ひざまずけ、礼

ko-suke

第1章34話 即〇ち2コマの勢い




その日は出現することはなく、次の日。あーたーらしーいー朝が来たってね。

ちゃんちゃんという鳥のさえずりで、目が覚める・・・ことができれば、どれほど良かったことか。

この日僕は、こんな音で起きた。「プルルルルル、プルルルルル」という、極めて電子的な音で。

僕は目を擦りながら、手探りでスマホを探り当て、電話に出た。

比影「あ゛~・・・もしもし・・・」

レア「あ、寝てた?すまへんな、私や。」

比影「ふぁ・・・ぁ、どうしたんです?」ゴシゴシ

レア「こんな朝早くですまんのやけど、紅き街が出てきちまったんや・・・」

比影「・・・えー・・・うそぉ・・・」

時計をみると、6時前だった。こんな朝っぱらからかよ・・・くそがよぉ。

レア「佐和にも言っとくから、頼むで?場所は、前と同じあたりだから。」

比影「は~い・・・」

そう返事をしたところで、電話は切られた。僕はスマホを置いてため息をつく。これがこの生活の嫌なところだよな・・・いつ来るかわからないんだもの。ま、仕方ないわな。

僕は身支度もそうそうに、家族に心配されないよう、キッチンにメモ書きを置いて家を出た。少しすると佐和さんが家から出てきたため、一緒に場所へと向かった。

佐和「なにもこんな朝早くに出現しなくてもいいでしょうに・・・全く。ほんと神出鬼没よね。」

比影「だね。しかも月曜日の朝っていう・・・学校もあるのに、朝から疲れるのかぁ。」

佐和「そうよね~・・・。」

僕達は同時にため息をつく。幸せが逃げるとか言うけど、そのくらいで逃げる幸せならどうぞ逃げてくださいな。

僕達はとぼとぼと、出現した場所に向かうのだった。



10数分後、やっとこさその場所へと着いた。前と同じ場所なのに、やけに長く感じた。

佐和「これで終わりにしたいね。こいつは二度と見たくないし!」

比影「あはは、だね。さっさと終わりにしよっか。学校に遅れたらまずいし。」

佐和「そうね、ふふふ・・・腕がなるわ・・・」

僕達はいつもより、そそくさと紅き街へと入っていった。

そんな僕たちを出迎えるは、赤黒い景色で重苦しい雰囲気漂う街。

そして、好都合と言うべきか、今回は近くにヤツを見つけた。

佐和「ぐぐぐ、あんにゃろ~・・・!」

比影「佐和さん、打ち合わせ通りにね。」

佐和「わかってるわよ・・・ふふふ・・・」

・・・本当に大丈夫だろうか。ちょっぴり不安だけど、

ふよふよとしているそれは、まだこちらに気づいていないようだ。僕達は早速作戦に取り掛かっ─

佐和「くぉらスライム野郎!潰してやるわぁぁぁ!」


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