第1章47話その不可思議の詳細は

？？「ほ、本当に信じてもらえるんですよね？冷やかしじゃないですよね？」

比影「そこは心配しないでください。僕たちは、あなたのことを信じますから。嘲笑うような真似はしません。」

佐和「落ち着いて、話を聞かせてください。できるだけ、詳細に教えてくれると嬉しいです。」

？？「わ、わかりました･･･」

依頼者に連絡を取ったその日、たまたま時間が空いていたため、すぐさま会うことになった。僕たちとしても、紅き街解決が素早く進むのは好都合だ。

で、目の前にいる子が、今回の依頼主。もちろん学園の生徒なので、調べようと思えば知ることはできるけど、一応匿名希望とくめいきぼうとのことなので、仮に後輩女子Aとする。

紙に名前はなかったのかって？電話番号しか書いてなかったね。それで連絡をとって、番号が書いた人のものということは確定した、ってわけ。

後女A「えっと、大まかには紙に書いた通りでして･･･昨日の夜に、その･･･こっ、コンビニに出かけた帰りに･･･変な音が聞こえてきて。」

佐和「それが、ここに書いてあるボールが跳ねるような音ってこと？」

後女A「そ、そうです。」

佐和「なるほどなるほど･･･夜中に外出とは、あまり感心しませんね。」

後女A「うぐっ･･･返す言葉もないです。」

比影「まぁまぁ･･･今回はそのおかげで、あか･･･超常現象に出くわしたんですし、そのおかげで僕たちが行動出来るんだから･･･あんまり怒らないようにね？」

佐和「わかってるわよ･･･それで？ボールが跳ねるような音がして、近くまで行ったってことね？」

後女A「は、はい。ボールの音くらい、団地ですから聞こえてきてもおかしくは無いんです。でも、流石に夜中に聞こえるのは初めてのことで･･･少し気になってしまって。」

比影「なるほど。そしてある程度近づいたら･･･」

後女A「･･･は、はい。ガラッと景色が変わったんです。そこに書いた通り、さっきまで綺麗な星が見えていたのに、いきなり夕方よりももっと赤い景色に移り変わって･･･」

やはり、紅き街と全く同じ状況だ。裏付けも取れてるし、紅き街が出現したことによる超常現象と見て、間違いない。

ただ、問題は相手がどんなやつなのか。ボールが跳ねるような音となると、バスケとかサッカーとか、そういう選手の格好をした化け物･･･または亡霊か。

さて、どう戦うべきかな･･･

後女A「･･･やっぱり、信じられないですよね、こんな話。」

比影「え？あぁいえ、そう言う訳では無いんです。さっきも言った通り、話の内容は信じますよ。」

佐和「･･･ひとつ聞きたいんですが、その紅き街の中で異質な存在というか、化け物のようなものは見ませんでしたか？」

後女A「ば、化け物？いえ、その景色に驚いて、すぐさま逃げ出してしまったので･･･でも、今日の朝に同じところに行っても、全く赤い景色なんてなかったんです。」

比影「･･･わかりました。そのお悩み、責任もって僕たちが解決します。」

後女A「え、解決･･･？でも、危ないんじゃ･･･それにその、お金とか･･･」

佐和「そのための、私たちですからね。あと、お金はいりません。あくまで、部活動ですから。」

僕と佐和さんは、お互いを見てニコッと笑うのだった。