いやぁ、いつも以上に緊張したや。家でのんびりしよっと。」
アス「そうですね、それがいいと思いますです、はい。帰ったら肩でも揉んであげますよ。」
比影「はは、ありが・・・え?」
ナーテアさんの一言。さも当たり前かのように投下された言葉によって、場は凍りついた。佐和さんは笑顔で、さながら目の奥は全く笑わずに、口を開いた。
佐和「・・・ナーテアさん?今なんて言ったのかしら?」
アス「・・・?なにって、肩を揉んであげると言っただけです、はい。何か問題が?」
佐和「なんであなたが、比影くんの肩を揉むの?いや、揉めるの?それじゃまるで、比影くんと同じ場所に帰るみたいな・・・」
アス「まるでも何も、その通りです、はい。」
ミシッと、何かが軋む音がした。僕としても、ナーテアさんが何を言ってるのか、全くわからなかった。
比影「えーと、ナーテアさん?何を言ってるの?僕とナーテアさんは一緒に住んでないでしょ?」
そういうと、ナーテアさんは少し驚いたような表情をした。
アス「え、もしかして・・・何も聞いていないのですか?」
比影「え?・・・うん、全く?」
アス「・・・イザレア様、あなたって人は・・・」
ナーテアさんはそう言って、頭を抱えた。
比影「えっとあの、どういうこと?とりあえずあの駄女神が原因なのは分かったけど・・・」
アス「・・・よく、あの人に駄女神なんて言えますね、はい。えーと・・・簡単に言うとですね。」
ナーテアさんは呆れたような顔をして、言った。
アス「私が下界におりている間、住む場所がないので、比影さんの家でお世話になることになっていますです、はい。」
・・・え?はい!?
比影「はぁぁぁぁぁぁ!?」
全くもっての初耳であった。あんの駄女神がぁぁぁぁぁ!!
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