ひざまずけ、礼
第1章88話 作戦の落とし穴と抜け穴
紅き街ではなく、こっちの世界で仕留める。ありそうでなかった作戦、いや盲点だった。
比影「それだ!それだよ!なんで今まで思いつかなかったんだろう!やっぱり佐和さんは天才だ!最高だよ!」
佐和「そ、そう・・・?褒めても何も出ないよ・・・。」
佐和さんは多少呆れ顔だったが、この際どうでもいい。この方法なら、諦めていたことが全部解決する!もうほんと佐和さん神!イザレアなんかよりよっぽど神だわ!
・・・だが、この話は一時停滞することになった。その原因は、突如イザレアが飛び込んできて放った一言。
レア「『ひざまずけ、礼』は、敵が紅き街にいる時のみ使える技や。こっちの世界じゃ使えへんよ。あと比影はいっぺん殴らせろ。」
というものだった。
返事をする前に、降りてきたイザレアに引っぱたかれた。理不尽すぎませんか?とも思ったが、彼女は涙目だった。
どうしたのかと思ったところ、彼女は小声で「神様だもん・・・」と言った。あ、これさっきの『イザレアなんかよりよっぽど神』って思ったことに嫉妬して、むくれてるんだな。キャラを捨ててまで。
頭を撫でて謝り、とりあえずは許してもらった。頼れる姉担当なのか、可愛い妹担当なのか、はっきりして欲しいところだ。
佐和さんは焦った様子でイザレアに話しかけた。
佐和「れ、レア様。さっきのって本当ですか?」
レア「マジもマジ、大マジや。こっちの世界で使えたら、やりたい放題出来るやろ?気に入らない奴に向かって、『ひざまずけ、礼』って言うだけで、そいつは跡形もなく消えるんやから。」
佐和「え、あれって紅き街の化け物専用じゃないんですか!?」
レア「そや。せやから、消去対象が紅き街に居る時のみ、あのグローブを付けた時だけ使える仕様なんや。」
佐和「そ、そうなんですね・・・」
比影「弱ったな・・・出てきたところをとっ捕まえて、退治してやろうと思ったのに・・・やっぱり乗り込むしかないのか・・・?」
佐和「それだとなかなかキツいね・・・」
しばらく2人でうんうん悩んだ。やはり乗り込むのは難しい、かといってこっちの世界では・・・うん?こっちの世界?
・・・・・・あっ!!この方法なら!
比影「イザレア、1つ確認したい!『ひざまずけ、礼』はあくまで、消去対象が紅き街に居ればいいんだよな!?」
レア「せ、せやで。というかもう少し敬った言い方を─」
比影「あったよ佐和さん!ひとつだけ、確実な方法が!」
佐和「え、ほんと!?」
レア「ちょい」
イザレアがなんか言ってるが、無視。
比影「あぁ!しかも、こっちから乗り込むの必要は一切ない!」
佐和「マジか!教えて教えて!」
僕は佐和さんに、思いついた方法を教える。佐和さんは少し考えたあと・・・
佐和「うん、それしかなさそうだね。よーし、やったるか!」
比影「うん、その意気だ!」
こうして僕達は、作戦の準備を─
レア「無視しないでよ・・・ぐすっ」
比影「あっ・・・ご、ごめん・・・」
─の前に、イザレアを慰めるのだった。
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