ひざまずけ、礼

ko-suke

第1章61話 電話越しの忠告




レア「やっほー2人とも、お疲れさん。」

佐和「レア様?どうしたんですか突然。・・・ま、まさかまた紅き街ですか!?」

レア「そのまさかでなぁ、いや実はなー」

比影「さ、流石にここまで連チャンで続くと体が持ちませんよ・・・」

レア「・・・まぁ、その、冗談やから安心しとき。ちっとからかっただけやで。」

2人「タチの悪い冗談だなおい!?」

レア「おぉ、キレッキレのツッコミやなぁ。そんだけ元気なら、大丈夫そうやね。」

冗談を交えつつ、僕らのことを心配してくれるレア様。お優しい神様やでほんま。

ただ、その冗談は本当に心臓に悪いです。ただでさえレア様の電話は、紅き街発生の連絡が多いのだから・・・。

レア「ここ最近紅き街の発生が連発しとったし、秘密基地の件も含めてちゃんと休めてないやろと思うてな。とりあえず、元気そうで何よりや。昨日の件でも、後に響くような怪我はなさそうで、結構結構。」

比影「・・・あー、えっと・・・そう、ですね。」

佐和「えぇ、体“は”大丈夫です・・・」

僕と佐和さんは、目を合わせて頷く。どうせ捜索するなら、レア様の手も借りようと思ったのだ。警察だけでなく、こっちの事情も知ってるレア様なら、より力になってくれるだろうと。

神様なら、人の捜索くらい簡単にできそうな気がするし、警察よりも頼りになりそうだし。と、そう思った。

・・・の、だが。

レア「・・・自分らの事情は把握してる。自分らがやろうとしてることもな。だから、この際やし忠告しとくで。」

先程とは打って変わった声色のレア様が、こう言った。

レア「この件は、もう関わるな。自分らは何も知らない、ええな?」



2人「・・・・・・は?え?」

2人して素っ頓狂な顔と声になった。レア様の言っている意味が全く分からなかった。

比影「こ、この件に関わるなって・・・どういうことですか!?」

佐和「そ、そうですよ!私たちには、あの子に起こったことをきちんと伝える義務があります!それを放棄しろだなんて・・・!」

僕と佐和さんは、電話越しにレア様に問い詰める。だがレア様は、至って冷静にこう言った。

レア「ええか?自分らはあの時、紅き街に巻き込まれるまで、この世界のことを一切知らなかった。不思議だとは思わなかったんか?こんなに多く発生してるのに、どこにも話題が上がってないなんてなぁ。」

ずっと気になっていたことを、レア様に言われた。今やSNSの拡大につき、様々な人が情報を発信できるようになった。

それなのに、紅き街の話題は一切SNSヒットしない。存在すら認知されてないという状態だった。

比影「それは・・・」

佐和「そりゃ気にはなりますけど・・・」

レア様は乾いた笑いの後、言った。

レア「紅き街は極秘情報なのさ。それこそ、普通の人は絶対知らないような、ね。」


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